みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

チャーチル戦車の巻(その14)

2006年05月28日 15時03分42秒 | AFV(英・チャーチル)
Modell Transのパーツを使ってのチャーチルMk.VII、途中経過です。ご覧のように車体(スポンソン)側面と前部装甲板を接着し、砲塔を載せてみました。キャタピラのカバーは仮に載せてあるだけなので隙間が空いていますが、プラパーツの前端を少し曲げれば、レジンパーツにぴったりはまるようです。あとはこれにキャタピラを履かせ、主砲やハッチなどのパーツを取り付けていくわけです。
「その13」に書いたように、車体側面については、レジンパーツの転輪部分をカットし、そこにプラパーツからカットした転輪部分を移植しました。ごらんの通り、なんとかぴったり接合させることができたようです。
その他に注意すべき点としては、車体側面パーツをそのままプラの車体に取り付けると、キャタピラカバーの幅が合わなくなることが挙げられます。レジンバーツに微妙なソリが残っているからでしょう。そこで車体と側面の間にプラ板を一枚挟んで接着し、幅を調整してあります。それから砲塔が若干浮き気味になるので、砲塔の下面、車体に接する面をできるだけ平らに削ります。但しこれはイタレリのキット、つまりエッシーのキットに元々ある問題と関係があるようでして、車体上面とキャタピラカバー上面の段差がやや大きい。そのため砲塔下面の「首」に当たる部分が少し高めになるらしいのです。こういうところはすっぱりと、見なかったことにしてしまいましょう。これを修正する大工事をするくらいなら、ミリキャストのフルレジンキットを丁寧に作る方に時間と労力を割くべきですもんね。

大祖国戦争映画DVDボックス

2006年05月27日 23時19分56秒 | 映画
買っちゃいました、「WWII 独ソ攻防戦 DVD-BOX」。昔からどこのレンタルビデオ屋さんでも、戦争映画コーナーになぜか必ず並んでいた旧ソ連の国策長編映画を、ひとまとめにしたボックスセットです。「ヨーロッパの解放I」「ヨーロッパの解放II」「ヨーロッパの解放III」「スターリングラード攻防戦」「レニングラード攻防戦(二枚組)」「ベルリン陥落」の、6タイトル計7枚組み(発売元アイ・ヴィー・シー、¥29,800)。
特にこのボックスセットでは、特典ディスクとして初DVD化の「ベルリン陥落」が収録されているのが売りとなっています。「幻の名作」なんだそうです。なぜそれが今まで幻になっていたかというと、スターリン賛美の部分が政治的にまずいのでお蔵入りになっていた、ってことのようです。早速見てみましたが、現代の目で見ると、お蔵入りになっていたのはスターリン賛美だけではなく、単に映画としてくだらないからなんじゃないの?と言いたくなる出来です。そりゃもちろん、気宇壮大。あの時代のソ連でなければ不可能なおびただしいエキストラ、たっぷり出演している実物の戦車…。しかし、残念ながら所詮プロパガンダ映画に過ぎない。要するに様式感たっぷり、というか様式の集合体。
「ベルリン陥落」というタイトルから、独ソのベルリン攻防戦を描いたものかと思っていたのですが、実際はバルバロッサの緒戦からベルリン陥落までを描いたものだったんですね。歴史上の人物のそっくりさんがたくさん出てくるのも面白いのですが、描き方があまりにステレオタイプ。所作も大仰で、今の目から見ると、まるで歌舞伎か京劇を見ているみたい。
ところでこの映画、音楽をショスタコーヴィチが担当しているんですね。実はこの「ベルリン陥落」の音楽、以前CDで聴いたことがあるんです。サウンドトラックではなく、組曲として編集されたものだったと思います。さすがのショスタコーヴィチも駄作を作ったことがあるんだな、という印象でした。あの交響曲や室内楽曲と比べると、ほとんど同じ作曲家の作品と思えないくらい。まあ、よく聴くと節回しはショスタコーヴィチなんですけどね。
しかしこのたび映画として改めて見てみると、音楽単体とはずいぶん印象が違いました。つまり、この映像にはこの音楽がやっぱりお似合いだよな、ショスタコーヴィチの芸術性の高い方の音楽をこの映像に当ててもどうせ違和感があるよな、ということです(あんまり褒めてないな…)。ショスタコーヴィチが社会主義の将来にまだ夢を抱いていた時期にこの曲を書いた、あるいは拒絶することも出来ず国策映画に自ら協力して書いた、などという解釈もできますが、もしかすると、彼はプロの作曲家として、このテの映像に合うような音楽を計算づくで作ったんだ、という見方もできるのかもしれません。

