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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

危険な経済秘密保護法案② 日米同盟の「継ぎ目」除去

2024-03-07 07:04:56 | 政治・社会問題について
危険な経済秘密保護法案② 日米同盟の「継ぎ目」除去

東北大学名誉教授 井原聰さん(寄稿)

政府は適性評価を必要とする企業の声をいくつも紹介しています。例えば“軍民両用のデュアルユース技術に関する会議には適性評価に合格した資格者しか参加できない場合があり、適性評価制度がないと最新のデュアルユース技術に触れることができない”とあります。明らかに軍事がらみです。
適性評価制度の導入は「すでに情報保全制度が経済・技術の分野にも定着し活用されている国々との間で協力を一層進めることを可能とする」(内閣官房資料)というように、同盟国・同志国との協力関係を一層進めるものです。



経済安全保障推進会議で経済秘密保護法案について発言する岸田首相=1月30日、首相官邸(首相官邸ホームページから)

特許に例外導入
政府は2022年に成立させた経済安全保障推進法によって公開が原則の特許制度に非公開の例外をつくりだし、日米防衛特許協定の片務的であった関係を双務的にすることに「成功」。秘密特許制度のある米国との軍事上の情報交換の障害の一部を除去しました。米国と同様の適性評価制度の導入による日米軍事同盟のシームレス(継ぎ目なし)の協力関係が実現することになります。
米国は以前から日本に適性評価制度導入を要請してきました。例えば11年6月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)では「政府横断的なセキュリティ・クリアランスの導入やカウンター・インテリジェンスに関する措置の向上を含む、情報保全制度の更なる改善の重要性」が強調されました。19年4月の2プラス2でも「情報保全の重要性を確認」しています。

米の要請受けて
さらに、22年1月7日の2プラス2は「人工知能、機械学習、指向性エネルギー及び量子計算を含む重要な新興分野において、イノベーション(革新)を加速し、同盟が技術的優位性を確保」するための共同投資を確認しました。
こうした宇宙分野、海洋分野などで先端技術をもった日本のベンチャー企業やスタートアップ企業が米国、同志国で開催される国際的共同研究開発プロジェクト(多くが軍事研究)に加わる条件として適性評価制度の設置が求められています。
1月30日の経済安全保障推進会議で、岸田文雄首相は次のように指示しました。「政府保有の経済安全保障上の重要情報を保護・活用していくべく、コンフィデンシャル級の情報を保護の対象とする制度を新法により創設する」
「トップシークレット」(機密)、「シークレット」(極秘)だけでなく、米国のように「コンフィデンシャル」(マル秘)で広範な情報も罰則のある保全管理をするということです。米国からの情報管理の要請を受けてのことといえます。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年3月5日付掲載


政府は2022年に成立させた経済安全保障推進法によって公開が原則の特許制度に非公開の例外をつくりだし、日米防衛特許協定の片務的であった関係を双務的にすることに「成功」。秘密特許制度のある米国との軍事上の情報交換の障害の一部を除去。
さらに、22年1月7日の2プラス2は「人工知能、機械学習、指向性エネルギー及び量子計算を含む重要な新興分野において、イノベーション(革新)を加速し、同盟が技術的優位性を確保」するための共同投資を確認。
宇宙分野、海洋分野などでの民間の先端技術をもった日本のベンチャー企業やスタートアップ企業。軍民両用のデュアルユースってことで、秘密対象にも。
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