馬毛島新基地 今を追う② 作業員1000人 町が一変
馬毛島(まげしま)の新基地建設強行により種子島(たねがしま)の町の様子が一変しています。
人口約2万7000人の種子島。空地、さとうきび畑、耕作放棄地、竹やぶに、次々コンテナハウスが建てられました。九州各県をはじめ、青森・八戸や岐阜などの県外ナンバーの車が止まり、外国人労働者の姿もみられます。
中種子町につくられたコンテナハウス
道路に警備員
西之表市で9歳と5歳の子どもを育てる宇野ひろみさんは、島の変化に危機感を感じています。子どもが通う保育園を囲むかのようにコンテナハウスが建てられています。
スピードを出す車、大型トラックやダンプカーの往来に地域の子育て世代から不安の声が上がり、防衛省は、小中学校周辺の道路に警備員を配置。登下校以外の時間もずっと立っています。
基地建設に関係する企業が作業員を泊めるホテルを借り上げているため、宿代が高騰し、観光客は減少。
アパートやマンションなどの賃貸住宅も基地建設労働者用の借り上げで高騰し、来年3月の更新の際に、出ていかざるを得ない人もいるといいます。理髪店の店舗料がこれまでより、5倍の賃貸料を求められたケースも発生しています。
一方、西之表市に1000人程度(12月13日現在)の作業員が入っているといわれています。観光客がいない代わりに、作業員を乗せた観光バスがコンテナハウスから作業船のある港までピストン輸送する光景が当たり前に。
工事のピークは来年2月といわれ、馬毛島と種子島合わせて作業員数は6000人が想定されています。
大幅な人口増により、スーパーから総菜などの食べ物がなくなったこともありました。
宇野ひろみさん
あちこちに立っている交通安全の旗をもった警備員
自治体任せに
市議会では水問題が取り上げられました。現在、下西地区での水の総量は足りていますが、これまで以上に人が来れば水不足の発生が懸念されます。
さらにごみ処理の問題も浮上。人口増と共にごみも増え、分別、生活ごみ、基地建設に関わる産廃の処理問題について、防衛省は自治体任せにしています。
宇野さんは、20代のころ、ハワイなどを訪れ、米軍基地問題に翻弄(ほんろう)されている人たちを見てきたことから、馬毛島の新基地建設には反対しないといけないと考えています。
さらに、屋久島にオスプレイが墜落した事件は、子育て世代に衝撃を与えていると語ります。軍事要塞(ようさい)化と家賃高騰などで危機感を感じている人たちは、自然豊かで穏やかな種子島から島を出ることを真剣に考えているといいます。
「島のなかで基地建設に反対したいけれど経済的要因から容認した人も、本当は基地や戦争は嫌だと思っているはずです。何らかの基地建設の恩恵を受けた人も、一緒に基地建設反対の声を上げられるようにしたい」(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年12月26日付掲載
西之表市で9歳と5歳の子どもを育てる宇野ひろみさんは、島の変化に危機感を感じています。子どもが通う保育園を囲むかのようにコンテナハウスが。
工事のピークは来年2月といわれ、馬毛島と種子島合わせて作業員数は6000人が想定。大幅な人口増により、スーパーから総菜などの食べ物がなくなったことも。
島のなかで基地建設に反対したいけれど経済的要因から容認した人も、本当は基地や戦争は嫌だと思っているはず。何らかの基地建設の恩恵を受けた人も、一緒に基地建設反対の声を上げられるようにしたい。
馬毛島(まげしま)の新基地建設強行により種子島(たねがしま)の町の様子が一変しています。
人口約2万7000人の種子島。空地、さとうきび畑、耕作放棄地、竹やぶに、次々コンテナハウスが建てられました。九州各県をはじめ、青森・八戸や岐阜などの県外ナンバーの車が止まり、外国人労働者の姿もみられます。
中種子町につくられたコンテナハウス
道路に警備員
西之表市で9歳と5歳の子どもを育てる宇野ひろみさんは、島の変化に危機感を感じています。子どもが通う保育園を囲むかのようにコンテナハウスが建てられています。
スピードを出す車、大型トラックやダンプカーの往来に地域の子育て世代から不安の声が上がり、防衛省は、小中学校周辺の道路に警備員を配置。登下校以外の時間もずっと立っています。
基地建設に関係する企業が作業員を泊めるホテルを借り上げているため、宿代が高騰し、観光客は減少。
アパートやマンションなどの賃貸住宅も基地建設労働者用の借り上げで高騰し、来年3月の更新の際に、出ていかざるを得ない人もいるといいます。理髪店の店舗料がこれまでより、5倍の賃貸料を求められたケースも発生しています。
一方、西之表市に1000人程度(12月13日現在)の作業員が入っているといわれています。観光客がいない代わりに、作業員を乗せた観光バスがコンテナハウスから作業船のある港までピストン輸送する光景が当たり前に。
工事のピークは来年2月といわれ、馬毛島と種子島合わせて作業員数は6000人が想定されています。
大幅な人口増により、スーパーから総菜などの食べ物がなくなったこともありました。
宇野ひろみさん
あちこちに立っている交通安全の旗をもった警備員
自治体任せに
市議会では水問題が取り上げられました。現在、下西地区での水の総量は足りていますが、これまで以上に人が来れば水不足の発生が懸念されます。
さらにごみ処理の問題も浮上。人口増と共にごみも増え、分別、生活ごみ、基地建設に関わる産廃の処理問題について、防衛省は自治体任せにしています。
宇野さんは、20代のころ、ハワイなどを訪れ、米軍基地問題に翻弄(ほんろう)されている人たちを見てきたことから、馬毛島の新基地建設には反対しないといけないと考えています。
さらに、屋久島にオスプレイが墜落した事件は、子育て世代に衝撃を与えていると語ります。軍事要塞(ようさい)化と家賃高騰などで危機感を感じている人たちは、自然豊かで穏やかな種子島から島を出ることを真剣に考えているといいます。
「島のなかで基地建設に反対したいけれど経済的要因から容認した人も、本当は基地や戦争は嫌だと思っているはずです。何らかの基地建設の恩恵を受けた人も、一緒に基地建設反対の声を上げられるようにしたい」(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年12月26日付掲載
西之表市で9歳と5歳の子どもを育てる宇野ひろみさんは、島の変化に危機感を感じています。子どもが通う保育園を囲むかのようにコンテナハウスが。
工事のピークは来年2月といわれ、馬毛島と種子島合わせて作業員数は6000人が想定。大幅な人口増により、スーパーから総菜などの食べ物がなくなったことも。
島のなかで基地建設に反対したいけれど経済的要因から容認した人も、本当は基地や戦争は嫌だと思っているはず。何らかの基地建設の恩恵を受けた人も、一緒に基地建設反対の声を上げられるようにしたい。