く~にゃん雑記帳

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〈奈良国立博物館⋅夏企画㊦〉 「フシギ! 日本の神さまのびじゅつ」展

2024年08月04日 | 美術

【一級の美術品を通して“祈り”の形を分かりやすく紹介】

 奈良国立博物館(奈良市)の西新館でわくわくびじゅつギャラリー「フシギ! 日本の神さまのびじゅつ」展が開かれている。東新館で開催中の特別陳列「泉屋博古館の名宝」展との同時開催で、会期も同じ9月1日まで。

 このわくわくギャラリーは子どもにも神様⋅仏様にまつわる祈りの美術に関心を持ってほしいと始めたもので、今回で3回目。展示は「お住まいのフシギ」「おすがたのフシギ」「ほとけさまとのカンケイのフシギ」など6章で構成する。

 展示品には国宝3点や重要文化財8点をはじめ一級品が並んでおり、大人にとっても見ごたえ十分。また展示品の所蔵者⋅団体は地元奈良のほか大阪、京都、滋賀、和歌山と広範。テーマに沿った特徴的な美術品展示のため、学芸員らが奔走したことを示す。

 国宝は同館所蔵の『辟邪絵(へきじゃえ)』6幅のうち『神虫(しんちゅう)』(写真㊦=部分)と『毘沙門天』、薬師寺⋅休ケ岡八幡宮の『八幡三神像』、熊野速玉大社の『古神宝類のうち桐蒔絵手箱および内容品』。

 『辟邪絵』は邪悪な鬼神を懲らしめ退治する様子を描いたもの。『神虫』は蚕の成虫の姿をした神様で、「災いをもたらす鬼を朝に三千、夜に三百も食べる」という説明が添えられていた。『八幡三神像』は平安初期の木彫で、中央に僧侶姿の八幡神、右に神功皇后、左に仲津姫命が鎮座。僧形の神像が神仏習合を象徴的に表す。

 重文『東大寺大仏縁起』は東大寺の僧侶祐全が室町時代の1536年頃に描いた。風神と雷神、龍神が大仏殿を建てるための材木をスムーズに運べるよう協力している様子なども描かれている(写真㊤=部分)。

 重文では奈良⋅往馬大社の『生駒宮曼荼羅』、大峯山寺の『蔵王権現像』、談山神社の『沃懸地太刀』、和歌山⋅丹生都比売神社の『金銅琵琶(伝平政子奉納)』などもある。他には奈良⋅矢田原第三農家組合所蔵の『富士参詣曼荼羅』、大阪⋅本山寺の『宇賀神像』、奈良⋅西笹鉾町自治会の『三社託宣』なども展示中。

 この美術展は高校生以下(18歳未満)入場無料で、来場者にはクイズ形式のワークシートを配付している。会場の一角には展示品の中から自由に描いてもらった作品を掲示する「お絵かきギャラリー」やお面づくりのコーナーも。

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