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きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

豪雨災害Q&A③ 住宅被害 支援内容に差

2020-07-19 08:22:54 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
豪雨災害Q&A③ 住宅被害 支援内容に差
 住宅の被害にたいする支援制度には、どういうものがありますか。

何度でも調査を
 大きくいって別表のように二つの制度があります。
問題になってくるのは調査による被害認定です。支援内容に大きな差が出てきます。1次調査では、浸水による「全壊」は床上1・8メートル以上、土砂の堆積による「全壊」は床上1メートル以上などとしています。しかし、これはあくまでも簡易なもので、それ未満でも実際に住めない場合は少なくありません。
被害認定に納得がいかない場合は、2次調査、再調査など何度でも求めることができます。内閣府も「畳が浸水し、壁の全面が膨張しており、さらに浴槽などの水回りの衛生設備等についても機能を喪失している」場合に「大規模半壊」「半壊」と扱うとしています。「半壊」であっても「浸水等の被害により、流入した土砂の除去や耐え難い悪臭のためやむを得ず住宅を解体する」場合、「全壊」と同様に扱うとしています(「浸水等による住宅被害の認定について」2004年10月28日)。
また、航空写真を活用しての判定や、被害区域の四隅をサンプル調査して当該地域すべてを「全壊」とすることも可能としています。


災害者住宅再建支援制度と災害救済法の住宅の応急修理の対象
被害認定区分損害割合被災者生活再建支援制度災害救助法の住宅の応急修理制度
基礎支援金加算支援金
全壊50%以上100万円建設・購入=200万円、補修=100万円、賃借(公営住宅以外)=50万円○(併給可能※)
大規模半壊40%~50%50万円
半壊20%~40%××○(59.5万円)
一部損壊(準半壊)10%~20%××○(30万円)
一部損壊(10%未満)10%未満×××
※応急修理の限度額を超える部分を、被災者生活再建支援制度の「補修の加算支援金」で受けた場合は、「建設・購入の加算支援金」は受けることができなくなるので注意が必要(内閣府の資料などから作成)


破損はなくても
「全壊」「大規模半壊」の場合は最高300万円が支給されます。しかしこれでは住宅再建費用のごく一部にしかなりません。新型コロナウイルスの感染リスクを減らすために避難期間を短縮する必要があり、支援金の抜本増額が求められます。「半壊」「一部損壊(準半壊)」の場合には「応急修理制度」があります。
内閣府の「災害救助法に基づく住宅の応急修理に関するQ&A」(19年11月21日)では、「被災者生活再建支援金」と「応急修理」の併給が可能としています(別表の※)。また、床上浸水で悪臭が取れないなど、そのままでは生活できない場合、破損はなくても「応急修理」の対象となります。(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年7月17日付掲載


住宅被害への支援金は、被害の度合いによって大きく差があります。
納得のいかない場合は、何度でも調査してもらいましょう。
床上浸水で悪臭が取れないなど、そのままでは生活できない場合、破損はなくても「応急修理」の対象となります。
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豪雨災害Q&A② 土砂撤去 公費でできる

2020-07-18 08:13:33 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
豪雨災害Q&A② 土砂撤去 公費でできる
 家屋や私有地に流れ込んだがれきや土砂の撤去は、被災者個人の力ではどうにもなりません。

補助金など活用
 公費で撤去できます。災害救助法は、「障害物の除去」を定めています。災害によって、土石、竹林などの障害物が家屋や宅地に運び込まれ、日常生活ができない被災者への支援制度です。除去の費用は、1世帯当たり13万7900円(2019年10月基準)以内です。
さらに、環境省の「災害等廃棄物処理事業」と国土交通省の「堆積土砂排除事業」による補助金および特別交付金を活用することで、被災者の負担なしの撤去ができます。
土砂まじりのがれきも対象です。18年の西日本豪雨災害をうけ、日本共産党の仁比聡平参院議員(当時)が、宅地内の土砂やがれきの撤去について公費で行うことを強く求め、政府は環境省と国交省による連携制度を表明しました。環境省は4日、「令和2年7月3日からの大雨により発生した災害廃棄物の処理等に係る補助制度の円滑な活用について(周知)」を都道府県に発出。この制度を紹介し、今回の豪雨災害でもこの措置をとることが可能としています。



球磨川の氾濫で浸水し、使えなくなった家財道具=9日、熊本県人吉市

要望を上げよう
また、これから撤去する家屋やがれきだけでなく、すでに撤去に着手したり終了したりしている場合も、補助対象になります。環境省は6日、「令和2年7月3日からの大雨に係る災害等廃棄物処理事業において、既に所有者等によって全壊家屋や宅地内土砂混じりがれきの撤去を行った場合の費用償還に関する手続きについて(周知)」を出しています。さらに、全壊家屋だけでなく、「その他の災害等廃棄物処理事業についても適用できる可能性がある」としています。自治体に要望を上げていきましょう。
畳や布団、廃家電、倒木などの処理困難物もふくめて、自治体がおこなっている回収費用も、「災害等廃棄物処理事業費補助金」の対象になり、補助金および交付税措置が適用できます。高齢者など「災害ゴミを集積場まで運ぶのは無理」などの声にこたえて、市町村にどんどん要請しましょう。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年7月16日付掲載


