チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

寒牡丹

2015年12月26日 10時34分10秒 | 日記
陰が極まって陽に転じる「冬至」に入ると
昔から「雪」の着物を着ることが許された
というよりそれがおしゃれだった

暦の気持ちを察してチャコちゃん先生今日は「寒牡丹」の帯を締めている
九州育ちなので「寒牡丹」なるものが存在しているなんて知らなかった
学生の頃付き合っていたボーイフレンドが
真冬の寒さ
「ボタン見にゆかない?」
「はあーーボタンってーー」
「花だよ雪の中に咲いている綺麗だよ」

彼は鎌倉生まれの湘南ボーイ
どこに連れて行くのかと思ったら自分ちの庭だった
初めて自宅に行ったが門から玄関まで「まだ歩くの?」という感じ
田舎育ちのチャコちゃん先生スッカリ度肝を抜かれた

兄に「東京はとてつもない資産家がいるよ」と聞いていたが
知らずに付き合っていたが財閥のお坊ちゃまであったのだ

案内された庭にはむしろを合掌づくりのようにした中に牡丹の花が咲いていた
前日雪が降って積もっていたので
その姿は誠に美しい

アールデコ調の洋間に落ち着くと
それこそ牡丹の花のような華やかなお母上が
「ひさこさんねようこそいらっしゃいませ」
満面の笑みを浮かべてお手製のシホンケーキをごちそうしてくださった

その時「寒牡丹をスケッチしてね帯を染めたのねご覧になる?」
「おばさまが染めたのですか?」
「そうですのよそうだスケッチさし上げるわ」

そのスケッチが未だに手元にあり
早速真似て帯に染めた(チャコちゃん先生はプロに染めていただいた)
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