みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

AモデルのMiG-21PD ホビーテラのアフターサービス

2012年08月11日 00時46分35秒 | 航空機(露・軍用機)
 さて、このAモデルのMiG-21PDもホビーテラで買いました。18.30ドル(約1,436円)で、国内輸入価格は3,000円前後ですから、これもお買い得でした。
 ところが、まことに残念なことに、キャノピーにひびが入っていました。まあどうせ今は作る暇がないから…、というわけにもいきません。届いた小包の箱には特に大きな損傷はありません。ホビーテラの場合、キットの箱は箱組み前の平らな状態で、各キットのパーツはチャック付き袋に個別に入った状態で、小包が届きます。ほかのパーツには全く損傷無かったので、おそらくこのキャノピーだけ既にクラックが入った状態だったのでしょう。
 欲しかった他の製品がちょうど品切れで、いずれ遠からず次のオーダーをする予定だったので、すぐに部品請求はせずにおいたのですが、いよいよオーダーすることになったので、請求してみました。オーダーフォームのコメント欄に、前回のオーダーNo.******の中のこれこれのキャノピーが割れていたので、この荷物の中に入れて送ってください、と書いておいたんです。そしたら、今度の小包に忘れずきちんと入れてくれていました。ご覧の通り、

手前が無傷の正常なパーツです。ホビーテラはこのあたりのアフターサービスが比較的しっかりしているので、安心なんですね。メーカーから既に箱詰めされて製品となったキットを仕入れ・販売するのではなく、メーカーから直にパーツを仕入れて、それを仕分けして発送しているらしく、箱組み前の平らな箱が届く分、こちらにとっては希少価値があるし、保管スペースの点でも助かるのですが、パーツの入れ間違えなどが起こる可能性は常に一定程度あることになります。
 で、この差し替えパーツを入れてもらった新たなオーダーでは、同じAモデルの1/144のベリエフ飛行艇Be-12も注文していたんです。そしたら今度は、これに入っているべきフォトエッチングパーツが欠品でした。次のオーダーはいつになるかわからないので、今回はすぐにメールで、これこれのエッチングパーツが入ってなかったんでよろしく、というメールを出しました。そしたら、ごめん、すぐ送るから待ってて、という返信が届き、ほどなく封筒でエッチングパーツが届きました。

先ほど述べたように、ホビーテラでは箱詰め前のパーツと箱組み前の紙箱を発送するので、予備の箱はたくさん余っているのでしょう。割と小さめの箱を折りたたんで補強にし、その中にエッチングパーツを入れてくれていました。おかげで折れたり曲がったりはありません。箱には箱組みするための折り目がついていますから、全体を二つ折りした上でその折り目を各方向に折っておけば、比較的丈夫な補強板になります。
 友人と一緒にオーダーすればすぐに150ドルを超え、送料無料になりますので、このホビーテラはよく使っています。しかし、いくら安くても、不良品などの対応が悪ければ仕方がありません。その点でもホビーテラは安心です。前回は、次のオーダーの際にコメント欄で請求、今回は個別にメールで請求、という形になりましたが、いずれも請求通りにきちんとパーツを送ってくれました。

AモデルのE-7PD

2012年08月08日 00時03分14秒 | 航空機(露・軍用機)
 先日ホビーテラで買ったものの一つ、AモデルのE-7PD短距離離陸実験機です。以前の一見して作れそうにないレベルから、一見すると作れそうに見えるレベルまで進化したAモデルの最近の製品で、ちょっと前まではレジンキット以外では考えられなかったアイテムですね。
 ネット検索では、半角英数の「E-7PD」でも、キリル文字のЕをYeに直した「Ye-7PD」でも、このAモデルのキットのことばかりヒットするようです。昔はこの航空機のことを「MiG-21PD」と言っていたような気がしますので、これで検索すると、ああこれなら、この航空機のことがいろいろヒットします。
 あ、よく考えたら、半角英数の「E」と、キリル文字の「Е」とは、そもそも文字コードが違いますから、ロシア語の「Е-7ПД」で探してみなければなりませんね。そうすると、
http://www.dogswar.ru/oryjeinaia-ekzotika/aviaciia/4563-istrebitel-perehvatc.html
すぐこんなのがヒットします。これによると、
「МиГ-21ПД」

