選挙制度に関して、長くなっているので、あとちょっと書いてしまいたい。まず、「衆議院議員が少なすぎる」という問題である。エッ、「多すぎる」の間違いではないかと言われるかもしれないが、僕が書きたいのは「少なすぎる」という話である。このことに関しては、4年ぐらい前に「衆議院の定数削減に反対する①」(2012.2.12)という記事を書いてるけど、もう誰も覚えていないだろうから再論。
この問題に関して、東京新聞(1月20日付「私説 論説室から」)に面白い記事が出ていた。桐山桂一記者の記事によれば、もともと「衆議院の議員定数は人口で決められた」という。1925年に男子普通選挙権が認められた時に、「人口12万人に一人」の割合で「466議席」と決められた。戦後の新憲法制定の時も「人口15万5千人に一人」と計算されたという。こういう風に人口をもとに、「1議席当たりの人口はどのくらいが適正か」を論じるのが本当のやり方だろう。なお、国会議事堂の議席は、将来の人口増を見越して、「635議席が設置可能」に作られたとその記事にある。
前に書いた記事から引用すると、諸外国の場合は以下のようになる。
①議会政治の祖国イギリスは、人口6100万で下院議席数650だから、「1人当たり9.5万人」。
②ドイツは、630議席で「1人当たり12.8万人」。
③フランスは大統領制だけど、国会は577議席で「1人当たり11.3万人」。
④イタリアは、630議席で「1人当たり9.5万人」。
⑤カナダは308議席で「1人当たり11.4万人」。
これは欧米のサミット参加国を見たものである。もちろん、アメリカやロシアは超大国だから、同じようなわけにはいかない。アメリカは、72万人に1人、ロシアは31.5万人に1人となる。
一応近隣アジア諸国を見ると、韓国は300議席で、人口は5143万人だから、1人当たり17.1万人。最近行われた台湾では113議席で、人口2346万人だから、1人当たり20.8人。
さて、では日本はどのくらいか。今、各国を見るときに、「下院」を見ている。上院と下院がある国では、世界中で下院が「優先する院」である。上院は身分制で選ばれるか、連邦制の各加盟国代表であることが多い。日本も参議院は旧貴族院だから、衆議院が下院にあたある。衆議院議員は前回から削減されて「475議席」。日本の人口は1月1日の概算値が「1億2682万人」となっている。そうすると、1人当たりの議員数は「26.7万人」である。
これを見ると、「日本の衆議院議員はむしろ少ない」という現状なのである。もちろん、日本の人口の方が多いので単純な各国との比較はできない。イギリスやイタリア並みに、「10万人に一人」にすると、「1200人の衆議院議員」ということになってしまう。これでは国会議事堂に入れない。しかし、せめて「20万人に一人」でもいいのではないか。そうすると、600議席ほどという勘定になるが、先に見たように設置可能な議席数である。もちろん、衆参で合わせると、もっと多いことになる。だけど、一番大事な「下院」の議員数こそ第一に考えるべきではないか。そして、今後人口が減っていけば、それに比例して議席数を減らしていくことになる。数はピッタリした数(500とか、600とか)でなくてもいい。それより「人口、または有権者数で何万人に1人とするか」ということから考えていくべきではないか。
今、小選挙区と比例区を合わせて議員数としたが、小選挙区だけで言えば、295である。人口から割れば、なんと「43万人に一人」である。これでは、国会議員をよく知らない、遠い感じがする、選挙中でもほとんど見ない、自分が選挙に行かなくても当落に関係しない気がする…となるのは当然である。もし「10万人に一人」の国会議員だったら、もっと身近だし、一人ひとりの票が当落に影響してくるはずだ。
この問題に関して、東京新聞(1月20日付「私説 論説室から」)に面白い記事が出ていた。桐山桂一記者の記事によれば、もともと「衆議院の議員定数は人口で決められた」という。1925年に男子普通選挙権が認められた時に、「人口12万人に一人」の割合で「466議席」と決められた。戦後の新憲法制定の時も「人口15万5千人に一人」と計算されたという。こういう風に人口をもとに、「1議席当たりの人口はどのくらいが適正か」を論じるのが本当のやり方だろう。なお、国会議事堂の議席は、将来の人口増を見越して、「635議席が設置可能」に作られたとその記事にある。
前に書いた記事から引用すると、諸外国の場合は以下のようになる。
①議会政治の祖国イギリスは、人口6100万で下院議席数650だから、「1人当たり9.5万人」。
②ドイツは、630議席で「1人当たり12.8万人」。
③フランスは大統領制だけど、国会は577議席で「1人当たり11.3万人」。
④イタリアは、630議席で「1人当たり9.5万人」。
⑤カナダは308議席で「1人当たり11.4万人」。
これは欧米のサミット参加国を見たものである。もちろん、アメリカやロシアは超大国だから、同じようなわけにはいかない。アメリカは、72万人に1人、ロシアは31.5万人に1人となる。
一応近隣アジア諸国を見ると、韓国は300議席で、人口は5143万人だから、1人当たり17.1万人。最近行われた台湾では113議席で、人口2346万人だから、1人当たり20.8人。
さて、では日本はどのくらいか。今、各国を見るときに、「下院」を見ている。上院と下院がある国では、世界中で下院が「優先する院」である。上院は身分制で選ばれるか、連邦制の各加盟国代表であることが多い。日本も参議院は旧貴族院だから、衆議院が下院にあたある。衆議院議員は前回から削減されて「475議席」。日本の人口は1月1日の概算値が「1億2682万人」となっている。そうすると、1人当たりの議員数は「26.7万人」である。
これを見ると、「日本の衆議院議員はむしろ少ない」という現状なのである。もちろん、日本の人口の方が多いので単純な各国との比較はできない。イギリスやイタリア並みに、「10万人に一人」にすると、「1200人の衆議院議員」ということになってしまう。これでは国会議事堂に入れない。しかし、せめて「20万人に一人」でもいいのではないか。そうすると、600議席ほどという勘定になるが、先に見たように設置可能な議席数である。もちろん、衆参で合わせると、もっと多いことになる。だけど、一番大事な「下院」の議員数こそ第一に考えるべきではないか。そして、今後人口が減っていけば、それに比例して議席数を減らしていくことになる。数はピッタリした数(500とか、600とか)でなくてもいい。それより「人口、または有権者数で何万人に1人とするか」ということから考えていくべきではないか。
今、小選挙区と比例区を合わせて議員数としたが、小選挙区だけで言えば、295である。人口から割れば、なんと「43万人に一人」である。これでは、国会議員をよく知らない、遠い感じがする、選挙中でもほとんど見ない、自分が選挙に行かなくても当落に関係しない気がする…となるのは当然である。もし「10万人に一人」の国会議員だったら、もっと身近だし、一人ひとりの票が当落に影響してくるはずだ。