【重さ最大2トン、6台が砂煙を巻き上げながら】
ふとん太鼓が激しい練り回しを始めると、神社境内はもうもうと砂煙に覆われた――。秋晴れの13日、奈良県大和郡山市の小泉神社で行われた秋祭りの最大の見どころ、ふとん太鼓6台の練り回し。その迫力に圧倒された。直後の宮下りも圧巻。最大2トンもある太鼓台を担ぎ、参道の階段をゆっくりと下っていった。
小泉神社の本殿は室町時代造営の一間社春日造で、国の重要文化財に指定されている。正午から拝殿で神事が始まった。境内にはふとん太鼓(通称・大太鼓)、提灯太鼓(小太鼓)など20台近くが勢ぞろい。神事のうち5色の御幣を奉納する「奉幣の儀」は500年近く前から古式そのままに連綿と続くという。その後、かわいい巫女さん3人による神楽の奉納などが続いた。
練り回しは神事が終わった直後の午後1時から始まった。氏子5地区の大太鼓が計6台(河原、北之町、本町、西方、市場、市場第三)。練り回しが始まるや、境内は砂煙がもうもうと巻き上がった。1台を50~60人ほどで担ぐ。鳴り響く太鼓と笛の音。「ヨーイソレ」の掛け声に合わせ大太鼓は上下しながら10分間ほど激しくもみ合った。
この後、「西方(にしほう)」の大太鼓を先頭に宮下り。最も大きく龍と獅子の彫刻が美しい「本町」の大太鼓は重さがなんと2トンもあるという。高さもかなりあるため鳥居をくぐるのもやっとのこと。長い階段を必死の表情で担いで下りていった。この後に今年1000万円ほどかけて修復したばかりという「北之町(きたんちょう)」なども続いた。
門前まで下りた大太鼓は台車に乗せられ、中学男子が担ぐ小太鼓や、女子と男児が引っ張る小型の太鼓台とともに各地区を巡行した。途中、ご祝儀があると大太鼓や小太鼓は感謝の印に上下・前後させ、女の子たちは一斉に「ありがとうございました」とお礼を述べていた。午後2時半ごろには大半の太鼓台がいったんJR大和小泉駅前に集合した。女性や子どもたちも大勢参加した活気にあふれた祭りだった。
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