きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

妊娠したら解雇② 団交重ね有給で産休

2013-09-07 16:38:53 | 働く権利・賃金・雇用問題について
妊娠したら解雇② 団交重ね有給で産休
マタニティーハラスメントとたたかって


学校側「あなたはもう退職している」=>「おかしい」と労組加入

妊娠したら解雇などを強いるマタニティーハラスメントは、民間企業だけではありません。新潟県の私立高校で家庭科の講師をしていた板本由理さん(40、仮名)は出産3日前に退職強要を受けながらも、労働組合に入って産休を取りました。

教科書にも
板本さんは、教科の研究会に積極的に参加する研究熱心な先生です。日本でもパートや派遣社員が育休を取れるようになったことを家庭科の教科書を使って、生徒に教えていました。
2012年2月、妊娠がわかりました。待望の第一子です。
学校に妊娠を報告する前に、教科書だけでなく、ハローワークで育休の権利があることを確認。「育休を取りたい。給付金は雇用保険から支払われるので、学校側の負担は少ない。1学期が終わる7月末まで働くつもりです」と校長に伝えました。
しかし、学校では講師は妊娠したら退職するのが「当たり前」の風潮でした。
妊娠を報告した後、学校と結んだ契約は1年後の2013年3月末まででした。その後は「更新しない」に印がつけられ、板本さんも疑問を持ちませんでした。



高校の家庭科教科書には、産休・育休が法律で決まっていることが明記されています。

出産直前に
2012年8月27日が出産予定日でした。8月に入ってから「健康保険証を返してほしい」と学校から話がありました。板本さんは産休について学校との認識の違いに気がつきました。
学校は「7月末で退職したことになっている」というのです。
契約期間が翌年の3月末まであり、当然、産休育休を取れると考えていた板本さんは驚きました。
予定日をすぎた8月30日、学校側と話し合いがもたれました。「7月末まで働き、育休に入る」との板本さんの言葉を校長は「退職」と受け取っていました。
板本さんは「どうして退職となるんですか」と押し問答。話し合いは平行線のまま9時間近くになりました。
話し合いの後、心配する元同僚に電話すると「1人でも入れる組合がある」と新潟県労連ユニオンを紹介されました。
翌日、事務所を訪れた板本さんに、同ユニオンの佐藤一弥議長は「退職願を出していないのに退職になっているのはおかしい。妊娠・出産を理由にした違法な退職強要の疑いが強い」と語りました。
「やっとわかってもらえる人がいた」。ほっとした板本さんはすぐにユニオンに加入。翌9月1日に資料を事務所に届けました。
その夜、陣痛が起こり入院。翌日に無事女の子を出産しました。
「元同僚からの連絡がなければ、出産後は動けず泣き寝入りしていた」と振り返ります。
14回に上る粘り強い団体交渉で板本さんは有給で産休を取り、契約書通り3月末まで雇用は継続することになりました。学校は育休の正確な説明をしなかったことを謝りました。

次につなげ
しかし、課題が残りました。育休の給付金は受け取れず、板本さんは3月末で退職することになりました。
期間雇用の労働者が給付金を受け取るには「1年後の雇用継続の見込み」が必要なのです。契約を「更新しない」に印をした契約書があったため給付金が認められませんでした。
ユニオンは板本さんの雇用継続を求めるハガキ運動を展開しました。たくさんのハガキが学校を動かしました。
学校は講師の空きがあれば板本さんを優先的に採用すること、ほかの講師の産休育休を保障することを確認しました。
板本さんの5カ月後に出産した講師の渡辺あゆみさん(仮名)は産休育休を取って職場復帰できるようになりました。
板本さんは言います。「講師でも生徒にとっては一人の先生だと思ってがんばってきました。1年契約で弱い立場だと思い知りました。どんな立場で働く女性でも育休を取って安心して子どもを生み育てられる社会になってほしい」
(染矢ゆう子)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年9月6日付掲載


教職員の職場でも、産休や育休を認めないって事が横行しているんですね。
でも、ここでも労働組合に入って団体交渉を重ねることによって、求めさせることができたいい例ですね。
まだまだ、氷山の一角だと思いますが、運動が広がって、どんな立場で働く女性も産休や育休がとれて安心して子育てができる社会にならないといけないですね。
コメント (3)
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