ゆがむ日本経済 パート2 ④ 収奪される出店業者
インターネット通販サイト大手のアマゾンや楽天が優越的な地位を乱用し、出店業者の同意なく規約変更をしています。規約変更によって手数料の値上げや罰金制度の導入が行われ、出店業者を苦しめています。
情報通信技術やデータを活用し第三者にサービスの「場」を提供する、アマゾンや楽天などの企業を「デジタル・プラットフォーマー」と呼びます。大量のデータを集積・構造化して効率的に活用することで多大な便益を生み出し、近年爆発的に成長してきました。
10月に公正取引委員会が発表した実態調査によるとネット通販市場の売上高はアマゾンが26・0%、楽天が17・4%と高いシェアを占めています。(図1)
出店業者の多くが小規模・中規模企業です。売り上げのほとんどをアマゾンや楽天で得ている出店業者も少なくありません。

楽天本社のあるクリムゾンハウス=東京都世田谷区

不利益7~9割
公取委が4月に発表したアンケート調査によるとネット通販市場で規約を「一方的に変更された」と答えた出店業者はアマゾンでは72・8%、楽天市場では93・2%に上りました。規約の変更に「不利益な内容があった」はアマゾンでは69・3%、楽天市場では93・5%でした。(図2)
規約の変更により「手数料を引き上げられた」「新しい決済システムを導入された」「使いもしない機能の利用を強制された」といった実態が明らかになりました。
楽天の出店規約には「予告なく本規約および本規約に付随する規約の内容を変更することができる」とあります。アマゾンの出品規約にも「本契約をいつでも即時に変更または修正することができます」とあり、変更を承諾できない場合は「本契約を終了することに同意するものとする」と明記。いつでも出店業者の同意なく規約を変えることができる仕組みになっています。しかし優越的な地位を乱用し、出店業者に一方的に不利益を与えることは、独占禁止法が規制する「優越的地位の乱用」にあたる疑いがあります。

横暴阻止へ署名
楽天は8月、送料の一律化を発表。来年3月から、3980円以上の購入があった場合の送料を無料と定め、負担を出店業者に押し付けようと計画しています。楽天の出店業者がネット上で話し合う「RON」会議室には「赤字必須」「超ウルトラ奴隷制度」といった批判が殺到。出店業者は「楽天ユニオン」を10月中旬に結成しました。手数料の値上げや罰金制度の導入などの実態を公取委に報告。楽天ユニオンのホームページでは署名を呼びかけ、楽天の相次ぐ横暴に歯止めをかけようと立ち上がっています。
経済のデジタル化が進むなか、政府は出店業者の声を聞き、公正・公平な市場づくりのための法整備をすべきです。(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年12月14日付掲載
ネットショッピング業界の寡占化。僕も、アマゾンと楽天の両方の会員になっています。
ネットショッピングは個々の業者が独自にサイトを開いている場合もあり、僕もそちらも利用しています。
ただし、アマゾンや楽天の場合は店舗を比較できるし、購入履歴が残っているので、再購入も便利。
そういう利便性を利用して、出展業者に不利益を押し付けるのは許されない。
インターネット通販サイト大手のアマゾンや楽天が優越的な地位を乱用し、出店業者の同意なく規約変更をしています。規約変更によって手数料の値上げや罰金制度の導入が行われ、出店業者を苦しめています。
情報通信技術やデータを活用し第三者にサービスの「場」を提供する、アマゾンや楽天などの企業を「デジタル・プラットフォーマー」と呼びます。大量のデータを集積・構造化して効率的に活用することで多大な便益を生み出し、近年爆発的に成長してきました。
10月に公正取引委員会が発表した実態調査によるとネット通販市場の売上高はアマゾンが26・0%、楽天が17・4%と高いシェアを占めています。(図1)
出店業者の多くが小規模・中規模企業です。売り上げのほとんどをアマゾンや楽天で得ている出店業者も少なくありません。

楽天本社のあるクリムゾンハウス=東京都世田谷区

不利益7~9割
公取委が4月に発表したアンケート調査によるとネット通販市場で規約を「一方的に変更された」と答えた出店業者はアマゾンでは72・8%、楽天市場では93・2%に上りました。規約の変更に「不利益な内容があった」はアマゾンでは69・3%、楽天市場では93・5%でした。(図2)
規約の変更により「手数料を引き上げられた」「新しい決済システムを導入された」「使いもしない機能の利用を強制された」といった実態が明らかになりました。
楽天の出店規約には「予告なく本規約および本規約に付随する規約の内容を変更することができる」とあります。アマゾンの出品規約にも「本契約をいつでも即時に変更または修正することができます」とあり、変更を承諾できない場合は「本契約を終了することに同意するものとする」と明記。いつでも出店業者の同意なく規約を変えることができる仕組みになっています。しかし優越的な地位を乱用し、出店業者に一方的に不利益を与えることは、独占禁止法が規制する「優越的地位の乱用」にあたる疑いがあります。

横暴阻止へ署名
楽天は8月、送料の一律化を発表。来年3月から、3980円以上の購入があった場合の送料を無料と定め、負担を出店業者に押し付けようと計画しています。楽天の出店業者がネット上で話し合う「RON」会議室には「赤字必須」「超ウルトラ奴隷制度」といった批判が殺到。出店業者は「楽天ユニオン」を10月中旬に結成しました。手数料の値上げや罰金制度の導入などの実態を公取委に報告。楽天ユニオンのホームページでは署名を呼びかけ、楽天の相次ぐ横暴に歯止めをかけようと立ち上がっています。
経済のデジタル化が進むなか、政府は出店業者の声を聞き、公正・公平な市場づくりのための法整備をすべきです。(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年12月14日付掲載
ネットショッピング業界の寡占化。僕も、アマゾンと楽天の両方の会員になっています。
ネットショッピングは個々の業者が独自にサイトを開いている場合もあり、僕もそちらも利用しています。
ただし、アマゾンや楽天の場合は店舗を比較できるし、購入履歴が残っているので、再購入も便利。
そういう利便性を利用して、出展業者に不利益を押し付けるのは許されない。
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