「誰もが、お金のために働く必要はなくなり、好きなことをして生きていける。それでいて、必要なものは誰かがボランティアで提供してくれるので、足りないものは何もない」という世界こそが理想。それこそ、「お金のない世界」だ。
でも、「貨幣という制度を廃止すれば、そういう世界になる」というのは、むしろ逆ではないかと思う。つまり、「そういう世界が実現したら、貨幣を廃止することができる」のであって、順番が逆になるとは思えない。
例えてみれば、飛行機や自動車では、ときどき事故が起きる。最近は、某国で船がひっくり返る事故もあった。
これを見て、「交通機関を廃止して、原始人の生活に戻るべきだ」と考える人もいるだろう。でも、それが理想かと言ったら、それは違うんじゃなかろうか。
理想は、事故が起きないくらい、交通機関が進化することだろう。現に、飛行機は進歩して墜落しにくくなっているし、自動車も、人工知能が進歩して、運転をまかせられる日が近づいている。
交通機関があれば、人間の活動範囲はグッと広がり、それだけ自由な世界になる。それに比べて、原始人の世界は、移動できる範囲がとても狭くて、誰もが、生まれた場所に縛りつけられることになる。
でも、原始人だって、放っておけば、すぐに船くらい発明する。海に魚を取りにいって、そこで遭難するようになる。馬に乗ったって、落馬事故は起きる。
究極の解決方法は、地球人類が超能力を開発して、空を飛んだり、テレポーテーションできるようになることだろう。それこそ「どこでもドア」みたいに、どこにでも瞬間移動できるようになれば、交通機関など必要なくなるから、交通事故の問題は最終的に解決する。
だけど、それは、「車や飛行機をなくせば、実現する」というような問題ではない。それ以前に、人類の進化というか、地球の物質世界そのものの大変化が必要だ。そうなれば、あらゆる交通機関を廃止することができる。決して、その逆ではない。
筆者が見たところでは、「貨幣を廃止すれば、理想社会が実現する」という話も、この論法に近い。つまり、人類が進化し、地球の物質世界そのものが大変化すれば、そこで初めて貨幣を廃止できるんであって、順番は決して逆にはならない。
それよりも、上に書いたような、「飛行機や自動車が進化して、もはや事故が起きるようなレベルではなくなる」というほうが、ずっと手の届く範囲にある。
お金の問題もそれと同じで、経済をもっともっと進化させれば、お金に困って餓死者やホームレスが出るような社会ではなくなる。そのほうが、遥かに実現に近い。
このように、地球が抱えている問題の多くは、まだ科学や経済が未熟だから起きていることだ。地球人類は、原始人から文明人に進化して、まだ日が浅い。だから、仕方がない。
飛行機がときどき墜落するのは、まだ地球人類の飛行技術が、完成の域に達していないからだ。もっと進化して、究極の飛行機ができれば、事故なんか起きない。
それと同じように、おカネが足りなくて苦しむ人が多いのは、地球人類の経済社会が、まだまだ未完成で発展途上だからだ。おカネやモノを配分するシステムがもっと進歩し、洗練されてくれば、おカネやモノが社会の隅々まで行き渡り、誰も苦しまなくなる。
現実に、今の世界を、50年前や100年前と比べて、どうだろうか。飢えで苦しむ人や、ホームレスで凍える人は、格段に減っている。500年前や1000年前と比べたら、その差は、さらに歴然としている。
日本では人口が減っている。人口が減れば、それだけ、空き家が多くなっていく。家がさらに余るようになれば、ますます、ホームレスになりにくい社会になるのは確実だ。人口が減れば、食糧も余る一方。これは、人口増加と、それによる現代社会の巨大化に悩まされてきた人類にとって、大きな福音だ。
人間は、なんたって衣食住が基本。この、生活の基盤となるところで、何も心配する必要がなくなれば、それだけで経済問題の多くが解消される。
衣食住だけではない。バーチャル・リアリティが発達して、旅行しなくても行った気になれるし、遊園地に行かなくても、ジェットコースターに乗った気になれる時代だ。多額の費用をかけて移動する必要は、ますます無くなった。引きこもりのニートでも、世界旅行者になれる時代なのだ。
そうやって、一つ一つ、経済問題は解決に向かっていく。解決まで、意外と手の届く範囲にある問題が多い。
・・・とは言うものの、それでは納得できないという人も、当然いるだろう。地球人類の文明が進化するのを、待っていられない。一日も早く「お金の要らない世界」を実現したいと、先を急いでいる人たちもいる。その気持ちは、よく分かる。
まだ理想にはホド遠いとは言うものの、地球の文明は大変な速さで進化している上に、ますます進化が速くなっている。意外に早く、経済問題が次々に解決されるだろう。
実際のところ、あと数年くらいでも、かなり大きく変わるだろう。
向上心に満ちていたものが、突如、行き場を失ってしまった感覚にとらわれたり
自分は何にも出来なかったという反省にさいなまれたり
実はシフトの兆しなんですけどね。
それは、頑張ってやり遂げようとしている自己(自我)が消え、事が自然に起きている境地への移行です。
う~ん、たしかに無理があるけど、そのくらいが理想ですね(^^)
とにかく、原始人が大好きでして(笑)
(おッとそれではまるで◯ウムがやりたがったことだった。失礼失礼。)