みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

レベルのティーガーI

2006年09月30日 11時51分30秒 | AFV(独)
 ちょいと一念発起して、レベルのティーガーIを作り始めました。いろいろディテールアップパーツが揃ってきたので、使わないともったいないと思いまして。
 このレベル1/72のティーガーI、もう10年以上前の製品ですから、現在のレベル製品に比べるとかなり作りにくい。特に足回りは難しいと、ネット上でもあちこちに書いてあります。確かにキャタピラを履かせるのには苦労しました。組み立てのコツをメモしておきましょう。
 まず、常に二~三手先を読みながら作業をすることです。ティーガーのような千鳥配置の転輪の場合、それぞれがまっすぐになっていないとキャタピラが通りません。それと大切なのが、転輪に対して起動輪や誘導輪の縦位置がそろっていること。キャタピラがこことここを通って…なんてことを常に考えながら組むとうまくゆきます。
 また、起動輪と誘導輪の周りはキャタピラが1ピースずつのバラバラになっています。これを1個ずつ車輪につけようとするとうまく行きません。ここは先に6個ずつくらいを連結しておいて、接着剤が半乾きの時に車輪にそってカーブをつけておき、それから接着する方がきれいに仕上がります。ただし起動輪の歯はうまくキャタピラにはまりません。ティーガーの起動輪は、内側(車体側)はキャタピラの突起が歯と歯の間にはまる、外側は歯がキャタピラの穴に入る、という形になっています。その外側の歯が穴に入らないのです。まず内側の突起を歯と歯の間の溝にはめておき、キャタピラがまっすぐになる程度に外側の歯の頭をカットしてやるとうまくいきます。
 恥ずかしいのですが、この作例ではキャタピラ上面の曲線がちょっとなだらかすぎたようです。起動輪から下がってきたキャタピラの上面が、もうひとつ後ろの転輪で接するようにすればよかった。それからよく見ると、いちばん外側の転輪がキャタピラから浮いていますね。内側の転輪をもう少し薄くけずり、キャタピラのガイドの奧まではまるようにしてやらないと、車輪全体が沈みません。

 さてこの写真、車体前面や側面の装甲板にぼこぼこ穴が開いているでしょ? さあこれはなんでしょうか? 被弾跡? まさかティーガーの装甲板はそうボコボコと貫通はしないでしょう。続きは次回!

マタドールのMk.IX/X/XI改造パーツ

2006年09月23日 16時09分15秒 | AFV(英・チャーチル)
 マッチボックスのAVREを、通常戦車型Mk.IX/X/XIに改造するためのパーツです。前に紹介したMk.IV/V/VI用パーツと基本的には同じ構成になっています。ただし今度のは主砲パーツのみがメタル、他はレジンパーツでした。一つ大きく異なるのが、砲塔の上半分のパーツが入っていることです。それから車体スポンソン側面パーツに増加装甲(アップリケアーマー)が取り付けられているのが見えるでしょうか。

 チャーチルのMk.IX/X/XIにはいずれも新造の車輌は無く、すべてMk.III/IV/V/VIからのアップデート改造車輌です。その目的は古いタイプの車輌を、改設計されたMk.VIIの水準に近づけることにありました。ではMk.IXとXとXIとが具体的にどう異なるのか、と言うとこれがなかなか複雑で、資料によっても説明がまちまちなのです。ここではあれこれ資料を参照しつつ、一応簡単に整理してみました。間違いがあったらご指導お願いします。(以下マーク名は算用数字で示します)

 Mk.9/10/11を整理するにはまず全体の共通項、そしてさらに「新型砲塔」タイプと「旧型砲塔」タイプに分けて考えると分かりやすいようです。

○全体の共通項=車体の強化
 Mk.3~6の車体にアップリケアーマーを追加し、装甲の厚さを増しています。

○新型砲塔タイプ
 増加装甲の車体に、新型砲塔(Mk.7タイプ、鋳造溶接併用の砲塔)を載せたタイプです。
Mk.9=Mk.3とMk.4から改造されたもの。主砲は旧6ポンド砲のまま。
Mk.10=Mk.6から改造されたもの。主砲は新しい75ミリ砲。
Mk.11=Mk.5から改造されたもの。主砲はMk.5と同じ95ミリ榴弾砲。
 Mk.9については、Mk.3から改造しようとMk.4から改造しようと、砲塔は同じものに換装したわけですから、外見上の差異は全くありません。

