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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

西日本豪雨2年 被災地を訪ねて③ 愛媛県大洲市・西予市野村町 ダムより河川整備こそ

2020-07-12 07:28:35 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
西日本豪雨2年 被災地を訪ねて③ 愛媛県大洲市・西予市野村町 ダムより河川整備こそ
西日本豪雨による肱川の氾濫で、甚大な被害を受けた愛媛県大洲市と西予市野村町。現在、両市合わせて181人が仮設住宅で暮らしていますが、順次建設される災害公営住宅に希望者全員が入居できる予定です。
2018年7月7日、かつてない豪雨で、野村ダム(西予市)と鹿野川ダム(大洲市)は異常洪水時防災操作(緊急放流)を決行。激流が下流の町をのみ込みました。大洲市と西予市野村町では約4000戸が浸水。11人(関連死を含む)が亡くなる大惨事となりました。

建設に依然固執
国土交通省と県は昨年12月に肱川の整備計画を改定。これまで「行わない」としてきた河道掘削を実施するものの、依然として山鳥坂ダム建設に固執しています。
今回の改定では住民の批判が集中していた、河道掘削は「行わない」との記述が削除されました。「当然のこと」と「77水害を考える会」の有友正本代表は強調します。その上で、県管轄区間では、たった3カ所、計2キロ程度しか掘削しない計画の効果を疑問視します。「河床掘削と堤防の整備を徹底すれば、新しいダムは要らないことが分かってしまう。何が何でも山鳥坂ダムを造ろうとしている」
「山鳥坂ダムはいらない市民の会」事務局の池田亀菊さんは、国直轄区域での9カ所の掘削を評価するものの「河口から上流へと大量に堆積した土砂を除かなければ堤防を設置しても水位は上昇し続け、内水の氾濫を招く」と指摘します。
05年に肱川を調査した国土問題研究会の上野鉄男理事長は「河口から13キロほど上流の矢落川との合流点まで河床を掘削することが肱川の治水対策に最も重要」と指摘します。



洪水吐から放流する鹿野川ダム。野村ダムにも設置が狙われています=6月29日、愛媛県大洲市

住民不安よそに
国交省は当初、肱川の河床を掘削する長期計画を策定していました。上野理事長はその資料などを検証し、矢落川合流点より下流の河床を、当時目標とした数値まで掘削すれば、毎秒約800トンの新たな流下能力を確保できると試算。山鳥坂ダムの洪水調整流量とされる毎秒約400トンを倍する効果が生じることを突き止めました。
上野理事長は「矢落川合流点から下流の河床を掘削すれば、計画規模の洪水に対しても大洲の水害を防ぐことができる」といいます。
昨年6月、総額約487億円をかけて鹿野川ダムに設置したトンネル洪水吐(はき)(放流設備)が、住民の不安をよそに運用を始めました。野村ダムでも同様の設備を設置することが整備計画に盛り込まれています。
「野村の未来を守る会」の和気数男代表(日本共産党西予市議)は「野村ダムはコンジットゲートで既に下部から放流できます。なぜ造るのか」と批判。「新しく洪水吐を造るのではなく、大もとの河川整備こそ進めるべきだ」と指摘しました。(おわり)
(この連載は、酒井慎太郎、広島県・宮中里佳、愛媛県・宮内智矢が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年7月6日付掲載


水力発電や灌漑など、ダム建設がすべて悪だとは思いませんが…。
治水という点ではダムは決して有効な手段ではないことが分かってきています。
川底の掘削などの河川改修、堤防のかさ上げ、遊水池の設置などの方が有効だと。

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