チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

ボストン美術館日本美術の至宝

2012年06月07日 16時06分04秒 | 日記
まだ大丈夫まだ大丈夫と思っているうち会期が10日までとなり
今日は雨しかもウイークデイと気がつき
「今日こそ」と昨日東京博物館まで行ってきた

見たかったのは小袖と尾形光琳の松鳥図屏風それになったって蕭白の襖絵
もちろん予想通りに素晴らしかったが
思いがけず刀の鞘の工芸やそれに付随した組紐の美しさ
何より昔絵画の本で見て本物を見たいと思っていた
伝陽月の「枇杷に栗鼠の図」
今頃の季節帯の柄にぱくりたいと思いつつ美術本でもお目にかからず
ここで再会したときは思わず声が出そうになった

なにせチケット売り場で15分会場に入るまで30分の待ち時間
雨でウイクデー狙いも一杯いたということ

そのせいで人気の吉備大臣入唐絵巻や平治物語絵巻には近づけなかった
美しい朱色や官位の袍の色に興味があったが
其れはもう図録で見るしかない

日本以外の美術館でもボストン美術館には日本の至宝がたくさん渡っている
集めた時期は明治維新

30年前に松坂屋でボストン美術館の展覧会があったとき
日本からこんなにいいものが流出して
日本人は一体ナニヲしていたのだろうと思ったけれど

今回は違った
ボストンに行っててよかったと思った
あのままだったら戦争で焼失したか持ち主が代わりばらばらになってしまったかもしれない

明治維新の頃
世界は日本を良く知らなかった
文化果てるところだと思っていたと思う
そこへ書画陶器漆器が西洋人の目に触れ
その感性の鋭さと技術の精巧さに日本の国の文化度の高さを知った

そういう美術品を見て日本に渡ってくる外国人が後を絶たず
もちろん高い船賃で来るのだから裕福な人が渡ってくる
そして日本人に出会い日本の美術のすばらしさに魅せられた

奈良時代からの日本人の手による美術がどれだけ西欧の人たちを驚かせたろうか

東京博物館では
沈黙をしながら世界中の人に感銘を与えた美術品が静かに並んでいた

日本って本当に凄い国なのだなあとあらためて感じ入った
パクって帯柄にしようなんて思ったせこいチャコちゃん先生が恥ずかしい

この後名古屋、大阪、福岡に移動するらしい
ぜひご覧になるといい
たとえ並んででもーー日本を誇らしく思える


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