「閣議決定」安倍政権の言い訳をみる④ 「戦闘に参加しない」というが 「戦闘現場」武器使用ありうる
安倍晋三首相は「武力行使を目的としてイラク戦争あるいは湾岸戦争のような戦闘に参加することはない」と繰り返します。しかし「閣議決定」(7月1日)は、米軍や多国籍軍などが行う戦闘に自衛隊がこれまで以上に深くかかわり、軍事支援を拡大させようとしています。
“歯止め”を外す
政府は従来、憲法が禁じている「海外での武力行使」を行わないために、自衛隊の派兵法に①武力行使をしてはならない②戦闘地域に行ってはならない(=「非戦闘地域」に限る)、という二つの“歯止め”を明記しました。
②は①を担保するための歯止め。「非戦闘地域」とは、「現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」と政府は説明してきました。
これによって自衛隊の活動は、「非戦闘地域」や「後方地域」に限られ、米国によるアフガニスタン戦争(2001年)の場合はインド洋での給油活動、イラク戦争(03年)ではサマワでの給水活動や空輸活動にとどまりました。
ところが「閣議決定」は、「非戦闘.地域」に限るとした従来の枠組みについて、「(場所や期間などの概念を)今まで広くとりすぎていた」(安倍首相、7月14日の衆院予算委員会)と廃止しました。これまで「戦闘地域」とされてきた場所であっても自衛隊が米軍などの後方支援活動ができる、としたのです。
現代戦では、後方支援=兵たん活動が一番重要となり、まずそこが狙われます。攻撃を受けたら、当然応戦することになり、自衛隊は戦闘に巻き込まれ、「殺し殺される」ことになります。

認めた安倍首相
この危険について日本共産党の笠井亮衆院議員、小池晃参院議員が7月14、15両日の衆参予算委で連続追及しました。
これに対する答弁のなかで安倍首相は、「そこ(自衛隊の活動場所)が戦闘行為の現場になる可能性はある」と戦場への派兵になることを初めて認めました。また「当然、身を守るために、また任務を遂行するために武器の使用はあり得る」と述べ、応戦する可能性も認めたのです。「戦闘に参加することはない」との安倍首相の言い分は通用しません。
現に自民党の石破茂幹事長は、武力行使を伴う多国籍軍参加について、「日本だけが参加しないというのは、やがて国民の意識が変わるときに、また(政府対応は)変わるかもしれない」(5月17日のテレビ番組)と述べ、将来の参加の可能性に言及しています。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年8月19日付掲載
小泉首相は、「自衛隊は戦闘地域に行かない」「自衛隊のいるところが非戦闘地域だ」とごまかしましたが、それでもそれは一定の歯止めになりました。
今度の安倍首相の場合は、「戦闘地域」でも「戦闘現場」でなければOKだという。
アフガンやイラクの場合はもとより、ガザ地区でのイスラエルとパレスチナの衝突を見ると、「戦闘現場」になったから、慌てて逃げるって事が無理だって事が分かりますネ。
安倍晋三首相は「武力行使を目的としてイラク戦争あるいは湾岸戦争のような戦闘に参加することはない」と繰り返します。しかし「閣議決定」(7月1日)は、米軍や多国籍軍などが行う戦闘に自衛隊がこれまで以上に深くかかわり、軍事支援を拡大させようとしています。
“歯止め”を外す
政府は従来、憲法が禁じている「海外での武力行使」を行わないために、自衛隊の派兵法に①武力行使をしてはならない②戦闘地域に行ってはならない(=「非戦闘地域」に限る)、という二つの“歯止め”を明記しました。
②は①を担保するための歯止め。「非戦闘地域」とは、「現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」と政府は説明してきました。
これによって自衛隊の活動は、「非戦闘地域」や「後方地域」に限られ、米国によるアフガニスタン戦争(2001年)の場合はインド洋での給油活動、イラク戦争(03年)ではサマワでの給水活動や空輸活動にとどまりました。
ところが「閣議決定」は、「非戦闘.地域」に限るとした従来の枠組みについて、「(場所や期間などの概念を)今まで広くとりすぎていた」(安倍首相、7月14日の衆院予算委員会)と廃止しました。これまで「戦闘地域」とされてきた場所であっても自衛隊が米軍などの後方支援活動ができる、としたのです。
現代戦では、後方支援=兵たん活動が一番重要となり、まずそこが狙われます。攻撃を受けたら、当然応戦することになり、自衛隊は戦闘に巻き込まれ、「殺し殺される」ことになります。

認めた安倍首相
この危険について日本共産党の笠井亮衆院議員、小池晃参院議員が7月14、15両日の衆参予算委で連続追及しました。
これに対する答弁のなかで安倍首相は、「そこ(自衛隊の活動場所)が戦闘行為の現場になる可能性はある」と戦場への派兵になることを初めて認めました。また「当然、身を守るために、また任務を遂行するために武器の使用はあり得る」と述べ、応戦する可能性も認めたのです。「戦闘に参加することはない」との安倍首相の言い分は通用しません。
現に自民党の石破茂幹事長は、武力行使を伴う多国籍軍参加について、「日本だけが参加しないというのは、やがて国民の意識が変わるときに、また(政府対応は)変わるかもしれない」(5月17日のテレビ番組)と述べ、将来の参加の可能性に言及しています。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年8月19日付掲載
小泉首相は、「自衛隊は戦闘地域に行かない」「自衛隊のいるところが非戦闘地域だ」とごまかしましたが、それでもそれは一定の歯止めになりました。
今度の安倍首相の場合は、「戦闘地域」でも「戦闘現場」でなければOKだという。
アフガンやイラクの場合はもとより、ガザ地区でのイスラエルとパレスチナの衝突を見ると、「戦闘現場」になったから、慌てて逃げるって事が無理だって事が分かりますネ。