みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

ドラゴンのパンターG その4

2010年09月29日 20時23分10秒 | AFV(独)
 で、シェルツェンを取り付けてみました。ご覧のように、問題のキャタピラ全長不足の場所、表からはほとんど見えません。もう、しゃーない。これでいきましょう。これで車外装備品を取り付けたら、もう適当に塗装です。
 ついでに、ヤークトパンター・ツィメリット付きもいじっているのですが、問題点は基本的に同じ。ただ先回指摘した、車体外縁下の妙な出っ張りはヤークトパンターにはありませんから、まだマシですが、でもやはりキャタピラは短いし…。もう、ドラゴンのミニスケールは、イヤッ!

 と言いつつも、ティーガーIの極初期型レニングラード戦線や、ブルムベア中期型や、パンターG鋼製転輪型などの新製品を発注しようとしている私が居るのでありました。いや、やっぱりパンターは止めておこうか…。でも一個は買っておこう。ティーガーやブルムベアは二個ずつかな。これが連合軍ものなら三個四個になりそうで…。ドラゴンはコレクション分を一個残しておいても仕方がないので、みんな作りますよ。ええ、作りますとも。あはは。

ドラゴンのパンターG その3

2010年09月27日 00時00分12秒 | AFV(英)
 さていよいよキャタピラ装着。車体がダイキャストからプラに変更されてから、キャタピラも接着可能なDS素材になっています。やっぱ接着可能な材質は助かるよな~。
 ん……
短いじゃ~ん! またかよ…。ティーガーにしても何にしても、最初の黒い接着不可能な材質(ゴムと言うと恐い人が来そう)の時は長さが足らなくて、後にDS素材になったときには長さも改善されている、というパターンが多かったのですが、このパンターの場合は長さはどうもそのままらしい。勘弁してよ。やっぱ、ドラゴン嫌い…。
 お友達の根生さんの「プラモ日記」でもこのキットを作っておられます。
http://okiraku.air-nifty.com/plamo/2010/09/gop223-fcc9.html
http://okiraku.air-nifty.com/plamo/2010/09/g-op223-b0ba-1.html
キャタピラはかなり引っ張って転輪に接着したそうです。DS素材は結構プラに対してがっちりくっつきますから、大丈夫のようですね。しかし私は、ご覧のようにキャタピラを輪っかに連結するのをあきらめ、隙間を空けたまま転輪に対して固着してしまいました。既に書いたようにこのパンターは、シェルツェンを装着した状態で作るのがデフォルトのキットですから、どうせ影になって見えなくなります。シェルツェンの下から覗いたり、下から盗撮したりするのは、迷惑防止条例違反になりますので、禁止です(笑)。

ドラゴンのパンターG その2

2010年09月25日 02時28分46秒 | AFV(独)
 で、ドラゴンのパンターGですが、シェルツェンを薄々に削ろうとして、妙なことに気づきました。写真の上の方をご覧下さい。削る前と後のシェルツェンを並べてみました。ご覧のようにシェルツェンの裏に四角い突起が二つついているんです。写真手前の直線上の突起は車体側のシェルツェン架に接触する部分だからまだ分かります。しかし冂型と凵型の突起は一体何のためにあるんでしょう。このシェルツェンのこの部分の内側は、ただ転輪があるだけ。この四角い突起に対応する部品はなにもないはずです。組み立て説明図にも何も書いてありません。単にシェルツェンを付けるだけ。
 しかしすぐピンと来たのは、このパンターのキットが発売当初はダイキャスト車体だったということです。これには賛否両論あったわけですが、私は反対派。車体にダイキャストを使うなんて、タミヤレベルの技術と精度があってこその話。ダイキャストで部品の合わせが悪ければ、埋めたり削ったりが大変ですからね。で、この車体パーツがダイキャストなら、車体と一体になっているシェルツェン架もそのままダイキャストなわけで、シェルツェンを直接接着するのが難しい。だから何らかのシェルツェンを支えるプラパーツが用意されていたのではないか。
 その仮説はすぐに証明できました。パンターでは省かれているのですが、ヤークトパンターではなぜかこのシェルツェンを支えるパーツがそのまま使われているんです。写真の下をご覧下さい。これはヤークトパンターの組み立て説明図なのですが、A14とA15というL字型のパーツを使うよう指示されています。これにより、シェルツェンが車体のシェルツェン架ではなく、車体下部のスポンソン下面にくっつくようになっていたわけです。その方ががっしりくっつきます。このL字型の支えパーツは、車体がプラパーツになりツィメリットが施されたパンターでは省かれています。だって、車体側に接着できるならこのパーツは必要ありませんからね。しかし一方、同様に車体がプラになってツィメリットが施されたヤークトパンターはと言うと、ダイキャストの頃と同じようにこのL字パーツを使うようになっているんです。
 いや、別に理由はないと思いますよ。ドラゴンのミニスケールキット設計者独特の、いい加減さ…、このひと言につきると思います。我々はヤークトパンターを作る際にも、パンターと同様このL字パーツは使わなければよいだけの話。