チャーチル戦車の巻(その13)

2006年05月16日 21時10分55秒 | AFV(英・チャーチル)
Modell Transのパーツを使ってエッシーのMk.IIIをMk.VIIに改造中です。以前紹介したように、Mk.IIIとMk.VIIでは砲塔以外に、スポンソン側面の脱出ハッチなどの形状が異なります。Modell Transでは、転輪部まで含めた車体側面パーツを丸ごと、レジンパーツで置き換えるようになっています。ところが実際組んでみると、このレジンパーツにいくつか問題が…。側面装甲板のソリは温風で平らに出来ましたが、やはり両側に11個ずつ並んだ転輪はきちんと一列に並べることが難しく、どうしてもでこぼこが直せません。おまけにもっと大きい問題は、作業中にこの転輪がポロポロ取れてしまうことです。なにしろこうしたレジンの側面を車体にぴったりと合わせるには、ヤスリをかけたり、プラ板でかさ上げしたりと、かなり微調整をしなければなりません。そのため作業中にどうしても転輪にさわってしまい、ポキポキ折ってしまうんですね。ただでさえレジンはプラスティックに比べて、曲がりにくく折れやすい。転輪のアームがあまりに細く、簡単に折れてしまうのです。
最初は取れた転輪にマジックで印をつけ、サスペンション組み立て後に元の場所に戻そうと思っていたのですが、もう半分近く取れてしまいました。それならいっそ、この転輪周り、スポンソンの縁より下の部分をそっくりキットのものと置き換えてしまう方がよさそうです。Mk.IIIとMk.VIIは、側面板は異なるものの、その下の足回りは同じものです。特にこのModell Transのパーツ、裏側の押し出しピンの跡まで、元のエッシーのプラパーツとそっくり(笑)。つまりレジンパーツの原型は、エッシーのパーツをそのまま使って加工したものだったようです。だったらそれぞれ切り離して、お互いに継ぎ合わせれば、なんとかなるのではなかろうか…。
さて、レジンパーツの下部、プラパーツの上部を慎重に切り落とし、切断面が直線になるように整形し、並べてみたのがこの写真です。ご覧の通り、クリーム色がレジンパーツ、黒っぽいのがプラパーツです。いや、どうなることかと思いましたが、一応うまくできました。あとはこのカットした転輪部をコイルスプリング部に接着するのですが、この部分でカットしたために接着面が足りず、スプリングパーツ側にプラ板でのりしろを作ってやるなど、さらに慎重な作業が必要となり、なかなか苦労しました。まだまだ先は長いぞ…。

チャーチル戦車の巻(その12)

