きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

米軍展開のフィリピン② スービック「再基地化」

2013-09-23 20:07:11 | 国際政治
米軍展開のフィリピン② スービック「再基地化」

米軍ローテーション展開で最も利用価値が高いとされているのが、ルソン島西部で南シナ海に面した元米海軍基地のスービック港です。13日に訪れてみると、2隻の米軍艦船が補給、修繕のため停泊中でした。




補給のためスービック湾に停泊中の米軍艦船=9月13日

9万人が働く場
フィリピン上院は1991年に米軍基地使用の新協定を否決し、スービック湾の米海軍基地が翌年、返還されました。跡地は経済特別区に指定。フィリピン政府は「観光、工業、商業、金融、投資のセンター」を目指す開発を進め、現在、約1500の企業が進出し、9万人のフィリピン労働者が働く経済特区に成長しています。
スービック行政長官のガルシア氏は「軍事施設から経済地区へ転換した成功例だ」と胸を張ります。世界各国からの視察も絶えず、沖縄の視察団も何度か訪れました。
世界的に注目されている経済特区が再び事実上の軍事基地になれば、スービックの「成功」に傷が付くのではないか―。


【米軍基地なくして雇用倍増 フィリピン・スービック米軍基地】2010.7.9記事参照


ガルシア行政長官

ガルシア氏は「そうは考えない。訪問米軍地位協定に基づいて、すでに米軍艦船の寄港はあるが、経済特区は順調に発展してきた。地元の経済界も米軍の寄港が増えれば経済活性化につながると期待している」と言い切りました。
地位協定の規定により、米軍は港湾の利用料をいっさい支払いません。それでもガルシア氏は「米軍からお金は落ちないが、特区の道路、電気、水道などのインフラは米国の支援で整った。米軍の寄港は特区に寄与している」と米軍増強を歓迎する姿勢です。
スービック湾ではフィリピン空軍と海軍の増強計画も進んでいます。湾の深さは大型艦船の停泊が可能で、経済特区内にある国際空港は商業利用が途絶えた状態。南シナ海をにらんだ位置にあるだけに、「国防力の強化」にとって格好の条件が整っています。
フィリピン軍のガルベス報道官は7月29日、現地メディアの記者会見で、「スービックにある既存の施設を考えれば、それほど手間はかからない。さらに戦略的に極めて重要な位置にある。空軍と海軍にとって完壁な地域といえる」と述べました。

米軍増強の一部
元フィリピン国防大学教授のバンライオイ氏は.「米国はアジア重視政策として兵力配置の『再均衡(リバランス)』を進めている。米軍増強によってフィリピンはその一部を成すことになる。両国とも対中国だとは言わないが、中国は真に受けないだろう」と述べ、米中のあつれきがアジア地域に与える悪影響を懸念しています。
(スービック=面川誠 写真も)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年9月19日付掲載


かつては、アキノ大統領(女性の方)の人民革命で手放さざるを得なかった米軍スービック基地。でも、アメリカは喉から手が出るぐらい欲しいのでしょうね。
米艦船の寄港を認めることで、事実上の基地化につながることを危惧します。
コメント (2)
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