 さて、シェルツェンを薄々に削るのに活躍したのは、やはりタミヤのクラフトヤスリ。それもハードコートヤスリの方です。ここでも何度も話題になっていますが、目の細かいヤスリで何度も削るよりは、目が粗くて精度の高いヤスリで削る方が、均等に同じ薄さに削ることができます。写真上方のヤスリ使用後のシェルツェンを見れば、結構薄く削れていることがお分かりいただけると思います。作業台の上に広げたサンドペーパーや幅広ヤスリ、なんてものは一切使用していません。ハードコートヤスリ一本。削った面はどうせ裏側になって見えませんから、今回は特にこれ以上磨くつもりはありません。よーし、後は楽な組み立てだ…、と思っていたらさすがはドラゴン。この後まだまだ問題は残っていました…。

ドラゴンのパンターG その1

2010年09月22日 00時07分13秒 | AFV(独)
 在庫整理でちょちょいとストレートで組んでみようと、ドラゴンのパンターG型ツィメリットコーティング付きを引っ張り出して見ました。しかしドラゴンのミニスケールものの常、決してちょといとストレートなんて甘い物ではなかったんですね。やっぱりドラゴン、嫌い…。
 最初に気づいたのは、ここ。車体下縁とシェルツェンの基部との間、一個所だけ妙に盛り上がっているところがあるんです。写真左側の矢印を入れた場所です。本来はシェルツェン基部の奥になければならない車体表面が、シェルツェン基部の表側まで出て来ているんですね。それもこのシェルツェン留め具の位置までだけです。これじゃどうにもかっこわるい。
 ついでにこの部分を車体側面側から撮影してみました。車体右側、矢印のように盛り上がっているのが分かると思います。つまり車体側面装甲板にここだけ段差ができている格好です。写真右端、車体左側の同じ位置は、矢印のように普通です。このように車体側面装甲板は他のツラ位置とそろって、シェルツェン基部の奥になければならないんですね。
 こりゃ困った。ここをきちんと削ることはできても、もともと彫刻してあるツィメリットコーティングを再現するのはめんどくさい。一番良いのは、見なかったことにして、シェルツェンを装着してしまうこと。しかしそのままでは実はシェルツェンが当たって鑑賞してしまうので、シェルツェンがまっすぐ装着できる程度には丁寧に削っておかねばなりません。ドラゴンのポカを修正するというだけで、何工程も余計に手間がかかるんです。

「長空雄鷹」に見るMiG-15 その14

2010年09月20日 00時01分33秒 | 映画
すみません、前回の記事、写真が間違っていました。前回は計器パネルの話、今回は飛行シーンの話です。

 この映画、軍が撮影に全面協力しているプロパガンダ映画だとはいえ、空中戦ではほとんど実写は出て来ません。みんなミニチュア撮影。実機の飛行はそんなに多くないのは、やはり空中撮影が大変だったからなのでしょう。空中戦そのものでは実機撮影は皆無。他に編隊飛行や離着陸、といったシーンは実写です。その一つが、これです。
 機番は見えないのですが、他の基地のシーンなどで出てくる機体だと思います。胴体にしっかり「中國人民志願軍」の文字が書いてありますね。機首と尾翼先端を赤く塗っているようです。

「長空雄鷹」に見るMiG-15 その13

2010年09月18日 00時08分10秒 | 映画
 映画の中で計器パネルがちらっと写るシーンがあります。これがその一つなんですが、MiG-15だけに当時の典型的なアナログ計器が並んでいます(当たり前か)。で、パネルに「300立升」と書いてありますよね。うちの掲示板の常連さんに尋ねてみたら、この「立升」というのは「公升」(公はメートル法であることを示す)とも書き、容積の単位「リットル」のことだそうです。ということは、燃料計の注意書きだと考えられますね。
 MiG-15は中国国内では生産しておらず、すべて旧ソ連からの供与のはずです。中国が自力生産を始めるのはMiG-17から。映画自体は70年代の撮影で、軍の余剰機を使って撮影されたと考えられますが、しかしMiG-17や19を自分のところで生産しているのに、わざわざMiG-15の追加生産をするとも思えません。するとこの映画に出演している実機のMiG-15はソ連生産だということになります。しかし注意書きは当然中国語。小さなパネルくらい自分らで簡単に貼り付けられますし、機外の要所要所に書かれている注意書きも中国語になっています。パイロットや整備員みんながロシア語読めないもんね。

