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きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ニセ科学の正体③ 水が言葉を理解する

2014-10-10 23:30:14 | 科学だいすき
ニセ科学の正体③ 水が言葉を理解する
左巻健男

学校にニセ科学が入り込んでいます。
学校の「道徳」の授業などで、容器に入った水に向けて「ありがとう」と「ばかやろう」の「言葉」を書いた紙を貼り付けておいてから、それらの水を凍らすと、「ありがとう」を見せた水は、対称形の美しい六角形の結晶に成長し、「ばかやろう」を見せた水は崩れた汚い結晶になるか、結晶にならなかったという話がされています。びんに入れたご飯に「ありがとう」「ばかやろう」という言葉をかけるというバージョンもあります。
この話は、「水が言葉を理解する」「水はなんでも知っている」という内容の水の結晶の写真集などで紹介されました。

もともとはさまざまな「波動」商売の一環として出版されたものでした。「波動」商売とは、「波動測定器」で診療まがいなことをする波動カウンセリング、よい波動を転写したという高額な波動水(波動共鳴水など)の販売などです。そこには、まったく科学的根拠はありません。私は「EM菌」などとともに「波動系ニセ科学」に分類しています。
この話を信じる人たちは、「実験をして、写真を撮ったのだから科学的だ」と思ったのでしょう。しかし、ニセ科学の代表例ともいえるものです。
学校の教員のなかには、「水は、よい言葉、悪い言葉を理解する。人の体の6、7割は水だ。人によい言葉、悪い言葉をかけると人の体は影響を受ける」という考えは授業に使えると思った人たちがいます。子どもたちの道徳などで、写真集の結晶の写真を見せながら、「だから『悪い言葉』を使うのはやめましょう」という授業が広まりました。本や雑誌やネットで、この授業を広めた教育団体もありました。



小野絵里

科学者側などからの批判が高まっていきました。私も『水はなんにも知らないよ』(ディスカヴァー携書・本と電子書籍)を出して、そのニセ科学を批判しました。
きれいな結晶、汚い結晶の写真は本物でも、水が言葉を理解したからではありません。「ありがとう」水ではきれいな結晶になったときに、「ばかやろう」水は崩れているときに写真を撮ったからです。
言葉の善し悪しは水に決めてもらうことではないし、そもそも水に言葉を理解できるはずもありません。「ばかやろう」という言葉だって状況によってはとても愛に満ちているときもあるのです。
この授業は、教育界に広がったままです。いまもどこかの学校でニセ科学をもとにした授業が行われているかもしれません。
(さまき・たけお 法政大学教授)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年10月8日付掲載


この氷の結晶の話しは僕が子どもの頃も聞いた記憶があります。
「写真を撮ったから科学的」と言われれば、アマチュア写真家の僕としては、「写真は決して真実を写した物ではないよ」と言いたい。
先日の皆既月食は神戸ではあまり赤くなりませんでしたが、ホワイトバランスを変えると見事な赤い月になります。
写真とはそういうものなのです。
コメント
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