きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「静かな町 壊さないで」 都財政圧迫 外環道

2013-06-12 22:27:23 | 政治・社会問題について
「静かな町 壊さないで」 都財政圧迫 外環道
1メートル1億円・3キロ分=認可保育所3万人分+特養ホーム2万人分
建設中止、福祉充実を


東京都を真っ二つに分断し、住民の健康や自然、街並みを壊す巨大公共事業が進められています。猪瀬都政の重点政策「アクションプログラム2013」に盛り込まれた東京外郭環状道路(外環道、練馬-世田谷間)です。1層つくるのに1億円かかるなど東京都の財政を圧迫する、都議選(14日告示、23日投票)の重大争点です。予定地を歩いて沿線住民の思いを聞きました。(本田祐典)


市街地をつぶしてつくる、外環道東名ジャンクション予定地=東京都世田谷区

乱開発をまぬがれた昔ながらの商店街と、緑に囲まれた閑静な住宅街―。東京都練馬区の西武線上石神井駅周辺は、良好な環境で住民から愛されてきました。
在住のイラストレーター、八田愛さん(48)は、「低層で落ち着いた雰囲気が、すてきでしょう」と町を案内します。住宅街の路地にはのんびりと散歩するお年寄りや、ベビーカーを押す若い母親の姿も。
この町が外環道でバラバラになると、八田さん。7年前に購入した自宅から歩いて2分ほどの住宅や商店が立ち退きを迫られます。
周辺にはインターチェンジや、排ガスを吹き上げる高さ20メートルの塔も。閑静な住宅街は一変し、「インターチェンジにのっとられ、排ガスと騒音に苦しむ町」(八田さん)になります。



「こんなムダな道路はいらない」と外環道の計画図を示す、八田さん

4人家族で28万円
1級建築士で、「市民による外環道路問題連絡会・三鷹」事務局の西島正樹さん(54)は、外環道の事業費を、都民1人あたりの負担に置き換えて計算してみました。すると―。
「赤ちゃんからお年寄りまで都民1人あたり約7万円、4人家族で28万円の計算です。さらに、都民以外の国民は1人あたり約6千円。とんでもない額です」
西島さんは、建設目的にも疑問を投げかけます。外環道が出来上がる2030年ごろは日本の人口が1割減少(国土交通省の人口予測)する見込みで、「人が減って車も減るなら、建設の必要はない」と考えるからです。
「東京の水源地帯に、世界最大の地下トンネルを掘る。しかも、人の住む家の真下です。こんな世界に例のない道路よりも、福祉や命を守るために投資すべきです」
建設は現在、どの段階まで進んでいるのか。




「町会に相談なし」
国と都は昨年9月、外環道の南端、東名高速とのジャンクション予定地(世田谷区)で着工式を強行しました。式典には、都議会で建設を推進する自民、民主、公明の各党都議らが出席しました。
東名ジャンクション予定地を訪ねると、住宅街に接した一角に工事車両が出入りします。トンネルを掘る機械を地下におろすため、深さ約70㍍にもなる縦穴をつくります。
周辺は畑などの緑も点在する住宅街。虫食いのように、フェンスで囲った買収済みの用地が目に付きます。
「いまはまだ小さな工事現場だが、どんどん膨れ上がって町をのみ込んでしまう」と、世田谷区民でつくる外環道検討委員会の代表、金子秀人さん(65)。
住宅街をつぶすジャンクションは、東京ドーム約3個分の13万平方メートル。「地域住民に情報を伝えず、工事を進めている。『気づけば、外環道がすぐそばに』となりかねない」
予定地近くの畑で出会った男性(84)も、収穫したタマネギの泥を払いながら、「このあたりの町会に建設の相談はない。苦労して都会の緑を守ってきたのに…」といいます。
畑の一部を外環道に取られ、残る畑や自宅も排ガスの吹きだまりに。畑の土がついた手のひらを見せ、「この土に力をもらって生きてきた。でも、外環道ができれば、子どもたちは出て行くでしょう」。

【共産党主張】
外環道わずか3キロ分の事業費で、都民が切実に求めている認可保育園3万人分と特養ホーム2万人分が整備できる―。
4日の都議会本会議で日本共産党の、かち佳代子都議(大田区)は外環道建設の中止を主張し、子どもやお年寄りを大切にする施策の充実を求めました。
「外環道の建設による環状8号線などの渋滞解消効果はわずか」と、巨額の投資で高速道路をつくる必要性がないことを示し、福祉・暮らしを最優先にする都政への転換を訴えました。
自民、民主、公明などの各党は、いずれも外環道推進を主張しています。(表参照)


【自民党】
交通渋滞の解消、まちづくりの促進などに対する地元の期待は高まっている(10年12月7日、高橋和実都議)
【民主党】
我が国の発展を支える重要な道路(12年9月25日、斉藤敦都議)
【公明党】
都市機能のライフラインとして不可欠(12年3月27日、吉倉正美都議)
【みんな※】
外環道青梅街道インターチェンジのフルインター化に向けた検討も引き続き並行して行うよう、強く要望(07年2月16日、野上幸絵都議)
【維新※】
地下本線の整備については推進(10年5月27日、栗下善行都議)

