「みんないるよ、ブンちゃん見てる?」
1989年、ブンちゃんこと分家義博さんが
病に倒れ、他界してから早くも20年が経ちました。
元気だったら今年で60歳です。
富山県新湊市出身、
「ブンの店」の主から
CM音楽の仕事に転向し、
脂がのり始めたところでした。
人生半ば、39歳という若さ、
どんなにか、悔しかったことでしょう。
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野球部「新宿ブンブン」
さて、「ブンの店」には、すてきな常連客と
その常連客が部員の野球部がありました。
広告、映画、音楽業界、出身校日芸のOBの人たち。
よく言えば個性的、早く言えばわがままな面々が、
野球という少年の夢で、
同等に、ひとつにまとまっていました。
いや、ブンちゃんが
男気としゃれでまとめていたような気がします。
なにか問題があっても
口癖は「しゃれ、しゃれ」。
実に面倒見のよい人でした。
男子も女子もみんな、甘えていました。
そうそう、女子のお客の多いお店でした。
お客といえば、
店主とお客の線引きがなく、仲間でした。
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「ブンと呑もう会」
そんなブンちゃんの人柄を懐かしむ人は多く、
GWが終った土曜日、
「ブンを囲んで、みんなで呑もう!」と、
作詞家・荒木とよひささんをはじめ、
多くの仲間が発起人となり
「ブンと呑もう会」が催されました。
日時=2009年5月9日16時~19時
場所=六本木 「ABBY ROAD」
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入場し、受付で手渡されたのは「ぶんぶん文聞」。
1977(昭和52年)~1988(昭和63年)までの
103ページからなるブンちゃんお手製の新聞を
集めた冊子。
発起人のみなさんの愛情のたまものです。
写真は、MVPトロフィー。
イラストレーターあだっちゃん(安達忠良さん)作の木彫。
MVPを獲得した選手の家に1年間飾られます。
第1号のトロフィーは、ブンちゃんの棺に納められました。
このトロフィーは、何作目かな。
ブンちゃん亡き現在も、新宿ブンブンは続いています。
ページをめくってみましょう。
合宿のお知らせ。
合宿では(真剣~くだらないものまで)いろんな事件があり、
合宿後は、それをネタに「ブン」の店は、大笑いでした。
キャンプ携帯品、読めますか。
すべて、ブンちゃんの創作、手書きです。
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さて、会場の「ABBY ROAD」。
記帳をして受付からのぞくと、満員でした。
80人以上集ったとか。
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この世に20年も留守してて、
この人数集めるなんて、
すごいよ、ブンちゃん。
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司会は、徳光次郎(和夫さんの弟さん)さん。
司会だけでも笑える、お笑いの会、
いえ、偲ぶ会のスタートです。
大、大音痴のあだっちゃんが
「好きになった人」を歌っています。
ブンの店で、歌手といえば、
そりゃぁもう、あだっちゃんです。
仲間のごあいさつの合間、合間に、
ビデオには、在りし日のブンちゃん。
草野球の練習、試合風景、
前夜、深酒してるのに、
容赦ない星野コーチ死の1000本ノック、
大島、伊豆、千葉あちこちの野球合宿風景、
家庭生活、音楽を担当したコカコーラのCM、
元気でなつかしい姿を、画面でしのびます。
右端は、ブンちゃんの愛妻・分家真理子さん
(歌手の槙みちるさん)。
わたしの左は、ご存知「しの」。
しのも、日芸OBです。
写真右から
美しく成長した2人のおじょうさん。
かなちゃん、うみちゃん。
20年前、幼稚園児と2歳児でした。
そして、仲間の、
あきもっちゃん、さなえちゃん。
荒木とよひささん、上廣秀明(うえひろ)さん。
相変わらず冗談連発の荒木さん。
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若いころから親分肌、きめ細やかに気がつき、
面倒見のよい上廣ちゃん。
20年ぶりに、昨秋から再び上田正樹さんのマネジャーです。
思い出話から、
「コカコーラのCMソングの録音、
ニューヨークでした。
分家さん(ブンちゃん)、上田さんと僕、
一緒に行ったんですよ」
そうだった~~、
嬉しそうだったブンちゃんの顔、思い出しました。
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下の写真は、
日芸の先輩、放送作家高田文夫さんと荒木さん。
「入試さ、
俺んときローマ字書けたら合格したよ」
「えっ、そう? 難しいじゃない。
俺んときは名前ひらがなで書けたら合格」
別々の場所に座っていて、打ち合わせもないの
に舞台に上がれば、お2人の掛け合いトークは
終始大爆笑。
やっぱりね、さすがです。
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トリは、愛妻みちるちゃん。
紺のジャケット姿で舞台に登場。
ごあいさつのあと歌ったのは「星に願いを」。
When you wish upon a star
みちるちゃんの歌う曲のなかで、
ブンちゃんはこの曲がいちばん
好きだったのだとか。
ブンちゃんに届けてるかのように、
キーボードだけで、しみじみ歌います。
写真、撮り忘れるくらいすてきでした。
みなさん、目がシバシバ、シバシバ。
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2次会。
会場は「鳥よし」
24人流れます。
「ブン、呑もう!」
献杯。
荒木さん、ごちそうさまでした。
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3次会。
会場は、「416」
当時と同じ馬鹿話で大笑い。
何度も何度も見て聞いた、
みんな知ってる話なのに、
おかしい。
おかしくておかしくて・・・・。
「それでさ、あいつがさ・・・」
「そうそう、そうそう!」
きりがない・・・・・・・・・・・・・。
ず~~~っと笑って、
気がついたら、翌朝に。
いつものように、前田選手、寝はじめました。
(前田選手のシャツは、新宿ぶんぶんのユニフォームです)
「楽しかったなぁ、また、会おうよ」
「くっだらない話、まだまだあるもんね」
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帰りの車中で、みちるちゃん、
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「今日のこのジャケットさ・・・
ブンのジャケットなの。
洋服ダンス開けたとき、
ブン、
みんなと一緒にいたいだろうな、
そう思って着てきたの」。
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みちるちゃんからお便りが届きました。
(前、中略)
ブンは私の前では結構、関白で、またダメなところもありました。
でも、大人でした。
男でした。
この生まれっ放しのような私を手なずけてましたから。
私はブンが大好きでした。
彼に会いたいです。
でもブンは私や娘達だけのブンじゃないってこと
つくづく先日の会で痛感しました。
荒木さんにも同様のこと言われました。
本人はきっと苦笑いしてるでしょうね。
あの会を機に、私は、
これから、この先、アーティストとして自分のやるべきことを
きちんとやっていかねばと改めて思いました。
(後略)