尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

公園・寺社・坂のある町-落合散歩③

2016年05月18日 21時42分24秒 | 東京関東散歩
 東京は「東京砂漠」で、緑に恵まれない、潤いのない町だと昔はよく言われていた。確かに一人当たりの公園面積は、ロンドンやニューヨークに比べて非常に少ない。でも、人口密度が濃密なアジアの都市は事情が少しばかり違う。それに東京にも案外寺社が多く、そこに緑もあれば休息できる環境もあって、散歩していると適度な間隔でのんびり休める。捨てたもんじゃないなと思うようになった。特にこの落合近辺は公園や寺社が多い。新宿からごく近いのに、ちょっと遠出した感じになれる。 

 西武新宿線下落合駅から北へ、川と道路を超え奥へ行っていくと、なんだか緑の多い場所が現れる。都会の中にこんな場所があるのかと思うのが、薬王院というお寺。長谷寺から譲り受けた牡丹の花が有名だというが、訪ねた時にはもう終わっていた。(写真の最初2枚。)薬王院のすぐ隣に「落合野鳥の森」があり、そこからもう少し歩くと「おとめ山公園」。その近くに「氷川神社」がある。明治までは薬王院が別当寺だった。旧下落合村の鎮守社だったという。(写真3枚目)
  
 さて、そのあたりは北へ向かって目白台地が広がり、いくつもの坂道がある。少し登ると「おとめ山公園」。この名前は「乙女」じゃなくて「御留」が由来。各地によくあるけど、江戸時代に樹木の伐採や鳥獣の捕獲が禁じられていたという意味である。ここは将軍の狩猟地で、明治以後は相馬家の庭園になっていた。戦後になって近隣住民の要望を受けて新宿区が整備し、1969年に開園した。自然湧水もあるということで、これが「武蔵野の面影」かと思うほど自然が残っている。近くの住民も子供連れでたくさん訪れていた。山手線のすぐそばにこれほどの自然が残されていたのか。穴場的な場所。
   
 他にも公園としては、中村彝アトリエ記念館の隣に「下落合公園」、聖母坂の西には「西坂公園」や「かば公園」があり、今回歩いていない西武線の南側には「せせらぎの里」や「落合中央公園」という広い公園もある。そして、その合間合間に、坂道の角に小さな神社が置かれていたりする。いかにも古い町らしく、歩いていて楽しい。電車で一区間ほどだから、それほど広い地域ではない。そこに1回目、2回目で書いた施設などもある。結構濃密。まずは「下落合公園」と「かば公園」。
  
 次は神社編。下の写真の最初から、目白駅そばの「豊坂稲荷神社」、そのすぐ下にある小さな神社「市来嶋神社」、下落合公園から聖母坂に向かう途中にある「大六天」、そして薬王院に向かう途中にある「下落合弁財天」。どれも小さく、永井荷風が喜びそうな社ばかりである。
   
 それにしても坂道が多い。目白から高田馬場方向へ、ぐっと落ち込んでいる。その合間に住宅街が広がり、なんだか面白い建物がある。記念館や寺社ではない、人が住んでいる建物はなかなか撮りにくいし、撮っても後で見ると案外面白くない。でも、下の写真のマンションは載せておきたい。コロセウムみたいな、あるいは新国立競技場がこんな感じだったかも。でも、多くのところは2枚目の写真のような住宅街である。そして、歩いていると、坂道に出る。「下落合野鳥の森」周辺の坂はこんな感じ。
   
 最後にあちこちの坂の写真をずらっと。最初から、「聖母坂通り」、「霞坂」、「西坂」、「七曲り坂」。西坂や七曲り坂はかなり長くて、この上に行くとずいぶん急傾斜になる。そういうところに坂の名前は付いてない。道の下にある坂の名を入れて写真を撮らないと、何しろ多いからどこを撮ったか忘れてしまう。坂はこの3倍ぐらいあるし、もっと小さな名も付いてない坂もある。暮らすほうも大変だと思う。撮った写真を全部載せても仕方ないだろうから、この辺で落合散歩はおしまい。 
   
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