チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 333

2020年05月27日 10時33分23秒 | 日記

桑の実食べた

スカイガーデンにある5本の桑の木今年は蚕を飼育できなかったので堂々と実をつけた

それを鳥が喜んで啄んでいたがどうも飽きたらしく散らすだけ、今朝人間用に収穫した。指先が真っ赤。でもウキウキ

 

桑の木の話を伝えたい

日本では養蚕用の桑の栽培は弥生時代から始まったことが史実としてあるが、どうも縄文時代から桑の木はあったらしい。というのはそこかしこの遺跡から桑の実の種が出土している

 

今一般的な桑の木は「一ノ瀬」という銘柄、これは明治31年に山梨の桑専門のお百姓一ノ瀬益吉という人が、葉が大きくて厚くしかも柔らかい、更に育てるのが簡単、虫もつきにくいと言う改良品を作った

そのほかにも「鼠返し」「菊葉」「野桑」「小笠原桑」「島桑」「琉球桑」「山桑」などがある

昭和40年代までは縮緬糸を作るには「鼠返し」いい紬を織りあげる蚕を育てるには「菊葉」など、どういう着物を作るか、それにはをどんな糸をつくりあげるか、と桑の葉と蚕の種類を決めながら養蚕をした人が多い

 

本来日本人の職人たちは未来像に「こういうものを作りたい」という希望があり、それに見合う道具や素材を自らの手で求め作り上げていた。それゆえ今でも残る伝統工芸の品々は人の心を打ち、感動をさせる。その姿勢がプロというものだった

 

では桑の葉には何があるの?

葉には蛋白質、鉄分マンガンなどのミネラルたっぷり、そして葉緑素

実にはビタミンA,B1,G

根皮にはシトスラロールという咳止めに利く養分

 

つまり桑の木は蚕の食糧だけではなく漢方や民間療法によく使われていた

今は「桑茶」は市民権を与えられているが、養蚕農家の人たちはあらゆる病気予防を桑の葉で納めていた

40年くらい前京都の養蚕農家を取材したとき、糖尿病にかかっているのでもう養蚕はむつかしいとおっしゃっていた。それから五年後再び伺ったら主はぴんぴんしているどころか若返っている

「あらすごいですね」

「ナカタニさんこれ飲んでみて」

と出されたのが自家製の桑茶、目の前に10歳若返った主人を見ると飲まないわけにはいかない

葉っぱは天日干し、乾いたらもみほぐし、すり鉢ですってお湯をさして飲むだけ、いとも簡単である。作用は肝機能を元気にし、脂肪を抑え、便秘の改善、糖の分解の時酵素を作る、ブドウ糖などなどちょうをきれいにする要素満載

 

桑の葉だけを食べる蚕の糞にはその養分が全部含まれているんだなと納得

 

わがスカイガーデンのお客様鳥たちが食べ飽きた実で桑酒を造ろう、抗酸化作用つまりポルフエノールいっぱい。免疫が高まるな

 

所でこのスカイガーデンともお別れ、コロナ引っ越し

桑の木引き受けてくださる方はいないかな

 

 

 

 

 

 

 


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