 ところでこの「300リットル」というのは何を示す数字なのでしょうか。文林堂の「世界の傑作機」によると、MiG-15の機内タンクはコクピット後方(タミヤのクリアバージョンMiG-15で加えられたパーツのやつですね)とその後ろ、二個所にあって容量は合計1,410リットルだそうです。あれ?するとこの「300リットル」というのと合いません。そこでもうちょっと調べてみると、主翼下の増加タンクが300リットル入りなんですね。主翼に密着するスリッパ型のものが250リットル入り、投棄可能なタンク型の増槽が300リットル入り。するとこのパネルは、現在本機は300リットル入りの増槽をつけているよと、とパイロットに示すためのものだと考えられます。もちろん小型のものをつけたり、或いは増槽無しだったりすれば、その都度この表示を付け替えたんだと思われます。
 こういうところが写っているのを見ると、やはりいろんなシーンで軍の実機を撮影に使っているんだなと分かります。張りぼてのセットならこんな細かいところまで再現する必要はありませんから。

Su-22用のディテールアップパーツ Quickboost

2010年09月16日 00時00分43秒 | 航空機(露・軍用機)
 これはコクピット用パーツではありませんが、QuickboostからもSu-22用ディテールパーツが発売されています。このメーカーは一つずつが比較的安価で、しかも日本各地の模型店で入手しやすいのが魅力です。さらに、目もくらむような細かいパーツてんこ盛りのセットに比べれば、必要最小限のピンポイント、しかも完成後に目立ち且つ自作が難しいというパーツに絞っていて、実にかゆいところに手が届くような製品展開がまことにありがたい。このセットにしても、機体外部に飛び出している空気取り入れ口だけが入っています。これで確か千円しないんですよね。他にも透明レジンによる着陸灯なんてのも発売されています。
 写真は、パックに入っている厚紙の台紙の上にパーツを置いてみたところです。写真はトリミングしていますので、実際の台紙はもっと広い。この厚紙に印刷された図は、パーツの実物大になっているようですね。他に説明図は無し。この裏に、キットのパーツ何番をレジンパーツの何番に置き換えよ、ということが文字で書いてあるだけです。でもそれで十分。
 さらに写真の下の方には、パーツを前から、つまりエアインテークの穴の方から撮影したものを置いてみました。すみません、パーツの並び順が上のパーツ写真と左右逆になっちゃいましたが。でも、キットのこんな小さいパーツに四角に穴を開け、しかも肉薄に削るって、自分でやると結構大変です。さすがはレジンパーツってところ。
 Quickboostからは他にも、KP/OEZ系のSu-25やSu-7という、是非丁寧に作りたいキット用のパーツがいろいろ出ています。最近はSu-7のエンジン冷却用ルーバードアというのも出ましたね。薄いプラ板でルーバーの羽板を一枚ずつ作るって大変だから、これも大変ありがたい。エデュアルドから最近出たSu-7のセットでは、このルーバーの羽板をエッチングパーツで作るようになっていました。キットのパーツを削って、そこにエッチングパーツの羽板を平衡に取り付けるんですが、これは加工が大変。Quickboostはそのパーツに絞った一点物です。

Su-22用のディテールアップパーツ AIRES

2010年09月14日 00時00分38秒 | 航空機(露・軍用機)
 Su-22用ディテールパーツの話に戻ります。今回のはAIRESのもの。NeOmegaがレジンパーツのみで完結しているのに対して、AIRESのコクピットセットはほとんどがレジンパーツとフォトエッチングパーツの組み合わせになっています。このSu-22用のものは、レジンパーツは比較的標準的なもので、細かいところをエッチングで補うという考え方のように見えます。何しろシートベルトもエッチングですからね。それから、キャノピーのレール周辺もエッチングパーツに入っています。
 写真下半分のレジンパーツ、左下がバスタブ型のコクピット本体、下の中央がHUD周辺、右下が射出座席本体。そして右上の一連のパーツが右から、キャノピー開閉ヒンジ周辺、操縦桿、計器パネルです。写真上半分に写っている計器板フィルムと計器板エッチングパーツを、このレジンの計器パネルに貼り付けるようになっています。で、よくご覧頂くと、写真のレジン計器パネルの手前に、二つ棒状のパーツが写っているのが分かります。これ、最初は何だろうと思ったんです。計器パネルの前にはこんなレバーは無いはずだが。
 この二本の棒は、実は射出座席のヘッドレスト左右に取り付ける、姿勢制御用のバー収納筒なんです。つまりここから切り取って、射出座席のヘッド左右に接着すべき部品なんですね。パーツの状態では計器パネルの前にあるので、何かのレバーかと錯覚してました。確かに、パーツがここに置かれていても、計器板に関連するパーツとは限りませんもんね。しかし、自分で原型を作って型取りをなさる方には当たり前かもしれませんが、そうした経験が無いと、いわゆるランナーの上にパーツが手前に重なって配置されている、というのはどうも意外に感じます。インジェクションキットでは、こういうことはあり得ませんもんね。まあ確かに、こんな風にパーツが配置されていても、シリコンゴム型なら抜くことは出来ます。何もランナー状に直線上に並んでいる必要もないわけです。このように前後に重ねる方が、ランナーの長さは短くて済みますもんね。レジンがもったいないということもありますが、ブリスターパックに入れやすい、ということもあるのかも。
 NeOmegaとはタッチが違いますが、でも割と素直に作れそうな感じにさせてくれる、これも好きなパーツです。これを見ているとKPのキットをまた猛然と作りたくなるのですが、なかなか時間が…。