「Е-7ПД」
とは、同じ航空機を指すようですね。ところでこのПД(PDに相当)とは「Подъемные Двигатели」の頭文字で、これは「吊り上げる、持ち上げる」+「エンジン」で、文字通りリフト・エンジンのことです。あ、キリル文字は入力するのが大変だから、コピペしました。
 ここを見ると、
http://crimso.msk.ru/Site/Crafts/Craft22093.htm
あ、タイトルはやっぱMiG-21PDのようですね。Еなら実験機か試作型、MiG-21だと実戦配備されたような印象を与えますが、いや、この機体はリフト・エンジンが中央部にどかんと腰を据えているため内側に折りたたむ主脚が収納できず、脚は出したままの固定式なんだそうです。第一次大戦機かっ! そんなもの、実験機でしかあり得ません。しかしこのウエブページの下の写真では「23-31」という試作形式名と「MiG-21PD」 と「Ye-7PD」とが使い分けられているようい見えるんですが、私は同じものだと思ってました。
 もう一つ、この実験機が「Е-7」=「Ye-7」という名称を持っているということは、MiG-21の歴史の中では「Ye-7」の派生型に位置づけられる、ってことですよね。「Ye-7」を原型とする系統は、全天候レーダーを搭載し、背中のふくらみがコクピットと垂直尾翼の途中まで来た中期型、即ちPF系統ってことです。ちなみに、私が若い頃のMiG-21の標準的資料だったビル・ガンストンの本は、このMiG-21PDを「Ye-8」に入れていました。まあビル・ガンストンの本は今となっては古いので、当時の情報が混乱していたのかも知れません。
 私はこういう大型のペーパーバックの書籍は、曲がったりしないように常に平積みにして置いているので、下の方のものを出してくるのは大変なんですが、先程久しぶりにこの本を引っ張り出してみました。やはり彼は、
  MiG-21PD, or Type 92(a puzzling designation)
と書いています。やっぱり、執筆当時はっきりしなかったんですね。旧ソ連では、写真だけ公開しておいて、名称も何も発表しないってことはよくあった話です。

 さてその、ビル・ガンストンのMiG-21本ですが、
Bill Gunston, Mikoyan MiG-21, OSPREY AIR COMBAT, 1986
というものです。当時はMiG-21に関する一番詳しい本で、当時日本で出ている本を見ても今ひとつ分からなかったサブタイプが、これでかなり分かった記憶があります。当時はろくにキットもなかったので、この本の写真を穴の開くほど見つめては、改造して主要なタイプを作り比べようと、無謀な夢にふけったものでした。特に、背中のフェアリングと垂直尾翼との繋がり方が各タイプでどうなっているか、どのタイプにどの射出座席を載せるか、各タイプのヘッドアップディスプレイ周辺がどうなっているか、などなど、何度も見直したものです。
 もちろん今は新しい情報に基づく新しい本がたくさん出ていますから、80年代の本はあまり資料的な意味はなく、ただ懐かしいというだけなんですが、試しにアマゾンで探してみました。もちろん今は絶版ですが、データとしてどうも二種類あるみたいなんです。
http://www.amazon.co.jp/Mikoyan-Mig-21-Osprey-air-combat/dp/0850456525/ref=sr_1_1?s=english-books&ie=UTF8&qid=1344347864&sr=1-1
http://www.amazon.co.jp/Mikoyan-MiG-Osprey-air-combat/dp/0850457343/ref=sr_1_2?s=english-books&ie=UTF8&qid=1344347864&sr=1-2
片方は、ええと、何?1911年刊?んなあほな。1911年って、MiG-21どころか、まだジェット機も存在しない時代だぞ。まあ単なる誤植でしょうな。もう片方は、1986年刊です。で、私が持っているのは、ISBNからして1911年のやつと同じもの。おそらく、初版の出版後、それほど経たないうちに改訂版が出たとか、まあそういった事情があったのでしょう。