風水害や地震などの災害で自宅になだれ込んだ土砂やがれきの撤去は、公費で撤去してもらえます。
すでに自費で撤去した場合も、あとから支払ってもらうことができます。
領収書や写真もとっておきましょう。
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豪雨災害Q&A① コロナ禍での避難生活

2020-07-17 09:18:47 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
豪雨災害Q&A① コロナ禍での避難生活
大雨の被害が九州、東海を中心に拡大しています。
新型コロナウイルス感染の恐れもあるなか、避難生活で気をつけるポイントや被災者支援の制度をQ&A形式でまとめました。

生活環境の改善
 コロナ禍のもとでの避難生活。どんなことに注意すればいいのでしょうか?
 感染症対策に万全を期しながら、避難所での生活環境を改善させることが必要です。内閣府は、「避難所の確保及び生活環境の整備等について(留意事項)」との「通知」を4日に、「避難所における新型コロナウイルス感染症への対応に関するQ&A(第1版)」を6月10日に出しています。
「通知」では、「可能な限り多くの避難所の開設」と「ホテル・旅館、研修所、その他の宿泊施設」の活用を促しています。「Q&A」では、健康チェックリスト、サーモグラフィーの設置、避難所のスペースのパーティションやテントなどの配置図、医療機関などによる支援体制の構築などを求めています。
食事や食材購入・炊事場確保については、「管理栄養士等を必要に応じて雇い上げる」「メニューの多様化、適温食の提供、栄養バランスの確保、高齢者や病弱者にたいする配慮等、質の確保」を明記。簡易ベッド、畳、マット、カーペット、冷暖房機器、洗濯機、乾燥機、仮設風呂やシャワーなどは欠かせません。
さらに、プライバシーの確保やジェンダー平等の視点も大切です。「通知」では、「その他必要な設備備品」も環境整備の対象としています。避難者が必要なものはどんどん要望しましょう。レンタルだけでなく、購入も求めましょう。



豪雨災害の被災者が生活する熊本県八代市の避難所。新型コロナウイルス対策で、ソーシャルディスタンス(他者との距離)を保つため段ボールで仕切られている=7月9日、同市

「在宅」に支援は
日本共産党の志位和夫委員長は9日、武田良太防災担当相に、自宅や車中泊、親戚など「分散型避難」をしている方々への支援を求めました。被災地では、「食事や服の支給は避難所に寝泊まりしている人だけかと思っていた」などの声が相次いでいます。
内閣府は10日、「在宅避難者への物資・情報等の提供について」との「通知」を各県に発出しました。食料や水、紙おむつ、生理用品などの必要な物資の配布、医師・保健師による保健・医療サービスの提供、住まいや生活環境に関する行政からの正確な情報などを「適切に提供していただくようお願いします」としています。
国は、「通知」などを出して終わりでなく、着実に実現するために責任を持つことが求められています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年7月15日付掲載


日常生活から離れての避難所での生活。洗濯機や乾燥機などはもちろん、プライバシーの確保やジェンダー平等の視点からの対策も必要。
自宅や車中泊といっても、ライフラインが途絶えていては支援が必要。食料や生活物資の支援を。
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西日本豪雨2年 被災地を訪ねて③ 愛媛県大洲市・西予市野村町 ダムより河川整備こそ

2020-07-12 07:28:35 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
西日本豪雨2年 被災地を訪ねて③ 愛媛県大洲市・西予市野村町 ダムより河川整備こそ
西日本豪雨による肱川の氾濫で、甚大な被害を受けた愛媛県大洲市と西予市野村町。現在、両市合わせて181人が仮設住宅で暮らしていますが、順次建設される災害公営住宅に希望者全員が入居できる予定です。
2018年7月7日、かつてない豪雨で、野村ダム(西予市)と鹿野川ダム(大洲市)は異常洪水時防災操作(緊急放流)を決行。激流が下流の町をのみ込みました。大洲市と西予市野村町では約4000戸が浸水。11人(関連死を含む)が亡くなる大惨事となりました。

建設に依然固執
国土交通省と県は昨年12月に肱川の整備計画を改定。これまで「行わない」としてきた河道掘削を実施するものの、依然として山鳥坂ダム建設に固執しています。
今回の改定では住民の批判が集中していた、河道掘削は「行わない」との記述が削除されました。「当然のこと」と「77水害を考える会」の有友正本代表は強調します。その上で、県管轄区間では、たった3カ所、計2キロ程度しか掘削しない計画の効果を疑問視します。「河床掘削と堤防の整備を徹底すれば、新しいダムは要らないことが分かってしまう。何が何でも山鳥坂ダムを造ろうとしている」
「山鳥坂ダムはいらない市民の会」事務局の池田亀菊さんは、国直轄区域での9カ所の掘削を評価するものの「河口から上流へと大量に堆積した土砂を除かなければ堤防を設置しても水位は上昇し続け、内水の氾濫を招く」と指摘します。
05年に肱川を調査した国土問題研究会の上野鉄男理事長は「河口から13キロほど上流の矢落川との合流点まで河床を掘削することが肱川の治水対策に最も重要」と指摘します。