各党とも外環道建設を含む13年度都予算に賛成。※は、民主党在籍時の発言

【東京外郭環状道路(練馬~世田谷間)】
東京都練馬区から世田谷区まで南北16キロの道路。七つの区市の地下に、直径16メートルの巨大トンネル2本を通します。地上には、練馬区から三鷹市まで市街地をつぶして幅40メートルの道路をつくる計画です。総事業費は、地上・地下あわせて約2兆円。ムダと批判されている諫早湾干拓事業の7・5倍に匹敵。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年6月9日付掲載


地図で確かめてみたんですが、東名高速の首都高速の入り口あたりから、中央道を横切って関越道の入り口まで伸ばすってことですね。
東京外環道の北側は三郷~川口~練馬まで出来上がっているので、それにつなげるって事もあると思います。
いわゆる「ミッシングリンク」の解消ですね。
でも、このルートの高速道路でのアクセスの必要性がどれだけあるかってことです。
費用対効果をみて、やめるべきです。

地下に道路を通さないといけないってことは、それだけ自然が残っていて、住宅街の中を走るって事です。近隣にはひちろ美術館もあるようですね。

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アベノミクスの落日 家計か... | トップ | 参議院選挙と兵庫県知事選挙... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
子どもたちは出て行くでしょう。そしてそこが故郷になるんだからいいぢゃん。 (あんたの何世代にもわたる子孫未来のことを考えよ。)
2013-09-08 06:29:37
渋滞解消のために利便性に社会的にも外環はあった方がよい。


外環の便利を享受し、未来を生きるのは『今だけ生きている反対住民』ではない。

外環の利便性を享受するのは今だけ生きている反対住民の『何世代にもわたる子孫』だ。

今反対住民がこのことを理解して移転すればの反対住民の何世代にもわたる子孫にわたって交通インフラの便利を享受できる。

20年前に反対住民が移転を決めていれば今頃反対住民の子供や孫さらには日本社会が外環東京区間の利便性を享受できていたのに。


外環を作らなければ反対住民の子孫が不便を継承する。

現世代だけ生きている反対住民の『ここに住みたい・ここをうごきたくないという』という固執は未来に何世代に生きる子孫には関係ない。
とっととどいた方が子孫はより便利な社会で生活できる。
今しか生きていない反対住民が土地を渡せば、未来何世代にもわたる子孫が利便性を享受できる。

今しか生きてない住民が移転して新しい土地に住めば、何世代にもわたる住民の子孫はその土地が故郷になる。

それができなければ反対住民の子孫は不便な社会のまま生きなければならない。
Re)子どもたちは出て行くでしょう。そしてそこが故郷になるんだからいいぢゃん (きんちゃん)
2013-09-08 20:55:38
利便性だけを考えれば、道路は作る方が良いという結果になるでしょう。
でも、だれにとっての利便性?、費用対効果はどうか?
なんて考えれば、住民にとっての利便性ではないと思います。
物流にかんしても、結局は高速料金への負担がかかります。
Unknown (返信ども。)
2013-09-08 21:29:34
利便性→東京外環の予定位置は大動脈で重体のある環八と並行し、地方の作ったけど通りませんという道路とは違い、必要とされないか?

外環東京という東名・中央・関越・東北を結ぶ大動脈道路は周辺住民の利便性のためだけに作られるのではない。道路を往来する社会全体のために作られるものではないか?

払う金を持っている奴が高速料金を負担して乗ってくれれば一般道の渋滞解消・時間短縮にならないか?
常に金を払って高速に乗らなければならないのか?
急ぎたいときだけ金を払って乗ればよくないか?

外環を作らないことは、移転しなければならない住民の何世代にもわたる未来の子孫までも利便性を享受できずに損していることになる。

東京オリンピックが決まって一番うれしいことは、外環の開通可能性が大幅に高まったことだ。
首都圏の鉄道建設優先させよう (鉄道冷遇を許さない市民の会)
2015-09-18 19:21:39
確かに外環道の建設は今すぐ中止するべきです
高速道路やたらめったら建設する金あるなら
JR中央線の三鷹~立川間の複々線化推進や
JR羽田新線に投資すべきです

鉄道より自動車の方がCO2排出量多く、有害な大気汚染物質も排出するので
なるべくマイカーの需要を減らす政策をたてるべきです

鉄道なら運賃払えば誰でも利用できますが、
自動車の場合はそうは行きませんから日本政府そのことをちゃんと考えて頂きたいです
政府のマイカー優遇、鉄道冷遇政策の腹立たしいです
持続可能な経済成長に向けて (エコピープルNo1)
2015-10-10 07:43:57
確かに今の時代に生きる人にとっては「必要と思う人」と「不要と思う人」がいるでしょう。「双方が意見交換をすること」は間違いではありません。環境への配慮や反対意見を無視することはよくないと思います。
しかし反対することによって建設ができないというのはおかしいのです。「作るのも利用するのも権利がある」のです。反対する人は「不要で利用しない人」なのでしょう。「必要で利用する人もいる」のにそういう意見が反映されないのはおかしいと思います。そういうことをちゃんと理解するべきでしょう。
Unknown (通行人)
2023-10-07 14:43:31
頭おかしいの?目の先ばかり考えて次世代にインフラさえ残す気のない、強欲で害悪なお歴々。

コメントを投稿

政治・社会問題について」カテゴリの最新記事