科学の衣を着たオカルト
水のウソ・ホント 第2回目です。

『水からの伝言』なる本をご存知ですか?
インターネットでも話題になっていました。
「『ありがとう』という文字を見せた水は美しい氷の結晶ができ、『ばかやろう』を見せると醜いばらばらの塊になる。」というのです。しかも、この話が少なからぬ小学校で道徳として教えられてい
るー。「変だ」と言った生徒が先生からしかられ不登校になったとか。教育充実を要求する質問のなかで肯定的にとりあげた国会議員まであり、がく然としました。
二〇〇六年三月には、日本物理学会の研究者有志が、放置できない重大な社会問題としてこのような「ニセ科学」の仕組みや受け入れられる背景等を議論するシンポジウムを開催しました。大阪大学の菊池誠教授は、ホームページで「教育への大きな脅威であり決して認められない」と警告、山形大学の天羽優子准教授は、水に特化したニセ科学批判と本当の水に関する科学についてホームページで解説されています。
ウソを根拠にしては、科学的な思考の形成に決定的なマイナスをもたらします。文部科学省や各自治体の教育委員会は「日の丸」掲揚には介入しても、ニセ科学を抑止する教育政策を持っていないようです。学校の先生たちの科学的判断力、「なぜ」と疑う前向きな思考が奪われつつあるのではと、筆者も危機感を覚えます。
(近畿水問題合同研究会会員 中村寿子)
(つづく)
水のウソ・ホント 第2回目です。

『水からの伝言』なる本をご存知ですか?
インターネットでも話題になっていました。
「『ありがとう』という文字を見せた水は美しい氷の結晶ができ、『ばかやろう』を見せると醜いばらばらの塊になる。」というのです。しかも、この話が少なからぬ小学校で道徳として教えられてい
るー。「変だ」と言った生徒が先生からしかられ不登校になったとか。教育充実を要求する質問のなかで肯定的にとりあげた国会議員まであり、がく然としました。
二〇〇六年三月には、日本物理学会の研究者有志が、放置できない重大な社会問題としてこのような「ニセ科学」の仕組みや受け入れられる背景等を議論するシンポジウムを開催しました。大阪大学の菊池誠教授は、ホームページで「教育への大きな脅威であり決して認められない」と警告、山形大学の天羽優子准教授は、水に特化したニセ科学批判と本当の水に関する科学についてホームページで解説されています。
ウソを根拠にしては、科学的な思考の形成に決定的なマイナスをもたらします。文部科学省や各自治体の教育委員会は「日の丸」掲揚には介入しても、ニセ科学を抑止する教育政策を持っていないようです。学校の先生たちの科学的判断力、「なぜ」と疑う前向きな思考が奪われつつあるのではと、筆者も危機感を覚えます。
(近畿水問題合同研究会会員 中村寿子)
(つづく)