またまた、読者のコメントで知ったのだが、なんと、ペトル・ホボット氏のHPが閉鎖されてしまったらしい。日本でイベントやワークショップを開催していたスピリチュアル系の会社が、それを発表している。
ペトル・ホボット氏といえば、かなり有名な霊能者だ。日本では、浅川嘉富氏との対談本を出版して有名になった。注目すべき存在だっただけに、残念だ。
「アセンションは、近い将来には起きない」という発言で知られる。アセンションが起きない・・・というわけじゃないんだが、まだまだ、あと数千年もかかるんだそうな。
それを聞いた対談者の浅川氏は、血相を変えて詰め寄ったという。なんども執拗に問い詰めて、ついにホボット氏も折れたか、「近い将来のアセンションに関する肯定的な発言」を引き出すことに成功した。
精神世界は、百人いれば百通りの意見がある。関係者全員が、「近い将来にアセンションが起きる」と考えているわけがない。ここは、「へえ、そうなんですか」と軽く受けるべき場面だったかと思われる。
しかし、浅川氏ひとりを責めるわけにはいかない。筆者も、かつて坂本政道氏がアセンションに関する見解を修正し、「2012年に大変化が起きる」から、「2012年から大変化が始まり、あと何十年も続く」に変わったときは、それなりにショックを受けた(笑)。講演会の質疑応答で、「どっちが本当なんですか?」と問いただしたこともある。それに対する坂本氏の回答は、残念ながら忘れたが、「これには人それぞれの見方があり、知的存在もいろんなことを言ってるので、各自が信じたいほうを信じて構わない」という主旨だったように思う。
まあ、どちらにしても信じたところで仕方がないのだが、個人的には、やっぱり「2012年に大変化が起きる」のほうに考えが近い。・・・ていうか、2012年と言わず、今日か明日に起きてくれて一向に構わない(笑)。アセンション論者というのは、大なり小なり、基本的にせっかちなのだ。諸行は無常。なにごとも、時間がたてば、遅かれ早かれ変わるに決まっている。それが「近い将来に起きる」と考えているから、アセンション論者なのだ。
でも、アセンションは、予言ではない。もともと、「信じる、信じない」というような話ではないのだ。そもそも、アセンションは、誰かが起こしてくれるものではなく、われわれが起こすものだ。
かつてオウム真理教は、「ハルマゲドン(世界最終戦争)が起きないのなら、われわれが起こす」と宣言して、ロシアや北朝鮮から兵器を調達し、東京でクーデターを起こそうとプランを練っていた。なんとも物騒な話だが、終末予言が外れても平気の平左な人たちと比べたら、ある意味いさぎよいとも言える(笑)。
それは、宗教テロリストの話。ここで言ってるのは、もちろんそういうことではない。
われわれが意識を覚醒させることにより、世界が変容するのである。それが、アセンションの本質だ。「予言」というより、「予定」という言葉がふさわしい。
ただ、多くの人は「あと何十年もかかりそうだな」と思っている。
ちなみに筆者は、そんなにかかると思っていない。その最大の理由は、先日からシリーズ化して長々と書いてきた、「地球の意識進化の歴史はだんだん加速してきた。この流れからすれば、これから先はトンデモなく速くなるに違いない」という、歴史を観察してきた上での結論だ。
個人的には、長くてあと数年くらいで大きな変容を実感できるだろうと考えている。超巨大な赤色恒星が、時間をかけて徐々に崩壊し、最後の瞬間には一気に爆縮してブラックホールになるように、地球の歴史も、最後には驚くほど加速して一気に収束するだろう。
それが、人それぞれの解釈。ホボット氏の場合は、「あと何千年か、かかりそうだな」と思っているだけだ。ケタが2つか3つほど違うだけで、本質的な違いはない(笑)。これは、スピードの問題というより、目標とする到達地点をどこに置くかによっても変わってくるのだろう。つまり、何をもって「アセンションが実現した」と見なすかの違いだ。ペトル・ホボット氏の場合は、そのラインが高いのだと思われる。
まあ、どちらにしても世間一般の常識人にとっては、雲をつかむような話だ。もともと、深刻に考えるような問題ではない。
とにかく、いまの自分にできることといったら、自分自身の意識を覚醒させることだけ。ここは、せっせとヴィパッサナー瞑想をやって、観察をとぎすますのが一番だろう。もちろん、ヘミシンクでも座禅でもお念仏でも、各自がやりたいようにやって構わないのだが・・・。