チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

ボリショイバレエ

2012年02月10日 10時03分49秒 | 日記
「ボリショイってサーカスだけではないのね」
同行のK子
今チャコちゃん先生「白鳥の湖」に凝っていて
色んなバレエ団の白鳥の湖を見て歩いている

バレエ音楽としては超有名で
一生に一回はこのバレエを見たことがある人が多いとおもう
良く出来た音楽だし
素晴らしい振り付けで
19世紀からずっとバレエ観賞の動員数では人気一位を誇っている

「くるみ割りの人形」の動員数にはかなわないが
コレはお子ちゃま向けだから上演回数が半端ではない

さてこの白鳥の湖は
演出家振付師によって楽章を捨ててしまったり
違う楽章を持ってきたりと
同じ劇団でも見るたびに違う

基本のチャイコフスキーの音は尊重しているが
結構自由に動かしているようにおもう

今回のボリショイバレエ団では
結末は悲劇にしてある
王子とお姫様が結ばれ魔法が解けてめでたしめでたし
コレが99%のストーリーだが
今回は結ばれずなげく王子のダンスが素晴らしい

あらすじは良くご存知だとおもうが
悪魔によって白鳥にされた姫は
こころからの愛を誓う人が現れると魔法が解ける

しかし王子は黒鳥が化けた姫に愛を与えてしまう

今までの解釈は魔王の策略だったと言うことがわかり
白鳥姫と王子の二人は更に深く愛を確かめ合い
魔法も解けるという筋書きだったのだが
今回は
「誓いを一度でも破れば魔法は解けない」
と厳しい

なあなあの世の中に一石を投じた感じだ

客席の反応は一瞬「えっ」と間があり
パラパラと拍手が沸くと一気に万雷の拍手になった
考え深い足取りで帰路に着く観客

19世紀の舞台を21世紀にもつなげていくには
その時代を見極めた舞台演出が必要であろう
バレエもオペラも観客動員数が増えている
しかも老若男女が足を運ぶ
演目も19世紀のものが多いのに新しい

翻ってわが歌舞伎に空席が目立つのは
惹きつける何かが欠けているせいだと思う
観客も一緒になって探さないと駄目だろうけど

一方文楽は東京の場合毎日満員御礼
「古いから退屈」
と言うわけではない

なんだろうなあ



コメント
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