My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

45 シングルアンプの製作(5) ~ロードラインを引く~

2021-01-14 10:58:58 | 真空管アンプ

球も揃ったので、ここからいよいよ机上で45シングルアンプの回路設計です。

まず、初段/ドライブ段6SN7と出力段45のロードラインを引いて、目標とする設計値を決めます。

 

(初段6SN7(1/2))

・変更ポイント:

 ①オリジナルのカソード電圧が1.7Vですが、バイアスがもう少し欲しい所です。

 ②動作点ももう少し右に移動させたい。

・変更後:

 ①動作点:Vp=70V、Vk=1.9V、Ip=2.9mAとしました。

 ②B電圧=250V デカップリングを入れて少し電圧を下げる事としました。

 ③ロードライン(イメージ)

 

(ドライブ段6SN7(1/2))

 オリジナルの抵抗値をそのまま使用します。

 ロードラインは、この様な感じになりました。

 バイアスは3~5Vが良いと読んだ事があるので、良さそうです。

 

(出力段45)

データシートを元に、2A3⇒45用に設計変更します。

真空管『45』は直線性が良い事で知られています。これを生かしたいと思います。

・変更ポイント:

 ①出力負荷(出力トランス1次側)を2.5kΩ⇒3.5kΩとします。

 ②プレート最大許容電力(Ppmax)がカソードバイアス(自己バイアス)時10W、最大電圧Epmaxが275V。

 ③カソード抵抗は1.5kΩ。

・変更後:

 ①B電源にシリーズ抵抗を入れて電圧を少し下げます。320~310V。

    2A3⇒45でIpが減少(60mA⇒34mA)するので、B電圧が上昇する事を考慮。

 ②ロードラインは以下の様な感じになります。

    Epmaxに対して余裕が有りませんので、B電圧を少し下げる必要があるかも知れません。

 

この電圧、電流条件が得られる様に回路設計をして行きます。

 

~つづく~

 

※なお、この投稿内容を参考にしたい人は、くれぐれも自己責任でお願いします。

 

 

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45 シングルアンプの製作(4) ~RCA 45 / 5X4G 球ゲット!!~

2021-01-13 12:34:19 | 真空管アンプ

45シングルアンプ用の球を手に入れました。

RCA 2A3のベースとなった球『45』です。直熱三極管。

ナス管の『245』や『345』も有りますが、お高いので、まずはST管の『45』です。

『245』は、『45』でしっかり音出しが出来てから、次の楽しみとします。

M型吊りヒーター(フィラメント)です。

RCA Cunningham / Radiotron ダブル刻印。カニンガム。このメーカーも憧れでした。

見た目もカッコ良い~!!! 

1935年製だそうです。今から85年も前の球!戦前ですね。

特性測定済(データ付)、動作チェック済の未使用品、且つ動作保証付きでした。安心ですね。

火を入れた時の姿を想像しただけでワクワクします。

SOVTEK 2A3と並べてみました。小ぶりで背が低いです。しかし重みが有ります。

 

同時期に、整流管『5X4G』も購入しました。

出力管が吊りヒーターなら、整流管も吊りヒーターで揃えたいので衝動買いしました。

赤い『NL』の印字がありますが、NLは商社なので恐らくSylivania製でしょう。

45に比べて、5X4Gのヒーターは太いです。逆V型の吊りヒーターです。

5U4Gと5X4Gは、ピン配が違いますが、特性は同じです。

ソケットの配線を工夫すれば、両方が使える様になります。

3-4ピン、5-6ピン、2-7ピンをショートすれば、どちらでも使える様になります。

なお、平滑回路へは8ピンから取り出し。

 

整流管は過去の経験から寿命が短いので、纏めて2本購入しておきました。

 

さて、球の準備が出来ましたので、いよいよ設計です。

 

~つづく~

 

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45 シングルアンプの製作(3) ~元機種の回路図展開~

2021-01-12 11:46:53 | 真空管アンプ

元機種SV-2A3の回路図展開をします。

回路図と各部の電圧値がないと、改造を始める事が出来ません。

オリジナルの回路図は、Webページから拾ってきました。

(オリジナルの回路図) 

これを今回入手した現物と比較しました。

 

(入手した現物の回路図と電圧) 

・増幅部

・電源部

前所有者によって手が加えられているのは、前回述べた僅かな部分です。

シンプルな回路構成なので、短時間で回路図に落す事が出来ました。

 

