(世界の主なタックス・ヘイブン利用者マップ)
オフショアに移された大量の資金は、合法であろうと違法であろうと、個人であろうと、企業であろうと、世界経済を混乱させ、国同士の戦争を起こしてきました。ヨーロッパの長引く財政危機は、オフショア税金詐欺と、小さなタックス・ヘイブンのキプロス金融メルトダウンにより深刻化してしまったギリシャの財政難が原因とされています。キプロスではロシアから大量の現金が流入したために、キプロスの銀行の資産が暴騰しました。反汚職キャンペーン団体は、オフショアの秘密活動は、法と規則を軽視し、一般市民に強制的に増税をして歳入の埋め合わせをさせ、その後、増税した分をそっくりそのままオフショアに移して収奪していたのです。世界中で横行している金融犯罪によりオフショアに流れたお金の年間総額は1兆ドルから1兆6000万ドルにもなります。
証拠資料にリストアップされていたオフショアの利用者:
入手した証拠資料には、途中で消滅した金融犯罪や他の犯罪の公判に対する新たな証拠が示されている可能性があります。ICIJは、マルコス元大統領の長女のマリア・イメルダ・マルコスを英領バージン諸島のヤミ企業合同体の受益者として特定しました。 フィリピン当局は、イメルダの父親が汚職により得た50億ドルの資金の一部がそこに流れている可能性があるとして調査を進めようとしています。
フィリピンのマノトック地方長官は、問題の企業合同体についての質問に答えることを拒否しました。
その他のオフショア利用者(一部)は:
カナダのトップクラスの行動派弁護士のトニー・マーチャント(Tony Merchant)、ロシア副首相の妻のIgor Shuvalovと世界最大の天然ガス掘削会社であるロシア国営企業のガスプロム(Gazprom)の2人の最高幹部。
モンゴル国会議事堂の副報道官。スペインの芸術の後援者の富豪家のCarmen Thyssen-Bornemisza、アメリカ人でグラミー賞候補者のデニス・リッチ、メロン銀行とメキシコ湾石油事業のオーナーのジェームズ・メロン、その他、大勢の名前がブラックリストに載っています。
。。これらの富豪家がオフショアに隠した資金の総額は210兆ドルから320兆ドルにも上ります。これは日本とアメリカを合わせた経済規模と同じです。世界のトップ50行の民間銀行が手伝った富裕層の顧客のためのオフショア送金の総額は2005年の時点では5兆4000万ドルでしたが、2010年には120兆ドルにまで増えています。このような犯罪行為が堂々とできる背景には各国の政府の腐敗があります。