洪水吐から放流する鹿野川ダム。野村ダムにも設置が狙われています=6月29日、愛媛県大洲市

住民不安よそに
国交省は当初、肱川の河床を掘削する長期計画を策定していました。上野理事長はその資料などを検証し、矢落川合流点より下流の河床を、当時目標とした数値まで掘削すれば、毎秒約800トンの新たな流下能力を確保できると試算。山鳥坂ダムの洪水調整流量とされる毎秒約400トンを倍する効果が生じることを突き止めました。
上野理事長は「矢落川合流点から下流の河床を掘削すれば、計画規模の洪水に対しても大洲の水害を防ぐことができる」といいます。
昨年6月、総額約487億円をかけて鹿野川ダムに設置したトンネル洪水吐(はき)(放流設備)が、住民の不安をよそに運用を始めました。野村ダムでも同様の設備を設置することが整備計画に盛り込まれています。
「野村の未来を守る会」の和気数男代表(日本共産党西予市議)は「野村ダムはコンジットゲートで既に下部から放流できます。なぜ造るのか」と批判。「新しく洪水吐を造るのではなく、大もとの河川整備こそ進めるべきだ」と指摘しました。(おわり)
(この連載は、酒井慎太郎、広島県・宮中里佳、愛媛県・宮内智矢が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年7月6日付掲載


水力発電や灌漑など、ダム建設がすべて悪だとは思いませんが…。
治水という点ではダムは決して有効な手段ではないことが分かってきています。
川底の掘削などの河川改修、堤防のかさ上げ、遊水池の設置などの方が有効だと。
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西日本豪雨2年 被災地を訪ねて② 広島・坂町 帰りたくても帰れない

2020-07-11 07:49:15 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
西日本豪雨2年 被災地を訪ねて② 広島・坂町 帰りたくても帰れない
西日本豪雨で大規模な土砂災害に見舞われた広島県坂町。砂防ダムが崩壊し、土石流が集落を襲い、災害関連死を含めて16人が亡くなり、全半壊653軒の被害のあった小屋浦地区では、年度末を目標に砂防ダムの完成に向けた工事が進められています。一方、多くの家屋が解体・撤去されたため、更地が目立ちます。災害前、1万3347人だった人口は現在(7月1日)1万2995人まで減少しています。
3月末、計5カ所で85戸分の災害公営住宅が同町に完成しました。収入に応じた家賃が必要です。ここでの新しい生活を始めた人がいる一方、仮設住宅で不安を抱えながら暮らす人もいます。



仮設住宅で生活する弘中さん(右)から話を聞く尾崎町議(左)=6月27日、広島県坂町

話す相手おらん
同町平成ケ浜の仮設住宅では、ピーク時は98世帯185人が生活していましたが、今では21世帯33人(6月29日時点)まで減っています。その中の一人、弘中美津子さん(87)は「災害公営住宅ができ、どんどん引っ越したから、一気に人が減った。話す相手もおらん」と訴えます。新型コロナの影響で外出は月に1度の通院のみだったこともあり「筋肉が減り、体力が落ちてしもうた。年はとっていくばっかしで、もうどうにもならん」と話します。
1人暮らしの弘中さんの自宅は急峻な山間にあり、2年がたつ今もまだ、自宅への道路は崩壊したまま、帰りたくても帰れません。
災害公営住宅はまだ空きがあり住居者を募集していますが、弘中さんは条件がそろわないため、入れないといい、ため息がこぼれます。
災害公営住宅の入居条件として、家賃3カ月分の敷金と連帯保証人2人というあまりにも厳しく、「申し込みたくても申し込めない」と訴える被災者の声を受け、日本共産党の尾崎光町議は3月の町議会で条件の緩和を要求。その結果、「準備が困難で特別な事情がある場合は連帯保証人の連署を必要としなかったり、敷金の減免または徴収の猶予ができる」との答弁を引き出しました。

安心できる町に
「1メートル80センチもの土砂が流れ込んだ」と言う女性(76)は、長年暮らした愛着のある自宅を解体し、災害公営住宅での生活を始めました。道路のすぐそばに建っており、夜中でも大型トラックが頻繁に通り、音と振動で眠れない日があると言います。地域で唯一の病院(内科医)もスーパーも閉鎖しましたが「慣れている土地で暮らしたい。二度と災害が起こらず安心して住めるような町にしてほしい」と願います。
被災者の要望を議会に届け、要求実現に奮闘する尾崎町議は「住民が安心・安全で暮らせる町にするため、引き続き、被災者支援拡充のため頑張りたい」と話します。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年7月5日付掲載


災害公営住宅が出来ても、家賃3か月分の敷金や2名の連帯保証人では入居できない。
あまりにも厳しい基準は見直しが進んでいます。
自宅は壊れていなくても、道路が復旧してなくて帰れない問題も。
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