チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

子連れ狼

2020年07月23日 16時12分41秒 | 日記

今日の新宿は降ったりやんだりのお天気

冷房が苦手なのでこういう日はありがたい

チャ子ちゃん先生の夢をかなえてくださった橋本尚さんに感謝しつつ本の整理に明け暮れる

田中清子(元秋桜舎の経理で小姑ちゃん)が全面的に手伝ってくれて本当にありがたい

彼女こそが54年私をずっとそばで見続けてくれた人なので本の間から出てくる手紙や写真を見ながら話が尽きない

 

26日に引っ越しのサカイに頼んだ橋本さんの配慮で本は私どもが段ボールに詰めなくてもいい

渡す本と残す本、処分する本の山を三つ作ればいいので気が軽い

 

その中から「子連れ狼」全巻が出てきてしばし手が止まる

「これは処分だわね?」

「いやー図書室というのはいろんなジャンルの方がいらっしゃるのだから渡す方に入れましょう」

「いやーだナカタニサンはこんな本読んでいたんだわと思われるじゃあないの」

「読んでいたんだからいいでしょう?事実だもの、手に取る人いますよきっと」

「うん分かった」

 

小池一雄作、小島剛夕画の「子連れ狼」

この劇画をみて武士の世界をもと知りたいと思ったのは確か、武士の作法にも興味を持った。男の縦社会の美学も面白かった。そして着物の扉をまた一つ開いて男の着物のあれこれに突き進んでいった。いい意味でお師匠さんだったのだ

 

「キャッ初恋の人の本が出てきた!」

「なになに?大津皇子?」

「私の男の原点よ」

とまたもや延々と大津皇子がいかに素晴らしい人間であったかを得々と話して聞かせる。田中は昔から聞き上手だった。彼女には鼻膨らまして自慢話もする

これもまた大津皇子から持統天皇、天武天皇、天智天皇とさかのぼり聖徳太子の冠位十二階にたどり着いて、日本の色彩や飛鳥奈良時代の「美」に至り、そこを深く掘り下げる扉を開けて、飛鳥時代をうろうろしている時「風水」に出会った。この時代を深く研究したことで、今回の「アラタエ、ニギタエ」の原稿が書けたと思う

 

現在はスマホ一つで検索すればどこの扉も明けてもらえて知識が増えるけど、チャ子ちゃん先生の世代は重い扉をみんな必死で開けていたんだと思う

 

また本を書く人も編集者もみんな現場取材でそれぞれの立場で深く掘り下げ書いていた人達だったのだ。だから落丁していても中身は素晴らしいのでなかなか処分の山が高くならない

 

橋本さんは「処分などせず全部持っていきますよ、それだけ読みたい本がいっぱいありますから」とおっしゃってくださったけどーーー

明日は事務所の本の区分けだ

 

コメント
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