チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 491

2022年06月13日 08時12分15秒 | 日記
源氏物語54帖をピアノで表現するジャズピアニスト「遠藤征志」さんの演奏会に行ってきた
能とのコラボという演出もあり、視覚と聴覚の楽しみを提供なさっていた
三部作で昨日は二部、三部は12月6日に渋谷のセルリアン能楽堂で行われる

二部は光源氏が青年の美しさで、最も活躍した時代だ
「舞台を見て感じたことを言ってほしい」とプロジューサーに請われていたので、チャ子ちゃん先生は東京手描き友禅作家の「上田環江」さんをお誘いした
環江さんは過去に
「源氏に愛された女たち」
というテーマで24人の姫君たちを友禅で描いている
能のコラボもいいが着物とのコラボはもっと身近にになるのではないかと思ったのだ

果たして源氏が描かれた時代は平安時代
能は室町
どうしても衣裳の隔たりが私には気になった

平安時代は「色目」を大事にした
その色目の美しさを表現できればコラボとしてはもっと腑に落ちる
これはチャ子ちゃん先生の勝手な考え方であって、万人がそう思うわけではない

能もやはり着るものの迫力がモノをいう
その布の動きを駆使した舞はさすが古典芸能の格の高さだと思った
ピアノの響きはジャズであっても、古典をしっかり学んだ方だけに、実に音色も美しく、姫君たちの気持ちの動きも音で理解できた

音を奏でる人が即光源氏であって、初々しい初恋を成就させる頃の衣裳、自信満々の青年期の衣裳、そして老いが近づいたころの光源氏の衣裳と、ピアノの音霊を身に受けながら、勝手に衣裳を夢想していたら演奏会はあっという間に終わってしまった
会が終わり
プロジューサーの福永邦昭さんにその夢想の話をしたところ、大いに気に入っていただいた
環江さんの作品を写真でお見せしたら
「着物の描く表現力」のすごさに皆さん感服

きものはこうして繋いでいける


コメント
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