く~にゃん雑記帳

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<奈良県立美術館> 企画展「蕭白・松園…日本美術の輝き」

2016年01月27日 | 美術

【美人画、武者絵、刀剣など100点余、「伝淀殿画像」も】

 奈良県立美術館で「真田丸」関連企画展「蕭白・松園…日本美術の輝き~美人画、武者絵から刀剣、近代の名品まで」が始まった。特別出品も含め100点余(前・後期で一部展示替え)。同館所蔵の江戸時代以降の様々な美人画を一堂に展示、いま話題の真田丸関連として「淀殿」と伝わる肖像画や武者絵、近代日本画の名品なども並ぶ。3月13日まで。

   

 江戸時代の奇才の画家、曽我蕭白の『美人図』(前期展示)は若い女性が虚ろな表情で切り裂いた手紙をくわえて立ち尽くす。近代美人画の第一人者、上村松園の『明治初期風俗十二月』は様々な年頃や階層、職業の女性を12カ月の風物に託して描いた画帖。まだ20代前半の頃の作品だが、既に卓越した描写力を見せている。後期には松園円熟期の作品『春宵』が展示される。

 江戸の美人画で目を引くのは浮世絵の祖、菱川師宣の長男で元禄年間に活躍した菱川師房の『見返り美人図』、懐月堂安度の『立美人図』、宮川長春の『花下美人少女図』など。安度を祖とする「懐月堂派」は大柄で堂々とした遊女を「く」の字形で描き「懐月堂美人」として人気を集めた。一方、上方では円山派や四条派など浮世絵師以外の絵師が美人画を多く手掛けた。応挙門下の山口素絢の『妓婦図』は芸妓がかんざしに手を添え視線を落とした構図。その表情と落ち着いた色彩に上品さがあふれる。近代日本画としては鏑木清方の『涼風』、竹久夢二の『雪中子抱き美人図』なども展示中。

 『伝淀殿画像』は17世紀に描かれたもので絹本着色の掛幅(72.2×36.3cm)。その前には淀殿直筆といわれる和歌の短冊が収められた『手鑑(てかがみ)』(登録有形文化財藤岡家住宅所蔵)も。「秀頼公御母堂淀殿」と記した極め札が添えられ、僧慈円の歌「心あらば吹かずもあらなむよひよひに人待つ宿の庭の松風」が流麗な筆致で墨書されている。他に書跡『豊臣秀吉朱印状 柘植左京亮宛』や狩野永納の『楠木正成像』、17世紀の『洛中洛外図屏風』(6曲1双)なども展示されている。


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