いよいよ、明日がコルマン・インデックスでいう、「マヤカレンダー最後の日」こと2011年10月28日だ。とはいっても、世間の一般人の目には、何事もなく日常のひとコマとして過ぎてしまいそうだ。
でも、明らかに激変は進行している。各国の金融・財政危機は、先送りしてきた問題のツケが一気に噴出してきており、どこかで大きな調整が避けられそうもない流れにある。数年前の金融危機の頂点となった「2008年秋のリーマン・ショック」も、2007年春に欧州の金融機関がサブプライムローンで経営危機に陥ったことが発端となったのだ。この夏から秋にかけて欧州の金融・財政危機が再び表面化したことは、後から振り返れば、第2の危機の出発点と位置づけられる可能性が高い。
もはや、人々は経済成長をあきらめ、別のことに目を向けるしかない・・・というのが、コルマン博士の見立てだ。それは、世界中が日本のようになることを意味する(笑)。日本では、20年も続いたデフレのおかげで、この先の経済成長を期待する声がほとんど出てこない。もちろん、景気は常に循環している。悪くなったものは、いずれ必ず良くなる。でも、かつてのような経済の急拡大は、もはや期待できそうにない。せいぜい、右肩下がりのデフレ・スパイラルを食い止めるくらいが関の山・・・と見る人がほとんどだろう。
世界中の人が、こんな諦観に達すれば、経済成長の時代は終焉すると思われる。そう、諦観だ。それは物質的な繁栄に対する、アキラメから始まる。もちろん、それが良いか悪いかは、見る角度によって異なるのだが。
先日は、ある経済評論家が、「最近の日本の若者は、車は欲しくない、家も欲しくない・・・という人ばかり。外国の若者とは違って、車を買って彼女とデートに行こうとか、そういう燃えるものがない。こんな国の経済が発展するはずがない」と嘆いていた。確かに、そのとおり。もちろん個人差はあるとはいえ、全体として、これほどの諦観に達した日本人の意識。これじゃ、日本経済が発展するはずもないのは当然だ。でも、後になって振り返ってみれば、「やはり、新しい価値観への転換は、日本から始まったんだな」と位置づけられる可能性は、決して低くない。
ちょっと前までは、経済評論家氏の言うとおり、「こんな国の経済が発展するはずもない」と海外投資家に見切られた日本からは、投資が逃げていた。でも、今は流れが逆転している。バブル経済の繁栄を謳歌してきた欧米や中国の経済があまりにもヤバイ状況なので、相対的に日本の安定ぶりが際立ち、投資が集まって円高が進行している。巨大な財政赤字を思えば、日本経済もそのうち破綻する恐れが十分にあるのだが、こればっかりは相対的な問題だ。他の国との比較により、「一時的な避難所」と呼ばれ、投資家に重宝されている(笑)。このため、日本の金利が異常に低くてゼロに近いことなど、誰も気にしていない。変われば変わるものだ。
経済ばかりではない。気候も、相変わらず変だ。まだ10月だというのに、冬みたいに寒くなってきた。つい最近まで冷房をガンガンかけていたというのに、もう暖房が必要だ。日本では、春夏秋冬の四季がなくなり、夏と冬の二季しかなくなってしまった・・・と数年前から言われてきたが、それがますます定着した感がある。
タイの大洪水は、まだおさまりそうもない。チャオプラヤ川があふれて浸水した首都バンコクの風景が連日、報道されている。工業の集積が著しい地域だけに、世界経済への影響が甚大だ。いろんな業種で、生産計画の下方修正が起きている。これは、またまた環境破壊による「人災」と言われている。
コルマン・インデックスは、いわゆる終末論ではない。「人類の意識進化が完成し、統合意識が出現する」というのが、その主旨だ。進化した人類の意識が、地球環境の変容を引き起こすのである。「意識の進化」が焦点なのだから、気づかない人のほうが多いのは当然とも言える。でも、これだけの激変が起きているだけに、世間の一般人も、「何か変だな?」と思っている人は少なくないだろう。
本当に「意識の進化」が実現したかどうかは、これからハッキリしてくる問題だ。その意味では、マヤカレンダーはまだ終わっていないのである(笑)。