○旧型砲塔タイプ=LT
 車体は増加装甲としたものの、旧式砲塔をそのまま用いたタイプです。それぞれLT(ライトタレット=軽量砲塔)をつけて表記します。但しいずれも旧式砲塔をそのまま用いたのではなく、車長用に前周型ペリスコープの新型キューポラを取り付けています。
Mk.9LT=Mk.3とMk.4から改造されたもの。主砲は旧6ポンド砲のまま。新型キューポラ装備。Mk.3から改造されたものについては、その溶接砲塔にアップリケアーマーが追加されています。
Mk.10LT=Mk.6から改造されたもの。新型キューポラ。主砲は新しい75ミリ砲。
Mk.11LT=Mk.5から改造されたもの。新型キューポラ。主砲はMk.5と同じ95ミリ榴弾砲。
 Mk.9LTについては、Mk.3からの改造とMk.4からの改造で砲塔が異なるわけですが、呼称に区別はないようです。またMk.9LTの主砲を後に75ミリ砲に改めたものもあるようで、そうすると実質Mk.10LTとの違いはなくなります。またMk.9LTではなく、アップデートされたMk.3という言い方をしている場合もあり、そのあたりは適当でよかったみたい。シャーマン戦車の75ミリ砲を無理矢理取り付けたMk.4NAについても車体にアップリケアーマーを追加していますが、これについては特に区別する名称はないようです。

 さてこのマタドールの改造パーツ、標題通り「Mk.9LT」「Mk.10LT」「Mk.11LT」を作れることが確かめられました。もちろん「Mk.9LT」はMk.4から改造されたタイプということになります。砲塔上半分のレジンパーツが用意されているのは、車長ハッチが新型キューポラを備えていて形状が異なるためなんですね。

マタドールのツインボビン

2006年09月15日 21時12分29秒 | AFV(英・チャーチル)
 マタドールのツインボビンの中身を見てみましょう。上からボビンのディスク、本体アーム左右、ボビンの軸、横桁、ボビン軸の支持架となっています。ツインボビンという名前の通り、カーペットが左右に分かれたタイプです。前回のカーペットレイヤーは左右が分かれていないシングルタイプでした。両者がどう違うかと言うと、どうも単にカーペットの幅だけではないらしいのです。

 シングルタイプのカーペットはヘシアン布(麻布)製で、装輪の車輌用です。それに対してツインボビンタイプのカーペットは、より重量のあるキャタピラ車輌を通過させるためのものだそうで、ヘシアン布に等間隔に木の棒が取り付けられていました。そういえば、箱絵イラストでもシングルタイプはカーペットが平らに描かれているのに対し、ツインボビンは軸に巻かれたカーペットがごつごつして、棒が織り込まれているように描かれています。

 この改造キットはご覧のように、ボビンの部分はディスクと軸しかパーツがありません。説明書の指示では、新聞紙を切ってカーペットを作り、そこに小枝や草の茎などを木工用ボンドで貼り付ける、となっています。そしてそれをボビンに巻き付けるわけです。1/76でも、プラ棒を使うよりは枝や茎を使う方が、若干ごつごつしていてよいのだとか。でも新聞紙だと塗装が大変なんではないでしょうか。和紙や障子紙などの方がよいのかもしれません。

マタドールのチャーチル用パーツ追加

2006年09月11日 18時11分23秒 | AFV(英・チャーチル)
やった、やった~! マタドール社のチャーチル用改造パーツを二つ、追加で入手しました。写真左がカーペット敷設装置(ツインボビン型)、右がMk.IV AVRE を通常戦車型のMk.IX、Mk.X、Mk.XI(LT)に改造するためのセットです。既に紹介したカーペット敷設装置と違い、今度は左右に分かれたツインボビンと呼ばれるタイプ。また通常戦車型はアップリケアーマーを追加したアップデート型です。最初はおっかなびっくりで買ったマタドールのパーツですが意外と気に入ってしまい、八方手をつくして欲しかったものはほぼ手に入りました。

次回からまたそれぞれの中身を紹介します。

マタドールのMk.IV/V/VI改造パーツ

2006年09月07日 11時13分55秒 | AFV(英・チャーチル)
 マッチボックスのAVREを、通常戦車型Mk.IV/V/VIに改造するためのパーツです。どういう部品構成になっているのか非常に興味があったのですが、箱を開けてみるとごらんのように、メタルパーツとレジンパーツの併用になっていました。

 ちなみに実車では、Mk.IIIの溶接砲塔を鋳造製砲塔に改めたものがMk.IV、さらにその6ポンド砲を近接支援用95ミリ榴弾砲に換装したものがMk.V、マズルブレーキつきの75ミリ砲に換装したものがMk.VIです。車体は基本的に同一です。

