く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<オドリコソウ(踊子草)> 花姿を花笠をかぶって踊る人々にたとえて

2016年05月05日 | 花の四季

【日本原産の多年草、ヒメオドリコソウはヨーロッパ原産の帰化植物】

 日本や朝鮮半島、中国など東アジアに分布するシソ科の多年草。4~5月頃、高さ30~50cmの花茎を伸ばし、茎を囲むように輪生状に白または淡い色の紅花を節ごとに付ける。その様子が花笠をかぶった踊り子が背中合わせで踊っているように見えることから「踊子草」という優しい名前をもらった。「オドリバナ(踊り花)」「コムソウバナ(虚無僧)」という別名も。

 江戸中期の百科事典『和漢三才図絵』にも「人笠を着て踊るに似たり」と紹介されている。茎の断面は四角形、花冠は長さが2~4cmほどの唇状で、シソ科の特徴を併せ持つ。若芽はゆがいて和え物や汁の実など食用に。花はホトケノザ(仏の座)に少し似るが、オドリコソウのほうが大きく、花の数も多い。「全国各地の山野や半日陰の道端に群生」などと紹介している本が多いが、最近は都会周辺で目にすることは少なくなってきた。

 オドリコソウを「すいばな」「すいすいぐさ」「ちちばな」などと呼ぶ地方もある。これはかつて子どもたちが花の蜜を吸って遊んでいたことから。仲間に北海道などでよく見られる「チシマ(千島)オドリコソウ」がある。オドリコソウに比べると花がまばらで、「イタチジソ」とも呼ばれる。ヒメオドリコソウはオドリコソウに似て、小さいことから頭に「姫」と付いた。土手や畦道、空き地などに群生し、すっかり日本の春の風景になじんでいるが、こちらはヨーロッパからやって来た帰化植物。明治時代の中頃に東京・駒場で最初に見つかったという。

 「ツルオドリコソウ」もヨーロッパ原産の多年草。繁殖力が旺盛で、花後に根元からツルを次々に伸ばして広がるため、グランドカバーに使われることが多い。葉に白い斑(ふ)が入ったものもあり、黄色い花を付けることから「キバナ(黄花)オドリコソウ」とも呼ばれる。また学名から「ラミウム」とも。「踊子草咲きむらがれる坊の庭」(山口青邨)


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