チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

祇園祭

2010年07月19日 10時43分30秒 | 日記
「誕生日の宵山といかしまへん?」
7月17日に京都で鉾を見ようというお誘い
誕生日は18日だが前日祝いをしようとエミさん
「祇園さんの日に生まれるなんて縁起ええわなあ」

たった一輪の朝顔の植木がお出迎えの料亭
「まるで秀吉になった気分」
「そういえば今年は金の値上がりがすごいとか」
「アハハハハ」

先ずは湿らした笹に「蘇民将来乃子孫」
と店主の直筆で書かれた和紙の護符と箸が運ばれる
「そうか祇園さんはスサノウノミコトですものね」
当然粽も

「ほら鱧ですえ」
「京都の夏の味だわね」

お腹が満足して
金剛流の能装束展に顔を出す
不肖の弟子というより弟子にもなれない劣等生のチャコちゃん先生
それでも毎年の装束の虫干しをかねた展示会に招いてくださる

室町時代からの面や装束
装束は唐織か縫いが中心
今年面白かったのは孝明天皇のお寝巻きが
装束としてつかわれたということ

朱子織の白地に箔で模様を刷り込んであった
気品があって美しい

能装束はもともと高貴な女人が
ご自分がお召しになっていた小袖を
「これを着るように」
と舞台に投げ入れたのが始まりと聞いている
そこで華やかな装束の誕生

山鉾は絢爛豪華な染織品で懸装している
インド有、中国有、韓国有、ヨーロッパ有
あらゆる国の宗教染織が用いられているのが面白い
此処では神も仏もキリストもマホメットも
皆山鉾道中

9世紀に始まったこの祇園祭
何か日本人の精神の基本のように
おおらかで何でも受け入れ其れを楽しむ

日本の伝統文化の魅力は祭りが教えてくれる

そうそう
装束を見ていて来年の単に
「この装束のこことあの装束の色とそれにお宅の屏風の箔をいれたい」
といいとこどりの着物の柄が決まった
日本の伝統文化そのものやね

祇園祭は旧家の屏風を見るのも楽しい
やはり京都は日本文化の原点が見える

こういう文化に敬意を表して
浴衣姿の若者が歩いていた

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