「長空雄鷹」に見るMiG-15 その12

2010年09月12日 00時01分08秒 | 映画
 前回は空中戦シーンでのMiG-15の機首周りやパイロットでした。今回は敵役(かたきやく)のF-84サンダージェットです。ね、前回のMiG-15に比べたら、めちゃくちゃ不公平でしょ? もちろん、撮影に使える実機などないので、張りボテを使うのはしかたがありません。いやまあ、キャノピーの特徴あるフレームなどは、よく出来ているとは思いますよ。どうせ映画を見ている当時の中国人は、米軍機の細かい形状など知らないことでしょうから、この程度出来ていれば上出来でしょう。しかし問題は、人物とマーキングですよね。
 前回のミグパイロットに比べて、いかにも滑稽・狡猾・悪辣な人物作りです。しかも、他の場面でよく見ると鼻が付け鼻らしく、どうも中国人がカツラやメークで西洋人になりすまして出演しているらしいんですよ。さすがに、こういう映画に出演する西洋人エキストラはあまりいなかったんでしょうか。それから、中国人パイロットと逆の意味で、中国伝統劇風の紋切り型です。所作からしゃべり方まで、西洋人ではなく、やはり中国伝統劇の典型的な悪役・おどけ役(中国語で丑角と言うそうです)の影響が強いようです。また、朝鮮戦争時の米軍パイロットはハードヘルメットを着用しているはずですが、その辺には無知で、中国軍と同じソフトキャップを被っているようです。
 それと、見て下さい、このサンダージェットのノーズアート(ってか部隊マーク?)。これ、デザイン的にもなってないよね~。虎と、ワシの翼と、それにわざとらしく骸骨が乗っています。それも、ご覧のように、機種の左右両面に描いてあるんですね。まあ当時のステレオタイプのイメージだと、米軍機ってこんな感じなんでしょうかね。それともう一つ分からないのは、このノーズアートの周辺にも、黒い雲形の模様が広がっている点です。もしかしてこれ、迷彩のつもりなのか? 考証不足というよりそもそもセンスないよ。まあ米軍機の悪辣さが表現されていれば、この映画としてはOKなんでしょう。

「長空雄鷹」に見るMiG-15 その11

2010年09月10日 00時00分13秒 | 映画
 今度は、空中戦シーンのMiG-15。またまた干渉縞が強くてすみません。一番上のコマ、一時停止ボタンのマークが入ったままになってました。
 これを見ても、実機を使って撮影しているように思えます。実際に基地のシーンで動いているMiG-15は後期型のbis型で、この空中戦シーンは、背中のアンテナを見ても初期型らしいんです。まあ、細部が分かって模型的にはありがたいんですけど。
 もう一つご注目頂きたいのが、人物です。パイロットの装備品なども、他の写真で見る当時のミグパイロットのものが正確に表現されているようですが、それとは別に気になるのが、やはりガチガチにパターンにはまった、典型的人物描写です。役者の選択や、彼等の所作・表情、いずれを見ても、もういかにも共産主義国のプロパガンダ映画そのもの。もう一つ、これは後から別のシーンでも触れる予定ですが、所作がいかにも中国的、つまり京劇などの伝統劇に出てくるような様式的な所作があちこちに出てくる、ということもあります。共産主義国風で、なおかつ中国伝統劇風。我々から見ると、いかにも笑っちゃいますが、これ現代の中国の人が見るとどうなんでしょう。やはり笑っちゃうのか、懐かしく思うのか、それともしっかりハマって感動するのか…。もちろんいかにもという紋切り型の所作は日本の時代劇にも出てくるもので、それが悪いと言うわけではないんですが、でもそれがジェット戦闘機の空中戦にも出てくるってのが、ねえ。