今日は涼しいというより寒い
袷を取り出したいと思うくらいだ
着物は同じ形なので何枚も重ねればいい
江戸時代までは着物は季節によって何枚も重ねていたのだ
そのためには糸が細くなくてはダメ
細い糸で織ったものを何枚も重ねたのだった
かなり前エルメスの洋服に凝っていたころ夏の麻のワンピースに重ねの形があり飛びついて購入
薄い麻糸のシンプルなワンピースを二枚重ねて着る
そうするとえり周り、アームホール、裾と重なりが出て何のデザインもないシンプルなワンピースに奥行きが出る
しかしクリーニングに出したら二枚分の料金を取られて面白くなく、それからは自分で洗うことにした、糊付けにフノリを使うと麻がみるみる生き返りいつまでも「真っ白」重ねをこのようにして扱う外国のデザイナーはすごいと思ったが、
「おぬしフノリの存在まで知らんだろう?」と優越感(威張ってどうするの?)
この重ねの着物の着方が廃れて久しい
廃れる一番の原因は糸が重くなったことだ
糸は動力機にかけると張力が強くて重くなる
やはり糸は手で引いた方がいいのだ
その証拠にまだ繭の中で蛹が生きている間に繭から引いた糸は1反400グラムあたり
蛹を高温殺傷して、動力機で糸を引くと800グラムにもなる
人間は自分の都合の良い方にばかり物事を考え、モノづくりをしてそれが文明だと意気揚々としているが、結局は不便なものを、窮屈なものを手に入れてしまうことになっている
東京博物館で「きもの」を見てからつくづく思うことが在る
日本人の遺伝子について これは特別なものらしい
日本人の不思議さについて これも他の国の人には考えられない思索を持っている
日本人を理解するのにはやはり着物を着ることが必要だとつくづく思う
そうでないと日本がわからん
というわけでチャ子ちゃん先生の「着物解体新書」着々と進んでいる
しかしね
「着物」というだけで本が売れないのだという
「着物」と講演の演題に付けただけで客足が遠のく
それは実感逆風の中でよく生き延びているとチャ子ちゃん先生に拍手を送りたい
着物が教えてくれたことを総まとめにした「オンラインスクール」もはじまる
アナログとレジタルでラストスパートをかけるよ、らんらん!