チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

旅立ちの祝い衣

2008年06月18日 09時41分48秒 | 日記
あなたはこの世を去るとき
どんな衣装に身を包みたいですか?
と問うてから二十年が過ぎた

東京多摩地方で育てた
純国産繭を使い
東京手描友禅の作家たちに
西行の「願わくばーーーー」
をテーマに心象を描いていただいた

40点ばかりの作品を
新宿高野のギャラリーで展示販売した
旅立ちーーと言う言葉にビックリされたのか
多勢の方が会場にいらして
着物を手にとって
ご自分がなくなったときに
周りがどう反応するかの話に花が咲いた

そして20年
其のときにいらした方から
思いがけず電話があり

「わたくしボツボツ用意をしておこうと思いますの」
とやや低いお声で
其のときに受けた感想を
つまびらかに
語ってくださった

20年の月日は
其の方を80代に押し上げていた
国産の繭も今は全消費量の5%をきった
当時の作家も2人はこの世にいない
鳳凰柄の白地で美しく仕上げ
帯に其の方のお好きな花を
刺繍しようと思っている

人生の旅立ちは厳粛で美しくありたい
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