2006年05月13日 19時00分26秒 | AFV(英・チャーチル)
エデュアルドのチャーチル用フォトエッチングパーツ

ミニスケールのチャーチル戦車用エッチングパーツと言えば、以前エデュアルドからエッシー用のものが発売されていました。番号が22で始まるエデュアルドのパーツは1/72の車輌用。チャーチルは22-001ですから、1/72車輌用の記念すべき第1番だったんですね。現在古い番号の多くは絶版状態で、人気車種は後によりグレードアップしたものが発売されています。しかしチャーチルはこれっきり。幻のパーツになってしまいました。今日はこれを紹介しましょう。
ここに用意されているパーツを左上から順に説明します。一番上の段左から「車長ハッチ」「後部フェンダーのオイル缶架」「主砲同軸、および車体の機銃架」、二番目の段左から「装填手ハッチの縁」「エアフィルターサイドのフック掛け」「車長用照準器」「砲塔ハッチのヒンジ」「エンジンルーム上部のパイピングカバー」「オイル缶架の仕切り」「オイル缶の留め具掛け」、三番目の段左から「装填手ハッチ」「各ハッチの取っ手」「排気管の延長用基部」「アンテナ基部」「ペリスコープカバー」「外部予備タンクの側面」「オイル缶の留め具」、一番下の段左から「装填手ハッチの内側」「車長ハッチの内側」「車体側面ワイヤーの掛け具」「前部フェンダーの取っ手」「外部予備タンクの取っ手」となっています。いずれもちゃんと使えば効果の上がるパーツでしょうが、どれも非常に小さく、扱いは難しい。
この中で完成後特に効果が上がるものと言えば、車長用照準器でしょうか。これは砲塔上面、車長用ペリスコープの前方に設置された枠型の補助照準器で、車長が指示した目標を砲手が正しく照準しているかどうかを見るためのものです。これをエッチングで作れば精密感たっぷり! しかし事態はそう甘くなく、ご覧の通り、細い帯を枠型に折り曲げて作るようになっており、この照準器だけで2パーツ(パーツNo.26と27)からなっています。こんな小さな細工は至難の業…
このエデュアルドのディテールアップセット、特にどうしても必要だと言えるものでもないようです。買い逃したと悔やんでおられる全国のチャーチルファンの皆様(そんな人、いるのかな…?)、この画像を参考に、エバーグリーンのプラペーパーなどで必要な部分を自作なさればそれで十分ですよ。

チャーチル戦車の巻(その11’’)

2006年05月05日 12時13分16秒 | AFV(英・チャーチル)
緊急事態発生! キャタピラが短い!

私は気に入ったキットのサブタイプを作製する時は、一気に同時製作してしまいます。一つ作って、組み立ての手順が頭に残っている内にもう一つ作る方が、効率がいいんですね。ってことで前回アップしたハセガワのチャーチルMk.Iに続けてバリエーションのMk.IIを作り始めました。そしたらなぜか… 
キャタピラが短い! Mk.Iではぴったり届いたのに、同じキットを組んでいるのに、 なぜ?? 長さが足りずに届かないなんて、ドラゴンじゃないんだから… 
Mk.Iの時とMk.IIの時と、どこが違ったのだろう、とよくよく思い出してみるに…
1)Mk.IIでは、事前にキャタピラをウェーブのMウォッシュにつけました。少しでも油分を飛ばそうと思いまして。Mk.Iではこれを行っていなかったので、このMウォッシュによりMk.IIのキャタピラが縮んだのかもしれません。試しに余ったキャタピラ用のランナーをMウォッシュに浸けて長さを測ってみましたが、特に収縮はなし(むしろ若干伸びた?)。
2)Mk.Iの時は、事前にキャタピラを指で少しずつ引っ張って伸ばしたのに対して、Mk.IIではこれを行わなかった。ってことは、もともと短めだったことになります。ただMk.IIでもちゃんと仮組みをして、届くことを確認したつもりなんですが。
まあハセガワのチャーチルは安価だし組みやすいので、もう一個作ればよいのですが、せっかくなので足りない部分をブラ板でそれらしく補完してごまかすことにしました(写真の向こう側は、無事組み立て済みのMk.Iです)。ポリ製キャタピラは接着以外にもこうした収縮という問題が起こりそうで、怖いところがあります。そういえば昔、ハセガワのパンターGのキャタピラが完成後に縮み、車軸を折ったことがあったっけ。2ちゃんのミニスケ板では、接触したプラを溶かさないようにベンジンに浸けて可塑剤を抜く、という技が紹介されていましたが、これも収縮がありそうな感じがします。ただハセガワのキャタピラの材質は、慎重に引っ張れば若干伸びますので、必要に応じて事前に処理しておくとよいでしょう。チャーチルのキャタピラは開口部が多くあまり強く引っ張れませんが、M3リー/グラントの開口部のないキャタピラの場合は3ピース分くらい伸びてしまいました。