ART MODELのYe-8 その2

2012年08月01日 00時00分50秒 | 航空機(露・軍用機)
 さて、ART MODELのYe-8のキットですが、パーツの精度についてはやっぱりまだまだで、機体の貼り合わせや翼の取り付けという基本作業だけでも、かなり擦り合わせや穴埋めが必要になります。でも、トップ画像に示した、垂直尾翼の根本、垂直尾翼とドーサルフェアリングのつながり方をご覧下さい。

垂直尾翼前方側面に、ドーサルフェアリングをそのまま延長したような線と、その上にもう一つ線が見えるのがお分かりでしょうか。つまり、aとbと、小さな二つの段が出来ているんですね。これ、Yefim Gordonの書籍などに載っている写真から判断するに、めちゃくちゃ正しいんです。確かにここに小さな段が二つあるんですよ。Ye-8の、書籍等で現在見られる写真というのは限られていて、胴体下面、特に特徴的なエアインテークの周辺や下面は、なかなか見られないんですが、でもこのキットのラインを一応信頼してよさそうですよ。精度の点では決して良くはなくて、隙間ができるのですが、でもこのキットの意図したラインを把握して、それを活かすように組み立てれば、きっと大丈夫だと思います。

 ところでこのキットの解説書ですが、キット実物の写真を使った組み立て説明になっていて、これはこれで下手なイラストよりはパーツの接着位置が分かりやすくて、よかろうと思います。英語とロシア語の実記解説もついています。これはその英語解説文の一部です。

図の二行目中央の
 at speed of Mach 2.15[1].
というところにご注目。「マッハ2.15のスピードで」ということなんですが、そこにくっついている、
 [1]
というのは一体何でしょう。この形だと普通は注釈番号でしょうが、この説明書には他のどこにも注釈は置かれていません。ん? これ、どこかで見たことありませんか? ウィキペディアの注釈番号がこの形をしていますよね。ってことは、もしかして、この解説書はウィキペディアをそのままコピペしたんではなかろうな?
 で、探したら、すぐ見つかりました。ここ。英文は、そのままそっくりです。あはははは~、プラモの世界でもあるんだ、ウィキペディアのコピペ! 学生のレポートなら不可になるところだぞ~! 注番号くらい消しとけっての!
 で、実際のウィキペディアの注釈[1]には何が書いてあるかと言うと、
"A&S Interview: Georgy Mosolov". AirSpaceMag.com. 2009-01-22. Retrieved 2009-05-28.
となっていて、参照元の典拠が書いてありました。この典拠のリンク先を見ると、
http://www.airspacemag.com/history-of-flight/AS-Interview-Georgy-Mosolov.html?c=y&page=1
これで、有名なソ連テストパイロットのG・モロゾフのインタビュー記事です。「A&S」はAir & Spacedeです。大変いい加減な記事も多いウィキペディアですが、これについてはちゃんとした典拠を挙げてくれています。
 知り合いの先生のお話では、やはりウィキペディアのコピペでレポート出してくる学生は跡を絶たないとか。コピペしたことがバレないように、きちんと文章の中に埋め込むような手間を掛ける意思と能力を有した学生ならば、そもそもコピペなどせずに、引用元を明らかにして引用しながら自分の論を立ててくる。世の中にはレポートのコピペ発見用ソフトウエアなんてものも存在するらしいが、コピペするやつは結局何も考えていないので、探せば最初に見つかるようなところをそのままコピペするし、このウィキペディアの注釈番号なんかも気づかずにそのままにするから、すぐに見つかるとのことです。
 閑話休題。このART MODELのロシア語解説の方は、私はロシア語は全然読めませんが、ロシア語版ウィキペディアの記事
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%95-8
とは明らかに文章が違うので、何か他の資料を元にしたのでしょう。
 Ye-8については、1/144のレジン製改造キットがありました。ワンフェスに出品しておられたようで、富永浩史氏の「祖国の翼WEB通信 仮設前線飛行場」の「ガレージキットとか」をご覧下さい(残念ながらYe-8は既に絶版のようですが)。実は作者の富永氏とは一度お会いしたことがあるんです。御著書の小説についてもいろいろお話うかがいました。