チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 344

2020年06月26日 12時40分47秒 | 日記

繭の出来具合の報告が方々からくる

今年は自粛が長かっただけに労働力が不足したところもあるようだが総じて順調

跡継ぎのないところは「ぼつぼつ限界かなあ」な#日本文化は着物からんて弱音を吐いている

「とにかく続けてくださいよ」と口では言うがやすしで、今までは「ジャンジャン着る人を増やしますからね」といえたが、今は全く沈黙。「たいへんですねえ」とお愛想しか言えない自分を恥じる

 

「行動」というものがむつかしい

現実に養蚕を手伝える体力もなく、長年養蚕業に従事する人を増やそうと努力してもなかなか定着できず、「入口、出口」という言い方をされ、養蚕をしても、糸を作る人をどう確保する?その糸で布を作る人は?と先へ先へととい詰められると「こりゃ一人でできることではないわな」と腰が引けてしまう

 

過去に何度も声をかけ、賛同する人達を集め教育まで行ったこともあるけど「対価」でつまずく

そういう苦難に合いながらも「夢」を持ち続け、とにかく日本の絹の再生をもくろんでいる

そこへコロナだ

 

自然とともに生きないともう次の時代に生きてはいけない

人類はそういう瀬戸際に来ている、身土不二の生活こそがこれからの時代にピッタリ、自給自足の世の中が来る

「いいぞいいぞ」

とにかく着物がこの日本にどうして生まれずっと着続けられさらにこれからも着物のない日本は考えられない

その入り口が養蚕でしょうに

「無菌蚕の養蚕」もじわじわと広がっていっている

そこでできる繭のほとんどは「サプリメント」に回されている

「いい糸」を作るのが目的ではないので、とにかく蛹になればよい、繭を作ればいいという状況だ、こういうのって蚕にとってはどうなんだろうな

蚕はせっかく長い糸を作っているのに、「必要なのは蛹だよ」といわれれば生きているのが嫌にならないかな、自殺する蚕も出てくるかもね(馬鹿言ってる場合ではないぞ)

 

サプリメントで必要なのは蛹、その蛹は蚕が糸を吐いて繭を作りその中に入って変態を遂げなければ蛹にならない。蛹になった後蛾になり卵を産み次の世代に命を繋ぐ。

そういう生命の順序の中の途中を人間が勝手に「ここだけ必要」と循環を壊していいものだろうか?

 

今後の時代はそういう人間のエゴがきっと粛清されるだろう。コロナはそのために人々に与えられたのだ

 

蚕の使命を全うするためにやはり着物を着ようとする人を増やすしかないな

着物って本当にいろいろ文化を包み込んでいるんだよ、と声を大にして言いたい‼


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