チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

絹のきものは心底涼しい

2024年08月05日 10時05分47秒 | 日記
やっと気が付いた
この猛暑の中絹のきものはその力を発揮する
王侯貴族が競って絹を身に着け、絹の通る道こそが文化の道となずけた「シルクロード」いやはや合点がいく

日本の場合夏は湿気が多いから麻が快適、と信じていた
確かに素肌に麻を着ると涼しい、しかし麻の下着を着て、麻の着物を着てとなるとこれ意外と風を通さず熱がこもる
去年からチャ子ちゃん先生はどんな高価な麻でも浴衣風に着ることで暑さを排除している

昔の女たちが夏のきものは麻を素肌に来ていたのを思い出す。昔も暑かった。しかも冷房という文明の利器はないので、水をシュシュっと布に噴き当てながら麻の着物を着ていた姿を思い出す

袂は短く身八つを深く開け、くるぶしが見えるきもの丈にし、襟も細い棒えりだから首回りもあきができて涼しい、つまりどこからも風が入りやすい仕立てにしていたのだ。帯の生地も羅とか紗で風通しがいい

自然に逆らわず、自分自身の心地よさを優先することで、その日も機嫌よく生活する

絹はそういう中で上流階級の方々がお召しになり、また庶民のよそいきっだっただろうけど、織り方に工夫をしているので布がすける、絽織や紗織りが中心で体の各所に風が通る

家屋も風が通るように障子やふすまを取り払い、御簾を垂らして風を通す、風鈴の音が涼を呼ぶ
日本人って四季折々の暮らしを衣食住のすべてで楽しむことのできる民族だった

今は電車も家屋の中もすべてキンキンに冷房を利かせて居る
そういう中でわが身を守るのは「絹」だなあとつくづく思う。保温と保湿、乾燥と温度に合わせてスイッチしてくれるのだ

灼熱の太陽の下でも絹を着ていると体に入ってくる風が涼しくなる。そして冷房の冷え冷えの中では体に入る風を温めてくれる。こういう繊維を残して呉れた先人に頭が下がる。ありがとう


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