使用していて音質以外に気になる所が有りました。

電源オフ時に、スピーカーから必ず"パチッ!"と音がするのです。

使用上は支障無いかも知れませんが、高級感が損なわれ嫌なものです。

回路図を見ると分かるのですが、電源スイッチの周りにスパークキラー的なものが有りません。

上の回路図では、「実装なし」と書いてます。

これが無い場合、電源を切った時に電源トランスの逆起電力で、"パチッ!"と音が出るのです。

これを逃がしてやらないといけません。

電源トランスの1次側両端にスパークキラーを入れると、音質に影響が出る事が有るので、私は電源スイッチの両端に小容量のフィルムコンデンサを入れました。手持ちの0.01uF/400Vを入れました。

これで嫌な"パチッ!"音は出なくなりました。

 

~つづく~

 

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45 シングルアンプの製作(2) ~まずは元機種の清掃から~

2021-01-11 13:11:47 | 真空管アンプ

端子、ソケット類の掃除を始めます。

ついでに、トランスも一旦外して、中から使われていない配線を引き出します。

シャーシの裏蓋を外してみます。結構スッキリしています。

写真はブラシ掃除機で大まかな埃を吸い取った後ですが、配線の陰にはまだ埃が溜まっています。

前所有者が改造したと思われる所が若干見受けられます。

初段カソードパスコンを導電性高分子アルミ固体電解コンデンサに交換してあります。タンタルの様な効果を狙ったのでしょう。

B電源に100uFの電解コンデンサが追加してあります。電源を安定させるためでしょうか。

配線は結構綺麗にしてあります。サンオーディオさん組み立て完成品だったかも知れません。

 

まず、全てのトランスをシャーシから取り外し、隠して有った配線を引き出します。

2A3アンプなので、電源トランスの出力段ヒーター用AC6.3V、出力トランス1次側の3.5kΩは隠して有りました。

また2次側の16Ωも隠して有りました。使わない線は先端がビニールテープで巻いて有りました。

次に、全ての端子接点を掃除しました。RCA端子、SP端子、ACインレット、ヒューズ、真空管ソケット。

特に真空管ソケットはかなり酸化していて、真っ黒になっていました。

真空管ソケットUS8は、新品との交換も考えましたが、ソケット自体の外径穴が合わず、手持ち品ではシャーシから抜け落ちてしまします。

仕方ないので、メタルクリーナーと細綿棒で磨いた後、エタノールで洗浄しました。ピカピカになりました。

勿論、真空管自体のピンも綺麗にしました。

 

更に、各部の半田付けを確認し、怪しそうな所は追い半田。肝となる部分は半田吸い取り後、"ケスター44"で再半田しました。

特に、アース母線への半田付けで怪しい所(ルーズコンタクト)が有りました。

 

この状態でもう一度試聴してみます。幾分か歪感が後退した様な気がします。

 

半田『ケスター44』や『メタルクリーナー』は、Amazonでも買える事が分かりました。

 

メタルクリーナーは、これと同等品なら何でも良いと思います。

 

~つづく~

次は回路図展開と電圧測定です。

 

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45 シングルアンプの製作(1) ~元機種2A3の音を聴く~

2021-01-10 14:49:25 | 真空管アンプ

今年の計画で書いた様に、45真空管シングルアンプの製作経緯について、何回かに分けて投稿して行きます。

 

私は、シャーシ製作も含めて一から自作する様な技量は有りませんので、中古の機種を購入し、そこから改造して行きます。

ベースとなる中古機種の選定条件としては、優先順に以下です。

 ①デザイン:これ重要です!。デザインが良くないと音も良く感じませし愛着も沸きません。

 ②重量:20kg以下。移動やひっくり返しての作業を考えると、この重さが限界です。

 ③トランス:有名どころのメーカー品。特性の良いと思われる電源トランス、出力トランス、チョーク。

 ④基板を使わない、直配線。回路構成がシンプルである事。改造し易い。

部品類は、最低限トランス類だけでも使えれば良しとします。

そこで目を付けたのが、以前から気になっていたサン・オーディオのシングル・アンプキットです。

購入前にネットで調査したり、サンオーディオに直接電話して、仕様の確認をさせて頂きました。

ポイントは、電源トランスの仕様(出力系)、出力トランスの仕様(1次側仕様、2次側仕様)。

 ・電源トランスは、300B、2A3共用。出力管のフィラメント用としてAC2.5V系、6.3V系が有ります。

  300Bの時は、AC6.3Vからショットキーダイオードで整流して5Vを作るそうです。

 ・出力トランスも300B、2A3共用。1次側に2.5kΩと3.5kΩが、出力側に8Ωと16Ωが有ります。

これなら今後色々と改造や発展させる事が出来て楽しそうです。

そして今回購入した物がこちらです。『SUN AUDIO SV-2A3』。年代は不明ですが、かなり古そうです。

フロントパネルやツマミ類、電源フィルムコンデンサから見て、特別バージョン(周年記念)、或いは購入者で追加されたと思われます。

 

