電車の中で重い鞄を持っている二人の女学生を見て
席を動き二人分の席を開けた
目礼もなければもちろん「ありがとう」もない
お嬢様学校の制服を着ている
おじょうさま学校があるある駅から乗ってきた二人
坐ったとたんおしゃべりに夢中になっている
「ちょっとお話していい?」
「ーーーー」
「お家で朝のご挨拶なさる?」
「-ーーー」
「ご家族同士でおはようとご挨拶なさる?」
二人ともかすかに首を振り相手と顔を見あ合わす
「席を動いてお二人に席を開けたとき、ありがとうと言えたらおふたりともとても美しいお嬢さんとおもえたわ」
「アッーー」
「○○学校の生徒さんでしょう?お行儀がよくて、生徒さんたちが明るく憧れの女学校だったわ」
「あのーー気を付けます」
九州の田舎から東京に出てきたとき
都会の女学生たちの品の良さがまぶしかった
洗練された身のこなし、目線が合うとにっこり笑って目礼、言葉も美しく颯爽とした姿に見とれたものだった
制服に誇りを持っていて、とても清潔できびきびしていたな
高校の同級生の男の子たちが
「東京の女学生は美しいのう」
と感心していたが、そういうことをふと電車の中で思い出した
品がよかった○○女学校の学生たちも家庭教育から外れて今が在る
「家庭教育は挨拶から」
先日ある企業に引っこ抜かれた若い友人が
「朝挨拶しても誰からも返事がないの、其れだけでもう疲れる」
給料は安いけど前の小さな会社に戻って、思いきりおはようございますといいたい
「どんなに貧しい家にも花が生けてあり、子供たちが元気に挨拶してくれる、日本人は挨拶が美しい」
と褒められた日本の国いまいずこ