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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

検証アベノミクス④ 異次元の金融緩和③ 「市場不安定化」批判の声

2016-04-09 17:06:56 | 経済・産業・中小企業対策など
検証アベノミクス④ 異次元の金融緩和③ 「市場不安定化」批判の声

日銀がマイナス金利政策の導入を決めた1月28~29日の金融政策決定会合では、政策委員から反対意見が続出し、決定は9人の政策委員中、賛成5、反対4のわずか1票差でした。それに続く3月14~15日の金融政策決定会合でも激論となりました。
「金融機関や預金者の混乱、不安を高める」「今後、一段のマイナス金利引き下げへの期待をあおる催促相場に陥るおそれがある」「民間の調達金利の低下余地は限られ、設備投資の増加も期待しがたい」―。2013年4月以来、量的・質的金融緩和(異次元の金融緩和)を推進してきた委員からもマイナス金利に反対した人が出ました。
最近では、マイナス金利だけでなく、異次元緩和そのものへの批判、疑問が高まっています。
東京大学大学院の福田慎一教授は、「悪い意味での誤算は、実質GDPに代表される実体経済の指標が思ったほど改善しなかったことである」(『週刊エコノミスト』4月5日号)と指摘しました。「期待が高まったのは外国為替市場や株式市場が中心」だったとし、異次元緩和が「大きな転機」を迎えていると述べました。



金融政策を説明するため参院財政金融委員会に出席した黒田東彦日銀総裁=2月18日

異質な政策運営
金融の業界誌『週刊金融財政事情』(3月14日号)の特集「マイナス金利政策の行方」では、日銀幹部を歴任した翁邦雄・京都大学公共政策大学院教授が「金融政策が経済の不安定要因になってはならない」と警告しました。
黒田東彦日銀総裁はマイナス金利の決定前、表向きは「マイナス金利を具体的に考えているということはない」と言い、周囲や市場をだましてまで「サプライズ」(驚き)効果を演出しました。翁氏は、「金融政策の予見性を極力高めようという世界的な流れや主要中央銀行の努力に照らすと、日銀の政策運営スタイルはきわめて異質だ」「こうしたことを繰り返すと、市場はかえって不安定化する」と、日銀の信頼性を損ないかねないことに懸念を示しました。
異次元緩和開始にあたって日銀が目標としたのは、「2年間で物価上昇率を2%」に引き上げ、「デフレ」を終わらせることでした。しかし、達成の時期は、当初の「15年度」から三たび先送りされ、現時点での目標は「17年度前半ごろ」。異常な金融緩和を4年以上続けることになります。
変動の大きい生鮮食品を除く消費者物価上昇率(前年比)は、13年0・4%、14年2・6%(消費税増税の影響を除くと0・6%)、15年0・5%、直近の16年2月は0%。異次元緩和を3年続けても、日銀が目標とする2%をはるかに下回っています。それでも、物価上昇は庶民や中小企業を直撃しています。食品、被服、公共交通など生活に不可欠なものほど大きく値上がりしているからです。これで物価全体が2%上昇すれば、庶民の負担は何倍にも膨らみます。
「デフレ」が続いたのは、賃金が下がり続け、非正規雇用の増加で国民の購買力が低下し、消費が冷え込んだためです。こうした中で、金融政策によって物価を引き上げれば、暮らしも経済もさらに悪化します。

「困る」は8割に
日銀が3カ月ごとに実施している「生活意識に関するアンケート調査」の直近(15年12月)の結果では、1年前と比べて物価が上がったと答えた人は78・8%、「困ったことだ」との回答は82・4%にのぼりました。
にもかかわらず、黒田総裁は「追加緩和の手段に限りはない」(2月3日の講演)と、2%の物価目標達成のために手段を選ばないことを公言しています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年4月8日付掲載


金利の操作で景気が改善すれば、そんなに楽なことはない…。
労働者の賃金を上げて、非正規を正規雇用にする。大企業がため込んだ内部留保の一部をはき出せば景気は改善に向かう。
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