宇宙のこっくり亭

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“怪僧” 池口恵観氏、朝鮮総連ビルの購入を断念

2013年05月11日 | こっくり亭日記

売りに出ていた朝鮮総連の本部ビルを落札した、かの“怪僧”こと、池口恵観氏。政財界やスポーツ界など、多くのセレブ信者を持つことで有名な、「炎の行者」だ。

でも、懸念されていたとおり、45億円の購入資金を、期日までに調達できなかったようだ。朝鮮総連ビルの入札は、やり直されることになった。

東京・千代田区にある朝鮮総連の本部ビルは、国交のない日朝関係の中で、自他ともに認めてきた「事実上の大使館」。なんで、そんな重要な拠点を売りに出すハメになったのか。もちろん、北朝鮮も、売りたくて売るわけではない。競売にかけられてしまったのだ。

ことは、1990年代のバブル崩壊にさかのぼる。朝鮮総連の傘下には、「朝銀信用組合」と呼ばれる金融機関が、各地にあった。でも、日本のバブル景気に乗って、不動産融資をイケイケドンドンとばかりに膨らませた朝銀は、その後のバブル崩壊で、次々に破綻した。「社会主義国のくせに欲張るからだ」と言いたくもなるけど、この時代の日本は、右を見ても、左を見ても、誰もがそんな調子だったのだから仕方がないとも言えるだろう。

朝銀にとって大口融資先だったのは、朝鮮総連。早い話が、朝鮮総連は、傘下の金融機関から多額の借金をして、返せなくなってしまったのだ。でも、そんな金融機関を、日本の銀行その他と同じように救済することには、日本国内の批判が集まっていた。整理回収機構は、破綻した朝銀から、朝鮮総連への債権を買い取り、債権者となった。朝鮮総連は、これらの債務をどうすることもできず、本部ビルを競売されることになった。

 

でも、北朝鮮にとって、日本はかけがえのない資金源だ。その日本における最大の拠点を残したい・・・といって、北朝鮮政府が泣きついた相手が、怪僧・池口恵観さんだった。

 

怪僧は、以前から何度も北朝鮮を訪れては、親交を深めていた。偉大なる領袖・金日成の姿をかたどった千手観音を奉納したり、とても親密になっていた。ある日、政府の高官から、「朝鮮総連本部ビルは、事実上の大使館なのだ。その競売は、北朝鮮への宣戦布告とみなす」と言われたらしい。そこで、「大変だ」と思った恵観さんは、本部ビルを買い取って、ひきつづき賃貸することにしたという。

前回、この話題を取り上げたときは、信者さんから、「恵観さんは、日朝の平和友好のためにガンバっておられる偉い坊さんなんだぞ。“怪僧”とは何事だ。バカ、アホ、死ね、クズ」という怒りのコメントが寄せられた。

確かに、そうなのかもしれない。恵観さんは、一見、得体の知れない怪しい教祖に見えるだけで、実は本当に良い人であり、極東平和のために奮闘しているだけなのかもしれない。そこまでは、分かりかねる。

5億円の保証金を積んで朝鮮本部ビルを落札した、恵観さんの宗教法人・「最福寺」。でも、売買契約を結んだからといって、期日にキチンと決済できるとは限らず、契約がお流れになることも少なくないのが、不動産取引の常。恵観さんは、残りの40億円を、なんとかして調達しなければいけなかった。

金融機関や商社など、5社が融資相談に応じ、うち3社が「融資OK」と言ってくれたらしいのだが、直前になって態度がコロッと変わり、「やっぱり、ダメです。融資はできません」となったんだそうな。

寺の関係者は、「監督官庁から圧力がかかった」と主張している。確かに、日本での北朝鮮の影響力を削ぎたい日本政府が、「カネを出すな」と圧力をかけた可能性は否定できない。ひょっとすると、アメリカ政府の意向なのかもしれない。一時は、「この買収には、国交のない北朝鮮とのパイプを維持したい安倍首相もからんでいる」というウワサも流れ、週刊誌にもそう書かれてたけど、やっぱり、そうじゃなかったみたいだ。

でも、国から圧力がかかったとは限らない。銀行の上層部が、空気を読んで(?)、みずから引き下がった可能性も十分にある。なにしろ北朝鮮は、これから、いよいよヤバそうな国。有事の際には、朝鮮総連本部ビルにも何らかのトラブルが起きる可能性がある。わざわざ火の粉をかぶるリスクを背負ってまで、是非とも取り上げたい案件じゃないだろう。

 

残念ながら、保証金の5億円は没収されてしまった。この「保証金を提供したのが誰なのか?」というのも、盛んに取り沙汰されていたのだが。まあ、多数のセレブ信者を抱えていることで有名な人だけに、このくらいの金額なら、なんとかなったのかも。でも、さすがに、「捨てガネでもいい」と言えるほど小さい金額ではないだろう。

朝鮮総連は、また危機が振り出しに戻った。再び、これほど心強い協力者が現れる可能性は、あまりにも低い。退去せざるを得なくなった場合は、東京・文京区にある「朝鮮出版会館」に本部移転するんじゃないかと言われている。

 

北朝鮮が外貨を調達する手段としては、他に「朝鮮貿易銀行」の外貨取引もあったけど、これもアメリカ政府によって「取引禁止」にされて以来、ドンドン包囲網がせばまっている。

数日前には、中国の国営銀行から、朝鮮貿易銀行の口座を閉鎖されてしまった。最大の後ろ盾になっていた中国政府でさえ、アメリカの意向を無視できず、経済封鎖に参加せざるを得ない状況。

ずっと、「いよいよヤバイ」と言われつつ、倒れそうで倒れないのが北朝鮮だけど(笑)、今度こそ、いよいよ本気でヤバそうだ。

2013年こそは、極東に激動が起きる年・・・(!)。

 


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