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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

解雇の自由化② 憲法上の権利踏みつけ

2013-04-10 21:26:57 | 働く権利・賃金・雇用問題について
解雇の自由化② 憲法上の権利踏みつけ
牧野富夫日大名誉教授に聞く

第1次安倍晋三政権のとき、事務系労働者を労働時間規制から適用除外する「ホワイトカラー・エグゼンプション法案」がつくられ、国会上程の一歩手前までいきました。労働者の「残業代ゼロ法案反対」の運動でつぶされましたが、政府・財界が進める「労働ビッグバン」の一つでした。

危険性高まる
「労働ビッグバン」とは「雇用の流動化・多様化」を通じて格段のコスト削減・効率化を図るため「規制改革」を断行することです。私は当時、「安倍首相ら靖国派が憲法『改正』を公然と主張していますので、いまがチャンスとばかりに憲法『改正』と一体の『労働ビッグバンの総仕上げ』が構想され、すでに一部実践段階に入っている」と指摘していました。憲法は、労働基準法や最低賃金法などの労働法制の根拠法となっています。
労働法制の解体的緩和を強行するには、その根拠となっている憲法上の関連規定の見直しが必要になるわけです。
その危険性は今、改憲を掲げる第2次安倍政権の下でいっそう高まっています。これまで手付かずであった、財界からみた「強すぎる解雇法制」を切り崩して「雇用の流動化・多様化」を一気に加速させようということです。「世界で一番企業が活動しやすい国」を目指す安倍政権にとって、「雇用の流動化・多様化」が必要なのです。ここに「解雇自由化」追求の真の狙いが表出しています。



日航本社前で解雇撤回を求める日航労働者と支援者たち=3月15日、東京都内

我慢を強いる
解雇を自由化すれば、正社員が一番安心できる部分が奪われてしまいます。いつ首を切られるか分からないという恐怖から、何でも経営者の言うとおりにせざるをえず、ものを言うこともできなくなります。劣悪な労働条件でも我慢を強いられます。パワハラ・セクハラの温床にもなります。まさに労働者の権利を保障する憲法を踏みにじるものです。
規制緩和を議論する規制改革会議の大田弘子議長代理が、次のように述べています。
「規制改革は、労働市場改革とセットである。労働者を現状に固定して守るのではなく、企業間を移動しても守られる柔軟な労働市場にせねばならない。従来とは次元の異なる規制改革を実行すべきだ」(「日経」2月27日付)
これは「労働ビッグバン」の再提起です。
このような「労働ビッグバン」を許せば、雇用破壊をいっそうエスカレートさせ、内需をますます収縮させ、日本経済の危機的状況を救いがたい奈落に突き落とすことになります。

力を結集して
今、求められるのは、①正規雇用が当たり前で、非正規は一時的・臨時的とし②その一時的・臨時的な非正規雇用に対しても均等待遇の原則を貫き③安易な解雇を許さない解雇法制をつくり④万一解雇されても整備された失業保険で労働者の生活を守る―という、国際労働機関(ILO)の国際労働基準にもとつく「雇用のルール」を確立することです。
また、労働者の生活を「安心できる人間らしいもの」にするには、このような「雇用のルール」の確立に加えて、「頼りになる社会保障」が不可欠です。
そのためにも国の責任を放棄し、国民を「自助・自立」の窮地に追い込む自民党の時代錯誤の改憲論や、新たな雇用破壊攻撃・社会保障解体攻撃を国民の力を結集して阻止しなければなりません。そのバックボーンになるのが国民の権利を保障する平和憲法です。
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年4月6日付掲載


「ホワイトカラー・エグゼンプション」って懐かしい言葉がでてきましたね。当時は宇宙の「ビックバン」にひっかけて「労働ビックバン」って言葉もはやりました。
「転職がしやすくなる」とか「能力を生かして働ける」とかマヤカシの宣伝がされましたが、ナショナルセンターの違いを超えて労働者の反対の運動が起こり、潰すことができました。
改めて、「正社員が当たり前」「人間らしい働く環境」を勝ち取っていかないといけませんね。
コメント
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