最近、「富士山大噴火 ⇒ 日本列島大地震説」が世間をにぎわせている。
ことの発端は、3・11大震災の4日後、富士山直下でカナリ大きな地震が起きたことだった。先日の本ブログでも書いたけど、江戸時代に起きた「宝永の大噴火」のときは、日本列島を巨大地震が襲った直後に、富士山での大噴火が誘発された。関係者はそれを連想して、思わず肝を冷やした・・・。
さらには、富士五湖を震源とする地震が先月(2012年1月)下旬から相次いでいる。「いよいよ来たか?」という戦慄が走った。asahi.comの記事によると、
>甲府地方気象台によると大震災以降、県内で震度1以上の揺れを感じる有感地震は減少傾向だったが、今年1月に23回、2月は12日までに5回を数えた。震度3以上の地震は1月だけで6回。うち5回は28、29日に集中した県東部・富士五湖を震源とする地震で、本震とみられる28日午前7時43分、富士河口湖町と忍野村で震度5弱を観測。震源の深さは約18キロ、地震規模を示すマグニチュードは5・4だった。
地元の観光業界は、「風評被害」を受けているという。富士山噴火説が流れて以来、登山客が減り、「行き先を日光に変えた」という人が続出しているらしい。日光と言えば、これまた原子力発電所の事故による風評被害で、外国人を中心に観光客が激減して閑古鳥が鳴いたので有名なところ。そんな日光が復活するのなら、悪い話じゃないんだけど・・・。富士登山の関係者にとっては、深刻な事態だ。
でも、気象庁その他は、この「富士山噴火説」を全面的に否定しているらしい。それには理由がある。というのも、富士山の周辺で地震が起きるのは、昨日や今日に始まったことではなく、いつものことだから・・・ということらしい。
>・・・一時は富士山噴火の関連を疑う空気も流れた。だが気象庁などは全面否定。この地域が震源の地震は過去10年で53回あり、多発地域として広く知られているためだ。
>実は県東部・富士五湖を震源とする地震は多い。気象台によると2002~11年に年に3回(02、07、10年)から最多で8回(05、11年)。今年は2月までにすでに21回を観測したが、地震がない年はない。「地震が多い地帯」が定説だ。
>地質学が専門の輿水達司(さと・し)県環境科学研究所特別研究員は・・・「いつ起きてもおかしくないところで地震が起きたというだけのこと。震度5弱の地震の震源は浅く、富士山からも遠く離れている。低周波地震や傾斜計に異状もみられない。富士山の噴火に関連づけることは論外だ」と指摘。「500万年前から地震が起きていた可能性もある。日本列島の成り立ちを正確に知ることが大切」と話す。(床並浩一)
つまり、これらの専門家諸氏によれば、富士山の周辺は、昔からいつも地震が起きているところ。最近の「噴火説」は、しょっちゅう起きている地震をたまたま取り上げて、「これは悪い前兆なのだ~!」と騒いでいるだけ・・・ということになる。
真実はどこにあるのか、それは分からないが、まちがいなく言えるのは、「富士山は、いつ噴火しても不思議はない」ということだろう。ただし、時期は未定。ひょっとしたら今年かもしれないし、300年後かもしれない・・・。
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