 さてマタドールの改造パーツ、主砲と車体ハッチがメタル製です。短い主砲は95ミリ榴弾砲でMk.V用、一番長いのが75ミリ砲でMk.VI用、中くらいのが6ポンド砲でMk.IV用。砲塔はマッチボックスのキットのものをそのまま使います。

 車体については、上面とスポンソン側面をレジンパーツでそっくり置き換えるようになっています。AVREのスポンソン側面には工兵機材用アタッチメントがついていますので、通常戦車型にはこれのついていないパーツを使用します。車体上面もレジンパーツを使うのは、AVREとは装填手ハッチの形状が異なるからです。以前の日記で紹介したように、AVREの装填手ハッチはペタード砲装填用のスライドドアに改造されています。

 今ならイタレリから改造するパーツがありますが、昔はマッチボックスから改造するしかなかったわけです。しかしそれにしてもマタドールのパーツ、その充実ぶりには特筆すべきものがあります。これ以外にも戦車型Mk.III用改造パーツ、戦車型Mk.XI/X/XI用改造パーツ、さらに工兵機材もまだまだ出ていたわけですから、恐るべし!

マタドールのカーペットレイヤー

2006年09月04日 21時46分18秒 | AFV(英・チャーチル)
 次のマタドールのパーツは、カーペットレイヤーです。これはカーペット一本のタイプで、マタドールからは他に、カーペットが左右二本に分かれているタイプも出ています。パーツはすべてレジン製。1/76のマッチボックス用で、幅の問題があるのでイタレリ(エッシー)に使うのは難しいでしょう。

 写真の、左右支柱の間に置いている小さなパーツが、操作桿です。マインプラウと同様に、ここからワイヤーをのばして機銃手用ハッチに引き込み、上げ下げの操作を行います。実際に製作する時は、紙やプラペーパーを使って、垂れ下がったカーペットを表現してやるとよいと思います。

 さて、実際に実車でこれを使用する時は、まず装置を上げたまま移動し、カーペット敷設位置まで来たら装置を下げる、ということになります。つまり作業開始位置で、カーペットの端を確実にキャタピラの下に敷き込まなければならないんですね。車外で誰かが補助・誘導をしてくれるならよいのですが、敵前上陸ではそれは無理です。あらかじめカーペットの端をぎりぎりまで垂れ下がらせておいて、敷設時にアームを下げてうまくキャタピラに踏ませてやる、という作業は機銃手席の操作員の腕にかかっていたわけです。

 左右二本型のカーペットレイヤーはディエップ上陸で用いられたタイプのようで、やはり使いづらかったのでしょう。ノルマンディーではより本格的なチャーチル「ボビン」が使われます(『Panzer Graph!』5号のノルマンディー特集にもイラストが載ってますね)。「ボビン」の改造キットはどうもどこからか発売されているようですが、今のところ詳細は不明です。

マタドールのマインプラウ

2006年09月02日 11時49分28秒 | AFV(英・チャーチル)
 マタドールのチャーチル用パーツ、まず地雷除去用鋤(マインプラウ)の箱を開けてみました。ニックネーム「ブルズホーン(牛の角)」と呼ばれるタイプです。1/76ですからマッチボックス用なのですが、イタレリ(エッシー)に取り付けても問題はないと思います。

 マタドールの製品にはレジン製、メタル製、及びその併用があるのですが、このマインプラウはメタルパーツ7個からなっています。鋤の本体左右大小、本体構造物、車体への当て板、それに操作桿です。鋤の大きい方には歯がついています。写真では外側の歯が曲がっていますが、メタルパーツですから簡単に直せます(実車の写真では歯がもう少し大きいようですが)。そして一番下に写っている小さい棒が操作桿で、ここからワイヤーをのばして機銃手用ハッチに引き込み、鋤の上げ下げの操作を行います。もちろん人間が直接上げ下げするには重いでしょうから、リールで操作したのか、あるいは目的地までは上げた状態で、作業開始時にワイヤーをゆるめて鋤を下げるだけだったのだろうと思われます。写真によっては、ワイヤーが砲塔のハッチに伸びているように見えるものもあります。

 さてこのブルズホーン、やはり砂浜専用だったのでしょうか。硬い土壌に埋められた地雷をこれで掘り起こすのは、なかなか大変だと思います(実車写真では普通の野原でテストを行っていますが)。本格的な地雷除去装置の補助として、上陸作戦専用に設計されたのでしょう。それにしても、これは砂に埋められた地雷を掘り返すだけですから、地雷が爆発する場合と、爆発せずに出てくる場合とがあるでしょう。すぐ後に工兵が続いて不発のものを処理しなければなりませんが、爆発する場合を考えて戦車のすぐそばにいるわけにもいきません。やはり危険な作業だっただろうと、パーツを眺めながら思いました。