リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

謝罪ビジネスが大繁盛らしい

2013年11月11日 | 日々の風の吹くまま
朝日新聞を見ていたら『食材偽装、なぜ止まらない』という特集があって、おもしろそうだと
思ってクリックしてみたら、同じようなスーツ姿のおじさんたちが深々とお辞儀する「ごめん
なさぁい」写真が4枚ずらり。何だかみんな判で押したようなところが可笑しい。土下座にま
つわるNHK番組の中で、企業幹部に「謝罪会見」の特訓をするリスク管理コンサルタント
の話があったけど、この人たちも特訓を受けたのかな。後でビデオを見た先生に「まだ角度
が浅いですねぇ。この次はもう10度くらい深くしてみて」なんて批評されていたりして・・・。

もちろん「この次」がないのが一番なんだけど、赤信号をみんなで一緒に渡ってしまう国だ
から、どうだろうな。聞くところによると、偽装が発覚しないうちに「ごめんなさい」会見をやっ
て「誤表示」を告白する企業も出てきたらしい。(上手な)「謝罪文」の書き方を教えるコンサ
ルタントもいるそうな。「謝罪コーチ業」が新商売になるなんて、世も末というか、ビジネスの
世界はおもしろいというか。名作映画『雨に唄えば』では、お国訛り丸出しの無声映画のス
ターがトーキーの出現であわてて発音コーチの特訓を受ける話が出て来るけど、商売は世
に連れ、世は商売に連れ、ということかな。

突き詰めて行くと、消費者のブランド崇拝傾向や食品の安全に対する過ぎた不安が「何で
もブランド化」のトレンドに輪をかけて、そういう消費者を「神様です」と持ち上げたビジネス
側も舞い上がった神さまの「ブランドものを安く、安く」という要求を満たせなくなって、食材
偽装の風潮が蔓延したということも考えられるかな。「故意の誤表示」が長年業界内で暗黙
のうちに横行していたということは、日本ビジネスの横並びの右倣えが今でも健在であると
いうことで、つまるところは、それが表面化したからって今さら驚くことでもないということか。

どこそこ県ブランドの豚と隣の県の豚を食べ比べて違いがわかるという人がいるのかどう
か知らないけど、消費者としてはわからないからこそ「よそゆき」のときはブランドやメニュー
の説明をを信頼するしかないわけで、そこを利用(悪用?)して、明らかに「別の物」を本物
と表示しておいて「誤表示」と言い張るのは往生際が悪すぎる。心をこめた「おもてなし」の
伝統を誇る日本が隣の国と「偽装大国」のタイトルを張り合う必要なんて、ないでしょ?

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