チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

和洋折衷

2015年12月20日 17時25分02秒 | 日記
和洋折衷は
日本人の最も好むところではないかしら
着物や帯の柄を見ていていつも思う
洋の雰囲気を簡単に取り込みそれがあたかもそこに昔からあるような雰囲気になる

着物の柄の場合は今だったらクリスマスバージョンを巧みに入れる
こういうこと室町時代から当たり前のようにできているので
日本人の消化力に驚くばかりだ

こういう感覚を持っている国民は総ざらにない

ある時更紗模の陣羽織を見て
圧倒されたことがある
室町時代のものだが
あのコテコテした柄をいとも簡単に陣羽織に溶けこましている

チャコちゃん先生はどうもアジア系が苦手で
更紗柄はくどいという感覚で遠ざけていたが
この陣羽織を見てデザインセンスの素晴らしさに改めて日本人の消化力を見た

亡くなった池田重子さんも更紗の扱い方が群を抜いていた
うまいし似合う

あのセンスはどこから生まれるのであろうか

建築でもそうだ
和洋折衷はどこかおしゃれな感じがする
和室ばかりの家に門のところの空き地を利用し洋室を作る
それだけで異空間の新鮮さが出たものだ

クリスマスの帯を見ながら
日本人ってやりきれないなあなどと感心している
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田畑 健さん

2015年12月20日 16時53分05秒 | 日記
今日は田端さんの出版パーテイにおじゃましてきた
喉頭がんでなくなったあとに出版された本
「ワタが世界を変える」地湧社

チャコちゃん先生の本「きものという農業 」三五館
を出版するとき
過去の話を書くのではなく
全て新しく取材をしようと思った
そうして驚いたことは「和棉」の生産量は「ゼロ」
という現実にブッつかった

きものの仕事を始めた40年前は
まだ山陰地方ではワタの栽培をしていたし
布団カバーや風呂敷を織っていた
「絹」に集中をしている間に棉の世界はとんでもないことになっていたのだ
大麻は栽培禁止
和棉の栽培はゼロ
絹は3%という現実は
日本の衣はこれからどうなるのかと憂いた

取材先がなく構成を考えている時千葉の友人宅の食卓にあった新聞をさり気なく見ると
なんと「千葉の鴨川で和棉の栽培を始めた方がいる」という記事が目に飛び込んできた
その場ですぐ電話をし住所をお聞きして
帰って本の趣旨を書いた手紙を投函した

心よく取材をお引受けくださって
早速伺う
自給自足を目指し生活は養鶏
若い時はマルクスにかぶれたがそれは自然法則に叶っていないことがわかり
インドに木綿の勉強にでかけガンジーと哲学に共鳴
そして自給自足の生活を始めた

そんな昔を思い出しながらパーテイの席に座っていた

奥様の美智子さんも二人のお嬢さんも大きくなって
父親の意思を継いでいる
日本を良くしようとしている人はもっと長生きしてほしい
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