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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

集団的自衛権Q&A④ 米国の要求が出発点

2013-08-23 16:36:19 | 平和・憲法・歴史問題について
集団的自衛権Q&A④ 米国の要求が出発点

 集団的自衛権行使の動きが強まったきっかけは。
 直接の出発点は、海外での日本の軍事的役割の拡大を期待する米国の要求でした。

集団的自衛権の行使をめぐる議論が活発になったきっかけは、1990年8月のイラクのクウェート侵攻と、翌年の湾岸戦争でした。
戦費の負担に当時、米国は日本に輸送などの軍事的な任務分担を要求しましたが、これに応えるための海外派兵法案(国連平和協力法案)が廃案となり、130億ドルの戦費負担に代わりました。一方、連載2回目で見たように、親米諸国が「集団的自衛権の行使」で派兵しました。



インド洋で米ミサイル巡洋艦アンツィオ(右)に給油する海自補給艦「ましゅう」=2006年11月(米海軍ホームページから)

これを契機に、日本の支配層の間で、“集団的自衛権を行使しなければ国際社会から孤立する”との声が相次ぎます。
他方、米国でも、アマコスト元駐日米大使が、日米の「集団的自衛権の解釈を一致させるのに、今がいいときである」(97年4月15日の米上院公聴会)と公言。2000年10月に発表された「第1次アーミテージ報告」は「日本が集団的自衛権の行使を禁止していることは、同盟への協力を進める上での制約となっている」と明言し、公然と日本に集団的自衛権の行使を要求。加えて、「米英間の特別な関係が、日米同盟のモデル」として、米国とともに海外で肩を並べて戦争する同盟をめざすことを求めました。

地球規模派兵
これをきっかけに、日本はインド洋(01~07年、08~10年)、イラク(04~08年)へと地球規模の派兵をおこなうようになります。
しかし、これらの派兵法は憲法9条があるため「(活動は)武力の行使にあたるものであってはならない」と明記し、「後方地域」や「非戦闘地域」での支援活動にとどまっていました。
この歯止めを取り払おうとしたのが、安倍晋三氏(現首相)でした。「国民は、海外での紛争に米国と肩を並べて武力行使するという意識には至っていない。日米協力の法的な障害、憲法解釈の障害を取り除かなければならない」(05年11月、都内での会合)と、戦闘行動にまで参加しようという狙いをあけすけに述べています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年8月20日付掲載


20数年前の湾岸戦争の時は、中東地域に自衛隊の艦船が出ていくなんて考えられませんでしたね。アメリカから「ショー・ザ・フラッグ」って言われましたけど、出したのは戦費だけでした。それでも、憲法違反になるんではないかと議論になったものでした。
それから比べると、インド洋、イラクへの派兵となし崩し的に進められたものです。
でも、イラクへの派兵の場合も、「非戦闘地域」で水の供給をしているだけって建前がありました。
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集団的自衛権Q&A③ 「行使できない」が政府見解

2013-08-23 13:04:00 | 平和・憲法・歴史問題について
集団的自衛権Q&A③ 「行使できない」が政府見解

 集団的自衛権の行使の日本政府の見解は?
 日本政府は、集団的自衛権は「自衛の必要最小限度」を超えるものであり、憲法上、行使できないものと考えてきました。

集団的自衛権に関する日本政府の見解は長年の国会答弁の上に確立しました。

「保有するが」
1981年5月29日の政府答弁書では、集団的自衛権は「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」であると規定。その上で、①国際法上、日本は集団的自衛権を有する②憲法第9条が許容する自衛権の行使は、必要最小限度の範囲にとどまる③集団的自衛権の行使は、その範囲を超えるので、憲法上許されない―としています。
つまり、「日本は国際法上、集団的自衛権を保有するが、憲法上は行使できない」というもの。憲法学界でも、9条1項で一切の戦争や武力行使を禁じている以上、行使できないという考えが多数です。



市中行進する保安隊(自衛隊の前身)=1952年10月30日

海外派兵論議国内での議論で最初に問題になったのは、海外派兵との関係でした。岸信介首相は、海外派兵を「集団的自衛権の…最も典型的な、重視せられるべきもの」であるとして、「憲法9条の解釈として、自衛隊がいかなる意味においても日本の領域外で武力行使することは一貫して認めていない」(60年3月31日、参院予算委員会)との考えを示しています。
80年代に入り、シーレーン防衛や米軍主導の多国籍軍事演習(リムパック)参加など海外での日米共同作戦態勢が深化するなか、再び集団的自衛権が問題になりました。前出の政府答弁は、この時期に出されたものです。
自民党の安倍晋三幹事長が2004年1月26日の衆院予算委員会で、政府見解にある「必要最小限度の範囲」との文言をあげ「範囲の中に入る集団的自衛権の行使が考えられる」と迫りました。
これに対して秋山牧内閣法制局長官は「集団的自衛権は、他の外国に加えられた武力行使を実力で阻止することを内容とするものであり、憲法9条で認められない」と答え、否定しました。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年8月19日付掲載


自民党政権を含め、反動的と言われた政権でも「集団的自演権」の行使は認められないとしてきました。それが、今回の安倍政権になって、一線を越えようとしています。
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