リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

芸術が栄えるのは作品を観る人、聞く人がいるから

2024年03月26日 | 日々の風の吹くまま
3月24日(日曜日)。⛅☀。夜の間の雨も止んで、今日はいい天気になりそう。ルーフデッキのプランタ―の隅に置いてあったカップに少しだけど雨水が溜まっていたので、ボウルに張った水に足してオードリーちゃんの日曜日のお風呂。逆さまにすっぽりと水に浸しておくこと3時間半から4時間くらいで、オードリーちゃんはチューブのように丸めていた葉をすっきりと開いてくれるからかわいい。

イーディスからメールが来ていて、木曜日のランチで作ってくれたデザートのケーキのレシピを送ってくれた。ターメリックとアニスシードを使ったsfouf(スフーフ?)というレバノンのケーキで、とにかくおいしくて褒めちぎっていたもの。舌に甘さを感じさせないのがいいところで、今度暇になったら作ってみようかな。メールに添付して来た写真は牛の脛に差して持って行ったエアプランツ。骨の穴の底にスタイロフォームを詰めて2本のエアプランツを固定したそうで、とってもエレガントで見栄えがするアレンジ。ワタシのオードリーちゃんが見たら焼きもちを焼くかもね。それにしても、骨でブロスを作って骨髄が抜け落ちた後の脛の「ポット」は大ヒット。ケイトお姉ちゃんも「この次ブロスを作ったら、私にも骨をちょうだい」。ヴィクターの店から買って来た骨が3個冷凍庫に入っているから、暇になったらブロスを作ろうかな。飾りにするポットを作るためにブロス作りってのは何だか本末転倒のような気もするけど。



午前中に掃除と洗濯とウォーキングを済ませて、ランチが終わったら後は奨学金の申請書を読みまくり。学歴や役者や演出者としてのテレビや映画、舞台での経歴はきら星のごとくだけど、演劇界で生計を立てるのってほんとに大変なんだな。どの申請書にも「情熱」という言葉が躍っていて、役者から演出に進みたい人、劇作家に進みたい人、舞台装置や照明のデザイナーを目指す人、演技や発声の個人指導を受けたい人、修士課程で学位を取りたい人、演出家やデザイナーの見習いとして現場で学びたい人。奨学金の使途もカレッジや講習会の授業料、個人指導の謝礼、アメリカや海外でのワークショップに参加するための旅費や宿泊費、見習い中の収入の補填といろいろ。それにしても、よく冗談に「教えられる者は教師になり、教えられない者は教師の教師になり、教師に教えられない者は管理職になる」と言うけど、個人指導をする人がずいぶんいるみたいでちょっとびっくり。でも、音楽の世界なら楽器や声楽の先生に師事するわけだから、演劇界でも大学で理論を学ぶよりは手取り足取りで個人指導を受ける方が理にかなっているのかもしれない。いわゆるメンターシップというやつね。

午後いっぱいかかってやっと10件ほど読み終わって、推薦したい「トップ12人」の候補に挙げたのは2人。ワタシは観客席の視点から選定に加わっているので、どうしてもテクニカルの方に目が行くのは当然かな。端から自分は2SLGBTQIA+だとかPOC(有色人種のこと)のアーティストだとか、unceded territory(先住民から譲渡されていない土地)に住んでいるとか最近の社会派的決まり文句で書き出しているのは、(若さゆえかもしれないけど)特異なマイノリティであるがゆえにちやほやされて当然とでも言いたげなのが多くて、働いて得たお金でチケットを買って時間をかけて劇場まで観に来てくれる観客があってこそキャリアが成り立つという視点が抜けているから、これもペケ。リハーサルの見学に通い詰めていたときにベテランの役者に部外者がいて気が散らないかと聞いて返って来た言葉は今でも忘れていない。「ひとりでも観る人がいたら演じてみせたいのが役者魂ってものよ」と。


月の出・・・吠えてみたくならない?