きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

給食は子どものセーフティーネット

2018-07-04 17:43:12 | 予算・税金・消費税・社会保障など
給食は子どものセーフティーネット
「なくそう!子どもの貧困」ネットワークの第8回情報交換会が6月16日、東京都大田区で開かれました。給食費未納と貧困の問題をテーマにした跡見学園女子大学教授の鳫(がん)咲子さんの講演を紹介します。(手島陽子)

跡見学園女子大学教授 鳫咲子さんの講演

給食費未納 ケア必要なシグナル

給食費の未納問題では、2015年に埼玉県北本市で、給食費未払いの家庭に学校が弁当持参を呼びかける事例が起きました。「『払わないなら食べさせない』と脅すのは、親の責任を子どもに転嫁するやり方で不適切」(朝日新聞15年7月4日付)との批判が起きました。
北本市のケースでは、“払わない”親は生活保護や就学援助を受けていませんでした。市は「払えるだろう」と判断したのです。それにしてもなぜ、給食費にはここまで厳しいのでしょう。

養育放棄も念頭
学校給食費の会計方法には、私会計(自治体の7割)と公会計(同3割)があります。私会計の場合、未納の生徒の分は、ほかの生徒の給食費から補うことになります。学校職員は公平性を意識しますし、全体の食材購入費が減り、質に影響を及ぼしかねません。
公会計の場合は自治体の会計で管理します。未納者には自治体の責任で督促を行います。未納分は自治体の負担となるので、給食の質に影響が及ぶ心配はありません。
小中学の給食費未納は全国で約8万3000件(14年)、全体の0・9%に当たります。この数字はけっして多いとは思えません。埼玉県さいたま市の例でみると、給食費の納入率は99・8%で、国民健康保険(88%)などほかの公共料金などに比べて納入率が高い水準に達しています。多くの親が、子どもに関する支払いを最優先していることが見て取れるんですね。
未納原因について学校の約6割が「保護者としての責任感や規範意識」、3分の1が「保護者の経済的な問題」ととらえています。「保護者としての責任感」の問題とすれば、ネグレクト(養育放棄)の可能性も念頭に置かなければならず、放置していい問題ではありません。





朝昼2食抜きも
たとえば、朝食抜きの子は弁当も持参できない場合が多くあります。現在、完全給食は小学校でほぼ99%の実施率ですが、中学校ではまだ8割。神奈川県には完全給食がない中学生が76%もおり、近畿地方なども多くなっています(グラフ1)。給食がないと、朝昼2食を抜く可能性がある点も重大です。
ネグレクトの背景には経済問題や社会的孤立、メンタルヘルスなど、さまざまな要素が絡み合っていると考えられます。経済的な問題であっても、ネグレクトであっても、給食費未納はケアが必要なシグナルと見る視点が必要ではないでしょうか。




就学援助知らぬ
経済的な問題があるのに、就学援助を申請しない世帯は少なくありません。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのアンケートによると、経済的問題を抱えている人の4割が就学援助を「知らなかった」と答えていました。
小学校より中学校の未納率が高くなりますが、中学になってモラルが低下するわけではなく、生活費が増えるんですね。学習費だけ見ても、小学生で年間1人10万円かかりますが、中学生では18万円と増えるのです。
子どもの貧困への認識が高まるにともない、給食費未納の家庭に就学援助の活用を勧める例も増えています。(グラフ2)給食はすべての子どもを対象としたセーフティーネットといえます。内閣府の試算によると、給食費無料化に必要な財源は、小中学校で合わせて5120億円。無料化を全国的に広めてもいいのではないでしょうか。
また、夏休みには給食が食べられずにやせる子どもが出てくるという話もあります。学童保育で給食を提供するなどの検討も必要です。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年6月29日付掲載


給食費の未払いは、育児放棄のこともありますが、親の経済的貧困の問題もあります。
給食がなくって弁当を持ってこれない生徒は、育ち盛りなのに朝・昼の2食抜きって事も。
中学校でもすべての自治体での給食の実施が求めらています。
コメント
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