チャーチル戦車の巻(その11’)

2006年05月04日 10時57分26秒 | AFV(英・チャーチル)
すみませんっ! 前回アップした画像、砲塔の同軸機銃が左右逆でした! Mk.III以降の砲塔では同軸機銃が主砲の左にあるもんだから、ついつい左につけてしまいましたが、Mk.Iの砲塔では機銃は右でした。付け替えたついでに、ミリキャストの砲塔と比較してみました(左がミリキャストです)。もちろんレジンパーツの方がディテールは上ですが、もうひとつ大きな違いが側面形。ハセガワのパーツでは特に左側面がほぼ垂直になってますが、ミリキャストではやや斜めになっています。実車写真でもわずかに傾斜がついているのが正しいようです。それから機銃口と照準器口の下にミリキャストでは小さな板状突起がついていますが、これもついている方が正しい。簡単なディテールアップですから、あとからハセガワにもつけておきましょう。

チャーチル戦車の巻(その11)

2006年05月03日 07時23分43秒 | AFV(英・チャーチル)
先に懐かしいと申しましたハセガワのミニボックスシリーズ「チャーチルMk.I」、Modell Transと並行で作り始めました。二十年ぶりくらいでしょうか。今でも金型は全く傷んでおらず、パーツはぴたりとはまります。ミニボックスシリーズの中でもチャーチルは傑作に入るのではないでしょうか(そりゃ細かい寸法を言い始めたらいろいろあるでしょうが)。写真は塗装直前の状態で、塗装後に取り付けるパーツは仮止めしてあります。砲口・銃口・排気管をきちんと開口させたくらいで、特別なことは何もしていません。写真を見るとMk.I用砲塔には溶接跡が見えるので、それもラッカーシンナーを塗った後、筆でトントンして再現しました。
一つだけご注目いただきたいのが、キャタピラです。接地面も浮き上がらず、平らに接地しているでしょう。それから上面がちゃんと垂れ下がっているのがお分かりでしょうか。ポリ製ベルト式キャタピラをうまく垂れ下がらせるのはなかなか大変で、上部支持輪(チャーチルの場合はスポンソン上面)にうまく接着できる接着剤がなかなかみつかりません。2ちゃんねるのミニスケール板では、プライマー付き瞬間接着剤やコニシのボンドGPクリアなどが紹介されていました。でもその他にいいものを見つけました。タミヤのRC用「ゴムタイヤ接着プライマー(接着表面処理剤)」です。試しにこのチャーチルに使ってみました。
接着する両面にしゅっとスプレーし、ティッシュでざっと拭き取った後、乾いたところで瞬間接着剤で接着します。液状、ゼリー状、どちらもOK。かなりがっちりと接着できます。要らないパーツで試してみたところ、爪で少々はじいたくらいでは取れません。強く引っ張れば取れてしまいますが、まあ十分な強度でしょう。このチャーチルですと、前部リターンホイールの直後の垂れ下がりはかなり無理して接着しているのですが、剥がれる気配はありません。
プライマー付き瞬間ほどがっちりとはくっつかないかもしれませんが、これなら十分でしょう。またプライマー付き瞬間ほど高価ではありません。45g入りで、かなり使えそうです。また瞬間接着剤のプライマーは揮発性が高く、見る見る蒸発するのに対し、これはアルコール系らしくそれほど急激に揮発しないのも使いやすい。プラスティックにかけても溶かしたりしません。いや、こうしてキャタピラの上面が垂れ下がっただけで、ずいぶんかっこよくなるもんですね。
それからもう一つ、このキャタピラには事前に、自動車用のソフト99「バンパープライマー」がスプレーしてあります。こうすると塗料の食い付きがいいんだそうです(2ちゃんねるミニスケ板の情報です)。本物の自動車用とはいいながら、非常に薄くスプレーされるので、モールドをつぶすようなことは全くありません。
さて、チャーチルのキャタピラが走っているスポンソン上面は、転輪なしでガイドレールだけなんだそうです。走行中の車内はがらがらとうるさかったことでしょうね。