尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

ニール・サイモン、アレサ・フランクリン、ナイポール等-2018年8月の訃報①

2018年09月06日 20時27分46秒 | 追悼
 2018年8月は有名人の訃報が内外ともに多かった。3人、4人はすぐに思い浮かぶだろう。長くなりそうだから、3回に分けることにする。日本人から書くと外国編が読まれないから、いつもと逆に書くことにする。ジョン・マケインアレサ・フランクリンなどアメリカ人の訃報が多く、その追悼ムードは2か月後の中間選挙にも微妙な影響を与えるかもしれない。ただし、アメリカ上院議員ジョン・マケインは、3回目に翁長雄志沖縄県知事と合わせて書くことにする。

 まずアメリカの劇作家ニール・サイモンから。1927~2018.8.26、91歳。アメリカのみならず、世界を代表する喜劇作家で映画脚本も多い。日本でもたくさん上演上映され、三谷幸喜などに大きな影響を与えてきた。両親ともにユダヤ系で文化的背景を感じる作品もあるが、ニューヨーカーの機微を描く作風でもある。ハヤカワ演劇文庫で何冊か読んでるけど、あまり覚えてないかな。代表作は「おかしな二人」「サンシャイン・ボーイズ」「ロスト・イン・ヨンカーズ」等。ピュリッツァー賞やトニー賞など主要演劇賞を受賞したが、マジメ系に比べて受賞歴が少ない感じもする。
 (ニール・サイモン)
 「ソウルの女王アレサ・フランクリンが8月16日に死去。1942~2018,76歳。僕はこの人に関しては、名前しか知らない。若い時はラジオで聴いたこともあると思う。でも僕は「ソウル」系は弱くて、全然判らない。グラミー賞を20回獲得した人だが、飛行機嫌いで日本公演は一度もなかった。アメリカでは非常に偉大な存在で、公民権運動やフェミニズム運動にも影響を与えたという。クリントン、オバマの大統領就任式で熱唱したが、ブッシュ(ジュニア)大統領から大統領自由勲章を受賞していて党派を超えた存在だった。
  (右は若いころ)
 元国連事務総長コフィー・アナンが死去。1938~2018.8.18、80歳。ガーナに生まれ、アメリカに留学、WHOやUNHCRで活動した。1984年からはずっと国連本部職員で、1997年に国連職員から初めて事務総長に選出された。(2006年まで。)2001年には国連本体と一緒に、アナン事務総長個人としてもノーベル平和賞を受賞した。在任当時はイラク戦争などのアメリカの独自行動を批判して存在感を示した。貧困やHIV防止などの取り組みに成果をあげ、国連事務総長としては知名度も高かった。ガーナの名家出身だというけど、スイスのベルンで亡くなった。

 元インド首相アタル・ビハリ・バジパイが死去。1924~2018.8.16、93歳。ウィキペディアではアタル・ビハーリー・ヴァージペーイーとしている。1996年に半月ほど首相となるも少数与党のため辞任、98年5月に政権に復帰し、2004年5月まで約6年間政権を担った。インドの政治は国民会議派とヒンドゥー主義政党の争いだが、77年の選挙で誕生したデサイ政権以後、ヒンドゥー系の離合集散を経て、インド人民党を結成したバジパイが政権を握った。98年に2回目の核実験を強行し、パキスタンも続いて対立の激化をもたらした。インドでも民族主義的、排外的な風潮が強まっているが、バジパイは温厚で、詩人としても知られていた。

 2001年のノーベル文学賞受賞者、V・S・ナイポールが死去。8月11日没、85歳。カリブ海の島国、トリニダード・トバゴ生まれだが民族的にはインド系。名前は「ヴィディアダハル・スラヤプラサド」である。多分読んでる人はほとんどいないだろう。僕も読んでない。小説も多いけど、それ以上にインドやイスラム圏の紀行で知られた。「インドー傷ついた文明」や「イスラム紀行」など翻訳はある程度出ていたが、ずいぶん前の本が多い。
 (V・S・ナイポール)
 イギリス出身の舞踏家、リンゼイ・ケンプが8月25日に死去、80歳。ダンスや演劇など多彩な表現で活躍した。デレク・ジャーマンなどの映画でもダンサーなどで出ていたが、自身のリンゼイ・ケンプ・カンパニー版の「真夏の世の夢」は日本でも出ている。デヴィッド・ボウイを教えたことでも知られる。来日公演もあったけど、見てない。日本の舞踏に似た感じの前衛アーティストだった。
 
 フランス料理の巨匠と言われるジョエル・ロブションが死去。8月6日、73歳。その世界ではすごく有名な人らしいが、僕にはよく判らない。ミシュランガイドにおいて「世界で一番星を持つシェフ」なんだそうで、東京にも6店舗あるらしい。恵比寿ガーデンプレイスや六本木ヒルズにあるというんだけど、一生無縁だろう。

・ロシアの人形アニメ、チェブラーシカの原作者、エドアルド・ウスペンスキーが14日に死去、80歳。
・元駐日英国大使、ヒュー・コータッツィが13日死去、94歳。日英関係に関する多くの著作がある。
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