まず到着した状態の外観を確認します。多少キズや汚れが有りましたが良しとします。

刺さっていた球は以下。

 電圧増幅管:6SN7。メーカー不明。⇒どうせ交換するので不問。

 出力管:2A3。ロシア SOVTEK製。(写真左の2本)

 整流管:5U4G。ロシア SOVTEK製。(写真右の1本)

出力管と整流管はトランスよりも背が高い。見た目は気になりませんが、ひっくり返して作業する時に支障が有ります。

球を外してみます。あれれっ??? 2A3が180度回転して挿してある。

 ※UX4ピンは、フィラメント・ピンが太い。180度回転しても無理すれば刺さってしまうので注意が必要。

「音出し確認済」という事だったのだけど、どういう事?このまま通電したら球を壊す所だった。危ない!!

偶然にも通電前に球を外して助かった。。。

球を正しくセットして、いざ電源オン!。

入手した状態での音を確認、聴いてみます。初の直熱管です。ドキドキ。

出てきた音は、今迄の我が家のアンプには無い、何ともダイナミックで開放的な音です。これが直熱管、無帰還の音?

迫力があり音像は大きいけど聴き込むと何だか歪っぽく感じる。無帰還だから仕方が無いのか。耳が疲れる。

 ※私がその様に感じるだけかも知れません。あくまでも個人的な感想ですので悪しからず。

この音って、まさしく数年前にサンオーディオ秋葉原のショールームで爆音で聴かせて頂いた音に近い。

好きな人は好きなんでしょう。

しかし私の場合、今までとは違う音なので違和感さえ覚えます。私の好みには少し合いません。

 

この歪の原因は、接点等の汚れからくるものも有るかも知れません。

まずは、分解して綺麗にします。~続く~

 

完成までの道のりは長そうです。

 

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今年の計画。

2021-01-07 15:05:05 | オーディオ

少し遅くなりましたが、2021年新年明けましておめでとうございます。

今年は大雪の中で新しい年を迎えました。

さて、年初にあたり、趣味のオーディオの今年の計画です。

 

2A3シングルアンプ ⇒ 45シングルアンプ化。

 実は昨年の暮れに、新たな真空管アンプ『サンオーディオ製SV-2A3』の中古品を購入しました。

 購入の動機は、直熱管の真空管に挑戦し、その音を我が家で聴いてみたかったためです。

 傍熱管の真空管アンプは何台か所有し改造もして来ましたが、直熱管は有りませんでした。

 選定の理由は、デザイン、タムラのトランス、基板を使わない配線、初段・ドライブ管が6SN7(手持ちが多い)。

 そして回路構成がシンプルで、後々改造し発展させ易い事です。

 購入に至るまでは、仕様、回路図や内部配線などの確認を行いました。

 サンオーディオの内田社長にも電話で仕様の確認をさせて頂きました。

 突然の電話にも拘わらず、とても親切丁寧に教えて頂きました。有難うございました。

 購入した現物がこちら。

 ボンネット付きでした。

 SV-2A3は30年もの歴史があるアンプです。昨年は30周年記念モデルも発売されていました。

 購入した物が、いつの年代のものかは分かりませんが、内部の埃具合からして結構古い個体と思います。

 このアンプの部品、回路設計などを変更して、RCA 2A3のベースとなった45のシングルアンプへの改造を計画。

 さらには他の球へも挑戦しようと考えています。

 45シングルアンプは7割程度は完成していますが、詳細については追々投稿したいと思います。

 

KT-88プッシュプルアンプの改造。

 数年前に改造して音質改善を図ったアンプですが、今聴くと「今ひとつだなぁ~。」って感じが否めないです。

 ソフトンの出力トランスだけを生かして、他の球アンプに改造しようかと目論んでいます。

 基板も取り払って直配線とか。 4極管の6L6プッシュプルとかどうだろう?。

 

今年の計画は、今の所、この2つしか思い浮かびません。

 

 

ところで、昨日、今年初のCDを買いました。これが当たりでした。

なんでも、昨年リニューアルされたSONYの『極HiFi CD』らしく、音質も良かったです。

今でも密かにCDの改良を行っていたのですね。

『極HiFi CD』については、こちら。ピットの成形技術でジッターの改善を図っている様です。

CDの読み取り面も薄っすらとゴールドに輝いていました。

ヒラリー・ハーンについては、実際のコンサートに行った事も有りますが、「素晴らしい」の一言です。

クラシック自体よく分かっていない私でさえ「上手いなぁ~。」と感動しました。

私はクラシックはあまり聴きませんが、ボーカルとバイオリンだけは聴きます。

 

では、今年も実り多き年で有ります様に。

 

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