チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 508

2022年12月10日 14時04分04秒 | 日記

 

小千谷縮の制作で頑張っていた樋口隆司さんからご連絡をいただき

「最後の作品を見てほしい」

ということで組合主催の展示会に赴いた

「どうして?」

あってすぐ直球の質問、遠慮がない

手仕事職人さんの問題だという

一旦切れた気持ちは到底元に戻らない。特に手仕事はなおのこと

樋口さんとのよき時代の事を語り合う、でもそういうことを語っても明日がなければむなしい

 

せめて記念に何か購入しようと思って選んでいたら、美しいキモノの元副編集長の富澤さんも駆けつけ、あれこれ話し合う。あれは?これは?と身に着けてみるけど、なかなか決まらない

二人ともいつも数秒で決めていくチャ子ちゃん先生を知っているので「やめとき」となってしまった

やはりもう新しい作品はないので、心に響いてこない

そういうものなのだなあ、未来に向かっている時はあれもイイこれもイイとなる

 

あの中越地震の時いち早く沢山水を樋口さんのところに送った

その水が届いた後、また揺れて道路が封鎖され、もう宅急便はいけなかった

「あの水が自分たちの命を救ってくれた」と未だに感謝してくださる、そのお礼にと毎年天日干しの新米が届く

ありがたい

 

夜空の星を眺めながら車の中で過ごし、駐車場にみんなが集まって送ってもらった水で料理を作って食べた。と

その眺めた星をモチーフにして着物を作りその着物が通産大臣の賞を取った

マイナスの状況をプラスに替えるエネルギーに大拍手だった

 

何か納得できなかったけど、時間をつくって小千谷に伺おう

同じ場所で塩沢の組合の展示会もあり顔を出す

其処では江戸時代の帷子の修復をするために、苧麻の美しい糸の仕入れにいらしている陶芸家にあった

日本人の美しい手仕事の修復をして次の世代に残したいと、私財を投じていらした

博物館に行ってしまうと、一般の人は見ることも触ることも出来ないので、自分が修復して手元に置いておけば、誰でもが見たり着たり出来るからね

人生いろいろ

 

 

 


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